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翌日、アーロン達は、街を回って見ると昨日は気付かなかった物が街中にあった。
「アーロン、この一定の間隔で立っている物は何なの?」
「街灯だよ、夜になると明かりが点くんだ」
「何かの魔法?」
「どうやっているのかは分からないけど魔法とは違うと思うよ」
「そうなんだ・・・」
その後も、食堂に行けば、電気で明かりが点いてフローランドとは、全く違っていた。
そして、街の中には大浴場もあり、アーロンは、不思議な感覚に襲われていた。
アーロンは、転生者だが、記憶の中にあるだけで実物を見るのは初めてだったので
現代の記憶と前世の記憶が入り混じり、そのまま倒れてしまった。
「アーロン!」
突然倒れたアーロンにイリスは驚いたが、急いで抱き上げて屋敷に運び込んだ。
「アーロン大丈夫かなぁ」
「大丈夫だよ、ダリルが治癒魔法を掛けてくれているから暫くすれば起きると思うわ」
暫くしてアーロンは、気が付き、皆に謝罪をした。
「皆、心配かけてごめん」
「アーロン、もう大丈夫なの」
「うん、イリスにも心配かけたね」
「そう思うなら早く元気になってね」
その言葉に、アーロンは、軽く返事をしてから眠りについた。
眠りについたアーロンは、夢の中で前世の映像を見ていた。
「ここが日本なんだ」
夢の中では、高層ビルや車、飛行機などの他に戦車や戦闘機などが現れ、
アーロンの記憶にしっかりと根付いていった。
朝、起きると前世の記憶と今の記憶がしっかりと頭の中で棲み分けが出来ている様だった。
その時、部屋の扉が開いてイリスが入って来た。
「アーロン、気分はどう?」
「皆のおかげで元気になれたよ」
「良かった・・・」
それから、イリスの持ってきてくれた食事を摂ってから街に出掛けた。
街に出てから昨日と同じ様に市場に向かっていると
腰に剣を差し、同じ服装で揃えた者達が、集団で歩いていた。
その姿を見て、アーロンは驚いた。
「あれって警察?それに、日本刀・・・」
この時、アーロンは、相手が転生者か転移者だとはっきりと理解した。
そして、男達を付けて行くと、市場では商品を好き放題に取り上げ、やりたい放題だった。
だが、市場の人達は文句も言わず、黙って下を向いていた。
その時、市場の反対側から、アンネとエレノアが歩いて来た。
2人が男達とすれ違う所まで来ると、男達は、2人の前を塞ぎ、
アンネとエレノアにぶつかった。
「貴様!キチンと前を向いて歩け!いったい何処を見て歩いているんだ」
ぶつかって来た男達が各々に2人に向かって文句を言い始めた。
「姉ちゃん、この怪我どうするんだよ!」
「男は、擦り傷を見せて自信満々で文句を言って来た。
「あの・・・唾でも付けておけば治りそうですけど・・・」
男は、その言葉に激高し、大声で喚き散らした。
「怪我をしたのは事実だろ、それを勝手に唾を付けておけなど
勝手な事を言うな!」
「でも、かすり傷ですよね、治療は必要ないと思いますが」
「貴様は、俺達が誰なのか分かっているのか!」
アンネとエレノアは、顔を見合わせた後に、首を横に振った。
「俺達は、イツキ様の警備隊だ、俺達にこんな事をして無事でいられると思うなよ」
そう言うと、男達は、アンネとエレノアの腕を掴み、何処かに連れて行こうとした。
「ちょっと!触らないで下さい!」
「五月蠅い、黙って付いて来い!」
流石に、不味いと思ったアーロン達は、アンネとエレノアの前に姿を現し、
全力で殴りつけた。
「うぎゃぁ!」
腕を掴んでいた男は吹き飛び、そのまま壁に衝突した。
そして、他の警備隊も倒して回ったが、1人だけ残した。
「イリス、行って来るよ」
「わかった、私はこいつらの荷物を慰謝料の代わりに貰ったら屋敷に戻っておくね」
「了解!」
その後、アーロンは逃がした男を尾行し、
イリス達は、男達の持ち物を回収してから屋敷に戻って行った。
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