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2

猫人族の村を出て、次の村を目指した。

猫人族の村からあまり距離の離れていない場所に犬人族の村を見つけた。


「行こうか」


「うん」


2人は、犬人族の村に近づいて行くと、入り口にいた兵士に止められた。


「おい!おまえら何処から来た!」


「俺達は、魔物の調査で人族の街から来たんだ。

 あっ、これお土産ね」


「これは、ご丁寧に有難う御座います」


(お土産渡したら態度がかわったなぁ)


「ところで、村長に会いたいのだが」


「ああ、ちょっと待ってくれ」


兵士達は、お土産を必死に食べていた。

お土産を食べ終えると、兵士は村長宅に案内をしてくれた。


「村長、お客様です」


「うむ、お前・・・ちょっと待て、口元に何か付いているぞ」


兵士は、口元を慌てて拭った。


「気のせいです!

 それでは、失礼します」


兵士は、そのまま走って、持ち場に戻った。


「あ奴め・・・」


「爺さん、そろそろ話をしてもらっていいか」


「そうじゃ、すまんかった」


「最近、魔物の動きに変化はないか?」


「森の奥の方からこちらに逃げて来るような事があるのぅ」


「逃げて来る?

 スタンビートでは、ないのか」


「違うといえるじゃろ、種類や種別一切関係なく、纏まってこちらに走って来た事が

 何回かあるが、暴走と言うよりも逃走だと思う」


「何処からか逃げて来たのか」


「そうかも知れんな」


「わかった。ありがとな」


村の長に礼を言い、犬族の村を後にした。

そして、鳥族の住む岩場を目指した。

魔物の森の奥に岩で出来た山に住む鳥族の村までは、

ここから1日掛かるが、その場所に辿り着く迄の間も、魔物は頻繁に出現するようになった。


「イリス、魔物が増えてないか?」


「うん、犬族の村長が言っていたみたいに色々な種類の魔物が襲ってくるというよりも

 どこかから逃げているような感じだね」


「だね、そうじゃなかったら、俺たちは、撤退していたかもしれないな」


2人は、魔物と戦いながら山を登っていくと、

鳥族の村とその村を襲うワイバーンが見えた。


「やばい、襲撃中だ」


「数も多いね」


「さて、どうしようか」


「どうしようかって、助けるしかないよ!」


「そうだな、行って来る」


アーロンは、飛び出し、戦いの中に走って行った。


「アーロン!」


アーロンは、飛び上がり、そのままワイバーンの翼を切り裂いた。


「ギャ!」


鳥人族は、人族の乱入に驚いたが、ワイバーンを倒す姿を見て

共闘することにした。


「人族の者よ、我は、鳥人族の長だ、

 申し訳ないが、このまま助っ人を頼めないだろうか」


「話を聞きたいが、今はその申し出を受ける」


「申し訳ない、助かる」


その後、イリスも参戦し、ワイバーンと戦った。

どちらも痛手を負い、鳥人族は勇敢な者ほど死に、

ワイバーンは、若い個体が多く倒された。

そして、日が沈むと同時にワイバーンは去っていった。


ワイバーンが去った後、アーロン達は鳥族の長に会った。


「人族の者よ、この度の助力、感謝する」


「気にするな、俺達も用があってこの場所に来たのだ」


「ほう、用とは?」


「最近の魔物の調査だ」


「そうか、人族の街まで話は通っているのか」


「どういう事だ」


「うむ、最近ワイバーンの異常発生が我らの調査で確認が出来ている。

 その為、ワイバーンに襲われる魔物達が町の方へ逃げているのだ」


「なら、原因は、ワイバーンの異常発生だと」


「その通りです」


「そうか・・・・・」


「私達も、今回の襲撃で餌と認識されたでしょう」


「これから、どうするんだ?」


「この場所を捨て、安全な地に行きます」


「そうか、気をつけてな」


「有難う御座います」


アーロン達は、話が終わるとその足で村を出て、王都に向かった。




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