表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/112

3

ポールから話を聞いたメルティは、王家の騒動について話を始めた。


「私も、噂で聞いた事だけど、今、跡目争いで揉めていて4つの派閥に別れているらしいの

 それで、お互いにけん制したり、相手に女や暗殺者を送ったりしているみたいだよ」


「何故、そんな事を知っているんだ」


「相手に女を送り込む時にこういう店には、好みの女を探しに来るから

 どうしても耳に入るの」


ポールは、暗殺者という言葉に引っかかった。


「メルティ、暗殺者について何かわからないか」


「う~ん、噂でしかないよ、それでもいいの?」


「構わない」


「わかった。

 あのね、ある王子の派閥が暗殺者を送り込んだけど失敗したらしくて

 それで証拠隠滅を計ったんだけど、逃げられたらしいの」


ポールは、此処まで聞いて、この噂は本当の事だと思った。

その後、ポールは、メルティと別れて宿に戻り、皆に今日の事を話した。


「俺達もその噂は聞いたけど他の情報は無かったよ」


「そうか、明日からはどうする?」


「う~ん、私達は、もう少し聞き込みを続けてみるわ」


「俺は、3日後に連絡が入るからそれまでは跡目争いについて

 聞き込みをしてみるよ」


「わかった。

 なら明日も聞き込みを続ける事で問題はないね」


「ああ、頼む」


話を終え、皆は、それぞれに別れて行った。

そして3日後、ポールは、前回行った茶屋でヤードを待っていた。

暫くすると、ヤードは現れた。


「よう、待たせたか」


「問題ない」


「そうか、それで何から聞きたい?」


「そうだな、まずは仕事の話をしようか」


「わかった」


そう言うと、ヤードは殺された者達について話した。


「例の殺された者達は、この帝国の闇ギルドのメンバーだったんだ。

 それで、依頼に失敗して追われる身になって王国に逃げていたんだが

 見つかって殺されたんだ」


「なら、あの殺しの犯人は、この国の者だったんだな」


「そうだ、だが話はここで終わらないんだ。

 この依頼を出したのが第3王子なんだ」


「えっ!どういうことだ」


「今、噂になっている跡目争いの件に関わっているんだ」


「ほう・・・」


「王族の争いで、派閥が4つに分かれているのだが

 1つ目が第1王子と第2王子の派閥だ。

 2つ目が第3王子と下級貴族が中心の派閥。

 3つ目が第4王子と王妃の派閥だ。

 この第4王子は王妃の実の子供だから王妃が一生懸命跡目を継がそうとしているんだ。

 それから4つ目が第5王子と上級貴族の派閥なんだが、それぞれに思惑があるようだ」


「それで、第3王子は、何故、暗殺者を雇ったんだ?」


「それは、跡目争いに敗れても上級貴族がいなくなれば

 下級貴族の自分達は出世の可能性が残るので、先に上級貴族の暗殺を企んだらしい」


「それでどうなったんだ」


「ああ、計画は失敗して5人の実行犯は、ギルドに戻ったのだが

 この事がばれる事を恐れた下級貴族達は、暗殺ギルドに5人の始末を依頼したんだ」


「おい!まさか・・・・・」


「そうだ、ギルドは、この依頼を受けたんだ」


「仲間を売ったんだな・・」


「そうだ、それで仲間だと思っていたギルドに裏切られて5人は逃亡したんだ。

 後は、わかっているな」


「ああ、理解している」


だが、ポールは、おかしい事に気付きヤードに聞いた。


「なぁ、逃亡者は5人なんだな」


「そうだ」


「間違いはないか?」


「ないよ」


「ならば急いで戻らないと駄目だな」


「どうしたんだ!」


ポールは、ヤードに生き残りがいる事を話した。


「わかった、俺も行こう」


「え?」


「この前、お前が誘ったんだろ!」


「そうだが、いいのか」


「いいから行くと言っているんだ」


「わかった、宜しく頼む」


2人は、茶屋を出た後、娼館に行き、メルティに声を掛けた。


「メルティ、俺は、これからこの国を去るが

 お前は、どうする?」


「ついて行くよ、こっちの話はついているから問題ないよ」


「わかった、付いて来てくれ」


「うん!」


その後、ポールは、皆と合流し、王都に戻った。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ