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王都のギルドに戻ったアーロン達は、他のチームの者達と合流した後、ギルマスに会った。
「ケリー、大丈夫か?」
「ギルマス、心配は要りませんよ、見た目よりも傷は浅いし、
アーロンから治癒の魔法もかけて貰ったからそのうち治りますよ」
「そうか、だが、無理はするなよ」
「わかっていますよ」
「それで、奴らはどうなった」
「間違いなく、倒した。
それと、砦の中にあった財宝を全て持って帰って来たから、後の事は頼むね」
「わかった」
ギルマスは、ケリーと話した後、職員の3人を呼び、財宝の管理を任せた。
それから、ギルマスは、全員を広間に集めた。
「皆、お疲れ様、今回は仲間も倒れ、多くの者達が傷を負った。
今日は、このまま解散とするが、明後日には養成所の村に皆で行こうと思う。
その時には、集まって欲しい。
以上だ。」
ギルマスの話の後、自宅に戻ろうと思い、イリスとタバサを探すと
タバサはイヴに抱き付かれていた。
「タバサちゃん、大丈夫?
怪我はしてない、体調は?」
「イヴお姉さま、私は大丈夫ですよ」
「そう・・・困ったことがあれば、必ず私に言うのよ」
「イヴお姉さまは心配症ですね、でも助けて頂きたいときは必ずお話させて下さい」
「うん、うん、そうしてね」
その様子を見ていたアーロンとイリスは、イヴが何故、
タバサをそこまで気にかけるのかが分からなかった。
「タバサ、帰るけどどうする?」
「お姉さま、私も戻ります。
ですが・・・・あの・・・」
「どうしたの?」
「イヴお姉さま達もアジトが無くなったので・・・」
タバサの言いたい事を察したイリスは、イヴ達も我が家に来ることを了承する為に
アーロンにも話を振った。
「わかったわよ、アーロンもいいわよね」
「俺は、構わないよ」
「アーロンさん、お姉さま、有難う御座います。
私、伝えて来ます!」
タバサは、嬉しそうにイヴの元に駆け寄って行った。
イヴ達は、タバサの話を聞き、驚いたが、タバサの誘いを断れる事もなく了承した。
「アーロン、本当にいいの?」
「はい、イヴさん達さえ良ければアジトが完成するまでいて頂いて構いませんよ」
「ありがとう。
お言葉に甘えさせてもらうわ」
アーロンは、市場に行き、食材を買った後、建築ドワーフのグランドの所に行き
庭に追加で部屋を2つ造ってもらう事を頼んでから自宅に戻った。
「アーロン、部屋はどうするの?」
「俺とイリスは同じ部屋なので、後はタバサの部屋だけです残りの部屋を使って下さい」
「わかったわ」
イヴ達は話し合い、タバサとイヴが同室でサリーとナディアが同室で生活する事になった。
この日から、アーロンは、イヴ達と生活する事になった。
2日後、アーロン達は、闇ギルドのメンバー達と一緒に村に行き、
今回の戦いで亡くなったレスリー、ワグ、アトラ、メルド、モーセの5人の墓を建て、
供養の為に形見の品を埋めた。
「レスリー、ワグ、アトラ、メルド、モーセ、今迄有難う。
後は、ゆっくり休んでくれ」
ギルマスが言葉を送った後、皆が順にそれぞれの墓に言葉を送った。
その日の夜は、村に泊まり、死んだ者達を明るく送る為に酒を飲み夜を明かした。
翌日、二日酔いの頭を抱えながら起きたアーロンは、外に出て剣を振るった。
暫くすると、イリスが、起きて来たアーロンに話し掛けた。
「おはよう」
「イリス、おはよう」
「今日は、早いのね」
「うん、色々考えてね・・・」
「そっかぁ、で、何を考えたの?」
「え?」
「何を考えたの?」
「それは、俺がもっと強くなってイリスを守りたいな・・・・と」
「私も、強くなるよ。
アーロンを守る為にね」
「ありがとう」
「2人で頑張ろうね」
その後、2人は、近くの石に腰を掛けて、くだらない話をしながら朝日が昇るのを見ていた。
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