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首都ビクツリーには、翌日に到着した。
アーロン達はルミーナに従い、王城に案内され、その日の内に王との謁見を果たした。
「私は、この国の王、ジェラール ノーブルである。
貴殿らがルミーナの連れて来た者達か」
王の質問にルミーナが答えた。
「陛下、この者達が、この国に力を貸して頂ける者達です」
「そうか、この度の件で多くの民が奪われ、傷つき、倒れた。
どうか、この国の憂いを取り払ってくれる事を願っておるぞ」
「はい、この者達なら、成し遂げてくれると信じておりますゆえ、
ご安心してください」
「期待して待つとしよう」
その後、王は退出し、アーロン達は別室で宰相と面会する事となった。
「まずは、自己紹介をしよう。
私が、宰相のブースだ、この度は、遠くからお越し頂き、感謝致します」
「私は、今回の遠征のリーダーのポールです。
それで、詳しいお話を聞けるとの事でしたが・・・」
「はい、1年程前から、行方不明となる事件が増えていました。
それで、森や近隣の巡回を増やしてみたのですが、行方不明者は増えるばかりでした。
そんなある時、森の中を集団で進む一行を発見いたしまして
後を追った所、人気の無い海岸に辿り着き、船で攫った者達を運び込んでいたのです」
「その時に、人攫いだと分かったのですね」
「はい、勿論その時も応戦しましたが、結局、人は攫われ、
兵士達も傷ついた次第に御座います」
「なら、敵の予想は付いていると思うが」
「野盗に化けており、確証は、ありませんがチェーン王国の者の仕業かと」
「確かに、エルフは狙われやすし、奴隷の国ならありうるな」
「はい・・・それに、今では、村や町が襲われるようになってしまい
多くの民を失いました」
「兵士達の警備などは、どうなっていますか?」
「出来るだけ集団で行動する事と巡回時も軽装ではなく戦闘と同じ格好でと決めております」
「それでも、対抗できないと・・・」
「私共、エルフは、魔法が得意な者が多いのですが、近接戦闘は、苦手な者達が多く、
突然襲われては、対処がうまく出来ていない事は否めません」
「そうですか・・・」
「どうか、宜しくお願い致します」
「わかりました」
「必要な物が御座いましたら遠慮なく、お申し付けください。
それと、宿の手配は済んでおりますので、ご案内させて頂きます」
「感謝致します」
ポール達は、城を出て宿に案内して貰った後、イヴとアーロンを呼んだ。
「ポール、用事なのかい」
「ああ、ひとまず座ってくれ」
ポールの案内に従い、イヴとアーロンはソファーに腰を掛けた。
「明日からの予定だが、チェーン王国側の海岸線を隈なく調べようと思う。
なので、明日からはチームで行動する事にしたが、何か意見はあるか」
「私は、問題ないわ」
「俺も、問題ありません」
「なら、明日から頼む」
その後、探索の位置を決めてから解散した
翌日は、全員が朝から出掛けて行った。
アーロンは、森を抜け海岸に近づくと、誰もいない事を確認してから
砂浜をゆっくり歩いた。
その様子を見ていたイリスは話掛けた。
「アーロン、何しているの」
「ああ、船を付けたら、跡が残ると思うから探しているんだ」
「でも、日が経っていたら、消えているよ」
「そうだね、でも、人のいた気配というか足跡とか草を踏んだ跡とかも探しているんだよ」
「そうなんだ、じゃぁ皆にも言って探してもらうね」
「お願いするよ」
イリスは、皆の元に走って行き、アーロンの手伝いを頼んだ。
そして、1日中探して見たが何も見つからなかった。
アーロン達は、作業を止めて王都に戻る事にした。
だが、帰る途中で、森の中を走る集団を発見した。
「アーロン、あれって・・・」
「うん、尾行しよう」
アーロン達は、ポールとイヴに伝令を出し、他の者達は距離を取り乍ら
尾行を始めた。
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