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「次はこれです」
そう言って、アーロンが、短銃を4丁テーブルの上に置くと
直ぐに職員3人娘が寄って来て3丁を奪った。
「え?」
「え!」
皆が、呆気に取られているとイレーナがアーロンに説明を求めて来た。
「アーロン、説明して!」
「はい」
アーロンが短銃の説明をすると3人は、真剣に聞いていた。
「これは、先程のライフルよりは射程距離も短く、威力は弱いけど
人は、簡単に倒せるって事ね」
「はい、これなら、穴が開いてもいいなら此処でも撃てますよ」
アーロンが、そう言うと、何故か皆が場所を開け、テーブルを壁に立てかけた。
「これって、撃てって事かな?」
イリーナが、疑問に思い聞いてみると
「そうだよ、撃ってみろよ、無理なら代わるぜ」
ポールのその言葉に挑発されたイリーナは、魔力を貯めてから
短銃でテーブルを撃ち抜いた。
一瞬、光ったと思ったら衝撃も無く、テーブルには穴が開いていた。
「おいおいおいっ!」
ギルマスは、慌てて外に出たが、死人や怪我人がいなかったようで
ホッとした顔で戻って来た。
銃の威力を目の当たりにして皆は驚いていたが、3人娘は喜んでいた。
そして、エレインもシリカもテーブルに向かって撃った。
「きゃぁ!凄いね」
「うん、癖になりそう」
「朝、起きない人は、これで起こそうかしら」
「そんな物で起こされたら、一生起きねえだろうが!」
そんな会話をしている連中を他所にギルマスは、外と中を行ったり来たりしていた。
「もう、試し撃ちは止めてくれよ」
「はーい」
その後、アーロンは、銃を仕舞うケースの事を3人に説明した。
3人娘は、その話を聞いて、直ぐに作る事を決めた。
その時、ヤンが不思議そうに思った事を告げた。
「短銃は4丁だったよな」
すると、イヴが返した。
「そんな物、早い物勝ちでいいでしょ
どうせ、話しても纏まらないのだから」
「俺は構いませんよ」
アーロンがそう言うと、3人娘も賛同した。
ギルマスも、早く試し撃ちがしたかったので賛成した。
「もう早い物勝ちでいいじゃねえか」
「わかったよ、それで誰だったの?」
そう言うと、ケリーが短銃を手にニコニコしていた。
「何時の間に!」
その後、皆で街の外に行き、試し打ちを行った。
「これ、すげーな!」
「狙撃が楽になるな」
「でも、チームに持って帰ってからが大変だな」
「そうだな、誰に何を持たすか」
悩んでいると、気楽なギルマスが答えた。
「それを決めるのがリーダーだろ」
「そうでした・・・・」
その時、森の方から、爆音を響かせてエレノアとアンネがバイクで登場した。
「アーロンさん!」
何故か、バイクの後ろのアンネは、魔獣に囲まれていた。
「アンネ、何しているの?」
「狩った獲物です。
預かって下さい」
アーロンは、アイテムボックスに魔獣を入れた。
だが、皆はバイクに注目していた。
「アーロン、これは何だ」
「バイクです、魔力で動く乗り物です」
「これも、奪ったのか?」
「はい」
その時、イヴが言って来た。
「アーロン、面倒くさいからあれも見せてあげたら」
「わかりました」
アーロンは、アイテムボックスから車をだした。
「何なんだ!」
「魔力で動く乗り物です」
その時、ケリーが反応した。
「アーロン、バイク乗ってもいいかい」
「はい、運転方法はエレノアに聞いてください」
エレノアから運転方法を聞いたケリーは、直ぐに慣れてバイクで走り回っていた。
「アーロン、これいいね。
今度、貸してくれないか」
「いいですよ、その時は言って下さい」
その間に、車の運転方法をイヴから皆が真剣に聞いており、
その日のうちに全員が運転できるようになり、ギルマスからアーロンに提案があった。
「アーロン、分かっていると思うが、いくらだ」
「はい?」
「あの車、いくらだ?」
「ギルマス個人が買うのですか?」
「いや、俺達全員で買う!」
「本気ですか、これ、この世界に1台しか無い物ですよ」
「分かっている、だが今後の事を考えると必要だ。
バイクは諦める、だから売ってくれ」
アーロンは、悩んだが一応聞いてみた。
「いくらなら買いますか?」
「金貨240枚でどうだ、1チーム40枚、ギルドから40枚、アーロンの分を引いて
200枚の手取りだ」
「本気なんですね」
「ああ、本気だ」
「わかりました。
寄付しますよ」
「え?」
「駄目ですか?」
「流石にそれは駄目だ。
アーロン、今後、他のチームに同じことがあったときの事を考えろ、
お前が寄付したせいで、そいつ等も寄付しないといけない前例を作っては駄目だ」
「わかりました。
ギルマスの提案通り、金貨240枚で手を打ちます」
その瞬間、リーダー達は大喜びをしていた。
「これで、遠方の依頼も楽になるぜ」
「でも、依頼が重なったらどうする?」
「金額の高い方が優先だな」
そして、その日の内に、車用に鍵と何重にもトラップの付いた小屋がギルドの横に作られた。
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