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一方、皆が、襲撃をしていた頃、アーロンもイツキの部屋に忍び込んでいた。

アーロンが、屋敷内でイツキを探していると奥の部屋の電気が付いている事に気が付き、

静かに近寄ると、イツキは魔道具の制作に取り掛かっていた。

アーロンは、素早く近づき、イツキの両腕を切り落とした。


「うぎゃぁぁぁぁぁ!!」


突然、腕が切られた事と痛みで悲鳴を上げていると、そこにアーロンが姿を現した。

その事に驚いたイツキは、思わず叫んでいた。


「お前は、誰だ!それに消える奴がいるなんて聞いていないぞ!」


アーロンは、魔法で両腕の出血を止めて話し掛けた。


「イツキさんは、日本人ですよね」


その質問に、イツキは驚いた。


「あんたも転移者なのか?」


「違うよ、俺は転生者、闇ギルドで働いているよ」


「だったら助けてくれよ、同郷の(よしみ)でさ」


「無理だよ、俺が依頼でここにきている事を忘れないで欲しいな」


「頼むよ、な、な、いいだろ」


「じゃぁ、質問に正直に答えてくれたら考えてもいいよ」


「そうか、わかった、お前の気が変わったら腕も治してくれるのか?」


アーロンは、ニコッと笑った。


「何でも、聞いてくれ」


「では、この世界にはどうやって来たのですか?」


「わからない・・・俺は、1年ほど前に、突然こちらに呼ばれたんだ。

 俺が目を覚ますと、周りには沢山の死体が転がっていた事は覚えているよ。

 その後、この国の王に面会をしてから、部屋に通されて暫くはそこで生活をしていたが、

 俺の能力を知ると態度が変わって、機械の様にこき使われだしたんだ。

 そんな生活が半年も続いたよ、その時に思ったんだ、勝手にこの世界に連れて来られて

 外にも出して貰えず、こんな生活するくらいならいっその事、この国を壊そうと・・・」


「気持ちは理解出来るよ、でもお前はやり過ぎたんだ」


「・・・・・」


その後、武器や魔法の道具の事を聞いた。


「この指輪がアイテムボックスだ、凄いだろ。

 他にもあるぞ。

 車にバイクもあるぞ!」


イツキは、自慢するように次々と話した。


「どうだ、好きな物をやるから俺を見逃してくれ!」


「う~ん、考えてみたけどやっぱり無理だわ」


「どうしてだ!どうしてなんだよ!!」


「言ったでしょ、やり過ぎです。

 王族に仕返しをするなら理解できるけど、お前は自分より立場の弱い者達に

 やりたい放題だったよね」


「・・・・・でも、お前は助けると言ったじゃないか!腕も治すと」


「いえ、俺は、笑っただけですよ」


「貴様ぁ!騙したな!」


「貴方も、人を騙したり、強奪、強姦をしたでしょ、

 ただ、今回はそれが貴方に向いただけですよ」


アーロンは、そう告げるとイツキの首を刎ねた。

その後、指輪のアイテムボックスを回収し、その中にイツキの道具を全て回収してから

屋敷を後にした。


翌日、イツキの屋敷を兵が訪ねた時には、部屋に道具は無く、

表の車や単車も無くなっていただけではなく、イツキも居なくなったいた。

そして、城内はイツキが居なくなった事で、何処かに逃げたと思い慌てていた。


「イツキを探せ!」


「まだ、この国からそんなに遠くまで行っていないはずだ。

 絶対に見つけ出せ!」


アーロンは道具だけではなく、イツキの死体もアイテムボックスに入れて

持ち帰っていたのだった。


その後、アーロンはアリアと面会し、アリアの希望でクラリスの所まで

護衛をしながらフローランドに戻って行った。

フローランドに到着すると、アリアをクラリスの所まで案内し、2人を引き合わせた。


「アリア!」


「クラリス!」


2人は、笑顔で抱きしめあった。


「クラリス、本当に有難う。

 貴方が、送ってくれた友人のおかげで、私は救われたわ」


「いいのよ、アリアの為だもん、困ったらいつでも言ってね」


「うん、ありがとう。

 でも、クラリスは、凄い友人を持っているのね、ちょっと羨ましいわ」


「えへへへ・・・

 さぁ、中に行きましょ、アーロン、イリス、ありがとうね、それとこれを渡しておくわ」


クラリスは、アーロンに布の小袋を渡した。


「イリス、またね」


クラリスは、アリアの手を引きながら王城に入って行った。

クラリスが居なくなった後、アーロンが小袋を開けると、中には金貨が1枚入っていた。


「イリス、これが報酬かな・・・・・」


「あの子、分かっていないから自分の持っていたお金を渡したんじゃないかしら」


「えっと・・・6で割ると・・・」


「まぁ、いいじゃない、色々と手に入ったし、アーロンの事も分かったしね」


「いいの?」


「うん、それと足りない分は、アーロンの分から引いておくね」


「えー!」


「いいでしょ、貴方が一番得をしたんだから」


「・・・わかりました」


その後、皆でギルドに顔を出してから自宅に戻った。



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