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ケリーは、女の子に父と母のいる地下牢に案内をして貰った。

途中で地下の門番に出会ったがケリーが倒してから鍵を奪った。

地下牢に着くと、やせ細った女と硬いベッドに横たわった男がいた。


「父さま、母様!」


「バービー!

 どうやって此処に来たんだい」


ケリーは、何も言わず、牢の鍵を開けた。

その様子を見ていたバービーは、牢に入り、母と抱き合った。


「母様!」


「貴方、バービーが来ましたよ」


母がベッドで寝ていた男に声を掛けると、男は目を覚まし、ゆっくりとした口調で

バービーに向けて話した。


「おお!バービーよ、もう会えぬと思っていたのだが、また、会えるとは・・・」


「父さま!」


バービーは、父に覆いかぶさるように抱き着いた。

その様子を見ていたケリーは、話を遮るように話し掛けた。


「話を遮って申し訳ないが、余り時間が無いものでね。

 貴方が、アイゼン ルロイ伯爵ですか?」


「そうだ、わたしがアイゼン ルロイだ」


「そうですか、では質問します。

 最近、この領内で盗賊が村や町を襲っているのはご存じですか?」


「なに、そんなことが・・・」


「では、次の質問です。

 その襲った盗賊がこの家の者だとご存じですか?」


伯爵は、その話を聞いて驚いた。


「そんな・・・・」


「事実です、既に証拠も押さえています」


伯爵は、諦めたようにケリーに呟いた。


「私は、どうしたらいいのだ・・・」


「ご存じなかったようですね、

 だが、犯人の女は、目の下に黒子のある恰幅の良い女性だとわかっているのですが

 名前を教えて貰えますか」


「ペリーヌだ、私が妾にした女だ」


「そうですか、これはお願いです。

 私が、ここに来た事は内密にしてくれませんか」


「何故だ」


「お互いの為です」


ケリーはそう言って近くに置いてあった薬の匂いを嗅いだ。

伯爵は、悩んでいたが、家の事も考え黙ったおく事にした。


「わかった、誰にも言わないでおこう」


「賢明な判断です。

 それと、もう暫くここにいてください、娘さんも一緒にね」


そう言うと、ケリーは牢から出て、鍵を閉めた。


「後で、迎えに来ますから、待っていてください。

 それと、その薬は飲まない方良いですよ」


そう言って、懐から回復薬を手に取り、娘に渡した。


「あの薬は、毒です。

 この薬を飲んで安静にさせてあげなさい」


娘は、薬を握ると、ケリーに頭を下げた。

ケリーは、その場を去り、倉庫に向かって行き、ミハルと合流して

今迄の事を話した。


「そう言う事だったのか」

「ええ、乗っ取りと盗賊での荒稼ぎをしていたようですね」


「なら、後は簡単だな」


そう言うと、ヴィクドール、ミカルイ、キッドに指示を出し、地下牢にいる者以外の抹殺を命じた。

3人は、別々に行動し、室内にいたすべての人達を倒し、最後にイルマの所で3人を倒した。

その後、倉庫の近くにミカルが待機し、他の者達は、屋敷内に潜伏して待っていると

女二人が帰って来た。

女は、出迎えが無い事に腹を立て大声で叫んだ。


「何故、私が帰って来たのに出迎えが無いの!

 ボッシュ、ハリー出て来なさい!」


女達は、叫びながら奥の部屋に行ったが誰もいなかった。

女達は、子供達の名前を呼びながら2階に上がって来た。


「ジョナサン、チャック、シリル、何処にいるんだい!」


女が子供達の部屋を開けると、そこには、物を言わなくなった子供達の姿があった。


「ひぃぃぃぃ!」


女は、驚いて後ずさったが、そこにはイルマがいて女の首を刎ねた。


「きゃぁぁ!!」


もう1人の女は悲鳴を上げて倒れ込んだが、ミカルイに後ろから心臓を一突きにされて倒れた。

その後、ケリーは伯爵と妻と娘を牢から出し、ベッドに運んだ。


「伯爵、先程の約束は守って頂けますよね」


「勿論だ」


「そうですか、それと屋敷の裏の倉庫に村や町から奪った食料や財宝が入っています」


「そうか・・・それは、どうしたら良いのだ」


「返そうにも生きている人は、身寄りのない女と子供13名だけです」


「その者達は?」


「私達が保護して新しい村に行く事が決まっています」


「なら、持って行ってくれ。

 それと、余った物は、困っている人に配ろう」


「そうですか、わかりました。

 では、失礼しますね」


ケリーは、そう言って部屋を出たが、バービーが後を追って来た。


「あの、お待ちください!」


ケリーが振り向くとバービーはケリーにお礼を言った。


「この度は、有難う御座いました」


「いえ、私は仕事をしただけです。

 それよりも、この屋敷には貴方達しかいませんから、早急に人を雇った方がいいですよ」


「は、はい!本当に有難う御座いました」


ケリーは、屋敷から出て、皆と合流してから、

2台の馬車で荷物と人を乗せてギルドに帰って行った。



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