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3

イヴ達が、盗賊団の村を襲撃し、崩壊させた頃、ケリーはルロの街に到着していた。


「ミハル、サリーから聞いた事は、覚えているよね」


「はい、女の特徴や倉庫の場所は聞いていますので大丈夫です」


「わかった、じゃぁ行こうか」


ケリー達は、屋敷の前まで行くとチームを分散させた。


「ミハルは、ヴィクドール、ミカルイ、キッドを連れて倉庫を襲撃してくれ。

 イルマは、俺と来てくれ」


「はい」


ケリーの指示に従い、ミハルは、倉庫に向かった。

倉庫の様子を見るとサリーの言った通り、周囲には、兵と思えない者達が、入り口に屯していた。


「ミハルさん、どうしますか?」


「基本通りの戦略で行くよ」


「はい」


ミハルは、倉庫の二方にヴィクドール、キッドを配置し、

地上にミカルイとミハルが構えた。

配置に付いた事を確認するとミハルは、攻撃の合図を送った。


「ファイヤーストーム」


「ファイヤーストーム」


両側から放たれた魔法に逃げ道が無く、屯していた男達はあっさりと敗れ去った。

敵が居なくなった事を確認してから、ミハルは、焼けた死体から

倉庫の鍵を取り、開けて見ると、中には村や町から奪ったと思われる

食料や財宝が所狭しと積んであった。


「凄い量ですね」


「ああ、でも、この盗賊の頭が見当たりませんね」


「そうだな、取り敢えず、倉庫の中も探して見よう」


ミハル達は、倉庫に入り、敵を探したが、やはり誰もいなかったので

そのまま、待機する事にした。


屋敷内に入って行ったケリーとイルマは、アイゼン ルロイ伯爵を探していたが

姿が見えず困惑していた。

ケリーは、2階に上がり、静かに廊下を歩いていると

部屋の中から人の声が聞えて来たので隣の誰もいなかった部屋からベランダを伝って

中を覗いてみた。

すると3人の男の子達が、1人の女の子を虐めていた。


「おい、返して欲しかっいたら、いつものようにきちんとお願いするんだよ」


「はい、・・・どうか、それをお返しください」


「もっときちんと言えよ!頭が高いんだよ」


そう言うと、体の大きな男の子は、女の子に対して唾を吐きかけた。


「お前がいくら、本妻の子でも、女だから家督は継げないし、

 親父も死にかけだから、何にも出来ねえよ」


「そうだ!あとは俺達の母様が、この屋敷を仕切るんだ。

 そうすれば、お前を俺達の奴隷にしてやるよ」


「感謝しろ!」


「・・・・・・」


「感謝しろと言っているんだ!」


そう言って、背の低い男の子は、女の子の腹を蹴った。


「ウグッ」


女の子は、腹を抑えて唸っていたが、我慢して起き上がって男達に向かって言った。


「お父様からのプレゼントなんです。ですからそのネックレスをお返しください」


イラッと来た男の子達は、女の子を押さえ付け、近くにあった花瓶の水をかけた。


「黙れ!お前が俺達に指図をするな!」


その様子を見ていたケリーは、イルマに命令し、正面のドアから突っ込み、

男の子達を制圧した。


「随分楽しんでいたようだね」


「お前達は誰だ!」


「質問は、こっちがするんだよ」


そう言ってケリーは、男の子の意識を刈った。


「ひぃぃぃ!」


「静かにしてくれないかな」


「は、はい!」


「じゃぁ、聞くけど、アイゼン ルロイ伯爵は何処にいる」


「え・・・・」


男の子が躊躇している間に二人目の男の子の意識を刈った。


「後は、君だけだ、答えて貰おうか」


最後に残された一番体の大きな男は、恐怖に怯えながら居場所を吐いた。


「ち、地下牢にいます」


「なぜだ」


「それは・・・・・」


そこまで言うと、女の子が話してくれた。


「あの・・・・父と母は、地下牢で生活しています」


「それは、聞いたが・・・」


「はい、父が病気になり、お医者様を呼んだのですが

 もう、手遅れだと言われまして・・・・」


「それで、何故、地下牢なのだ」


「3人の母の内、2人が執事に命令して運び込んだのです」


「そうか、それでその母とやらは、何処にいる?」


「今は、お茶会で出掛けております」


「そうか、なら待たせて貰うよ」


そう言ってミハルは、3人目の男の意識も刈った。




不定期投稿ですが、宜しくお願い致します。

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