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身辺調査・・・

「z・・・・・」


「う~ん」


浮気依頼から数日が経ったある日、アーロンは、

いつもと同じ様に目を覚ましたつもりだったが、少し事情が違っていた。


「ん、朝か・・・」


朝と思い、窓の外を見ると既に太陽は、頂上にまで昇っていた。


「げ!」


アーロンは、急いで隣で寝ているイリスを起こした。


「イリス、イリス!起きろ!」


「う~ん、アーロン、犬になりなさい・・・・」


「どんな夢を見てんだよ!イリス、起きてくれ」


「ん・・・・どうしたの?」


「完全に遅刻だ」


「今日、依頼って入っていたかしら」


「いや、聞いてはいないけど」


「なら、大丈夫じゃない?」


「お前のその根拠のない自信は、何処からくるんだよ」


「さぁ、着替えて行きましょ」


イリスは、アーロンの手を引きながら洗面所に向かった。

服を着替え、支度を整えてから自宅を出た。


ギルドに、入った瞬間、職員がアーロンの顔を見ると

気まずそうな顔をしながら、ギルマスの部屋を指した。


アーロンは、扉を叩き、静かに部屋に入った。


「おはようございます」


「よう、久しぶりだな」


「いや、昨日も会ってるじゃないか」


「そうか、俺はてっきり遠方の地まで依頼に行っていたから

 帰りが遅くなって昼に戻って来たのかと思ったぜ」


「そんな、設定なの・・・・・」


「ねえ、アーロン、素直に謝った方がいいよ」


「いや、イリス。

 なんで他人事なんだよ!」


「アーロン、人のせいにするのは良くないぞ」


「ギルマスまで!」


「アーロン、仕方ないから代わりに私が謝るよ」


「イリス・・・・・」


「まぁ、アーロンを(いじ)るのはこれぐらいにしておこう」


ギルマスは、笑いながら資料を持ってソファーに座った。


「お前達も早く座れ」


アーロンは、疲れた顔でイリスと一緒にソファーに座った。

(勘弁してくれ・・・・・)


「依頼の話だが、遅れて来たお前達にはこの依頼を受けて貰うぜ」


2人は、依頼書に目を通した。


依頼書


身辺調査


【この度、レオ ディール準男爵の長女モニカが

 アギト商会の息子ロルフと婚約を行う事になったが

 正式に婚約する前に彼の身辺の調査をお願いする】


「・・・・・・」


「アーロンどうした?」


「なぁ、闇ギルドは、いつから浮気とか、結婚の相談所になったんだよ!」


「身辺調査だ」


「いや、でも、この依頼は」


「・・・・・身辺調査だ」


「あの・・・ですね、こういうのは表の奴らに・・」


「職員に言え・・・」


「だれ?」


「エレイン・・・」


「頑張ります」


「・・・・すまん」


その後、ギルマスから現在分かっている事を聞いてから身辺調査に乗り出した。

このアギト商会の息子は、女癖が悪いという噂もあるらしい。

なので、彼の友人関係から当たってみた。


最近、つるんでいる仲間は5人で3人が男、2人は女だった。

彼らは、毎週、若手酒場ワングで飲んでいるが、

好みの女を見ると必ず、ちょっかいを掛けているらしい。

その様子を、尾行中もしっかりと確認できたので魔法のオーブに記録しておいた。


「この男、クズね」


「イリスさん、ご機嫌ナナメですね」


「当然でしょ、仲間内で遊んでいるならまだましだけど、

 知らない女をナンパなんて、婚約者がいるのに考えられないわ」


「まぁ、そうだね」


2人で、尾行しながら飲んでいるとロルフと目が合った。

ロルフは、何か仲間達と相談した後、アーロンとイリスの席にやって来た。


「ねぇ、1人で飲んでいるの?」


「2人です」


「そうか、じゃぁ、こっちに来て一緒に飲まない?」


「結構です、構わないでください」


ロルフは、馴れ馴れしくイリスの肩に手を回した。


「そんなこと言って、さっまで俺の事チラチラ見ていたでしょ」


アーロンは、止めに入った。


「悪いが、連れが嫌がっているのでやめて貰えないか」


「お前は、黙っていろ!」


アーロンの周りに他の男達が寄って来た。


「お前は、こっちで話そうか」


男達は、アーロンを連れて行こうとしたが

アーロンは、抵抗して2人を振りほどき、イリスの手を取り

店から、逃げ出した。


「てめえら、待ちやがれ!」


ロルフ達は、追いかけて来たが2人は隠れてやり過ごした。


「ふぅ、危なかった」


「あいつら、めんどくさいね」


「うん、あいつら、こんな事ばかりしているのだろうな」


「他の客も迷惑しているしね」


「そうだな、今回、出来るだけダメージを与えてやろう」




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