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闇ギルドなのに浮気調査?

いつもの様にアーロンとイリスが闇ギルドに入ると、職員のシリカが声を掛けて来た。


「お2人さん、ギルマスが呼んでますよ」


「はーい」


ギルマスの部屋の扉を叩き、中に入った。


「おはようございます」


「おお来たか、まぁ座れ」


アーロンとイリスは、ソファーに座った。

すると、ギルマスは、直ぐに話を始めた。


「喜べ、簡単な依頼だ」


「はい?」


「平民街の端に住むマルコの嫁のアラナからの依頼だ」


「何の冗談ですか?」


「冗談ではないぞ」


「まぁ、依頼を聞きますよ」


「最近、旦那が浮気をしているらしいんだ。

 それで、その調査と浮気をしているのかの確認だ」


「それ、闇ギルドの仕事ですか?」


「仕方ないだろ!うちの職員が受けてしまったのだから」


「「え~」」


「なら、お前がエレインに言って来いよ。

 自分でやれって」


「無理です!泣き出したらどうするのですか」


「大丈夫だ、あの子のファンの男共がお前を恨むだけだ」


「嫌ですよ」


「なら、受けろ」


「・・・・・はい」


「よし、話を戻すぞ、その旦那が市場の会合の後、遅く帰って来る事と

 休みの日は、殆んど出掛けるそうだ」


「わかりました、では調査してきます」


「がんばれ!」


アーロンとイリスは、ため息を吐きながら部屋を出て、市場に向かった。


「イリス、どう思う? 浮気していると思う」


「わからないわ」


「なら、変えよう、俺がギルドの会合とかで

 イリスとの約束を破って帰りが遅かったらどうする?」


「ハハハ、殺すに決まってるじゃない」


「‥‥笑えねぇ」


「まぁ、殺しはしないわよ、ただ・・・・ね!」


「余計怖いわ!」


「ともかく、依頼をこなしましょ」


「そうだな」


その日より、浮気調査を始めた。



市場会合 1回目


会合後、そのまま帰宅。


市場会合 2回目


会合後→酒場→酒場2件目→深夜帰宅


市場会合 3回目


会合後→酒場→ピエールと一緒に娼館→帰宅


娼婦指名相手 ステラ(猫人族)


「なぁ、イリス、これも報告した方がいいのかなぁ」


「当然です!こんなに早く浮気が発覚するとは・・・・」


「待て待て!これは今回の依頼とちょっとズレていないか」


「はぁぁぁ!アーロンは、これが浮気じゃないとでもいうの!!」


アーロンは、これ以上突っ込むと、わが身が地獄を見ると思い従う事にした。


「そうですね、これも浮気ですね」


「そうです、間違いなく浮気です」


「でも、もう少し、調べてみようよ」


「・・・そうですね」


アーロン達は、調査を続行する事にした。


会合 4回目


会合後→イザベラ(装飾品店店主)と食事→酒場→帰宅


会合 5回目


装飾品店→会合→酒場→娼館→帰宅


娼婦指名相手 ステラ(猫人族)



約2か月間調査してみたが、これといった証拠は挙がらなかった。

ただ、怪しいとすれば装飾品店のイザベラしかいなかった。

マルコは、休みの日には、必ず装飾品店に顔を出していたからだ。


「もう、娼館の件で浮気でいいじゃない」


「そうもいかないよ、イザベラの事も分かっていないのだから 

 もう少し、調べるよ」


「わかったわ」


アーロンは、市場の纏め役の1人、副会長のマルセルに聞く事にした。

市場の集会所に着くと、マルセルが働いていた。


「よぉ!」


「なんだ、アーロンか」


「俺で悪かったな!」


「ハハハ、気にするな、それよれも俺に用事でもあるのか」


「ああ、ちょっと聞きずらい事だが」

「わかった、場所を変えよう」


2人は、近くのお茶屋に入り、個室で話を始めた。


「細かい話と依頼者については伏せるが、その他の事を話す」


「わかった」


アーロンは、話を聞き、事情を把握した。


「そうか、浮気ねぇ。

 でも、庇うわけじゃないが、浮気をは、してないぞ」


「何故言い切れる」


「あいつが、今、イザベラと会っているのは

 嫁への結婚記念日のプレゼントを贈る為だ。

 マルコが、自分でデザインをしたものを贈る為にイザベラに会っているだけだ」


「何故、知っている?」


「紹介したのが俺だからだ」


「え?」


「まぁ、嫁には内緒にしているみたいだがな」


「そうか・・・それで、誤解で浮気と思っているのか」


「そうだな」


「ありがとう、助かったよ」


「気にするな」


アーロンは、茶屋を出てギルドに戻り、報告書を纏め

ギルマスに提出した。

ギルマスは、報告書を読み終え、アーロン達の方に顔を向けた。


「ご苦労、依頼は完了だ」


「了解」


アーロンとイリスは、アジトを出てから家に戻り、最近の寝不足解消する為に

そのままベッドに飛び込んだ。


「イリス、先に寝るよ」


「うん、私も寝る」


2人は、ベッド入ると、そのまま朝まで寝た。



一方、報告書を受け取ったギルマスは、職員のエレインを読んだ。


「ギルマス御用ですか」


「ああ、この間君が受けてアラナの件だが、報告書が出来上がってきた」


「そうですか・・・」


「それで、君にはこの結果を依頼者に伝えて欲しいのだが」


「わかりました、行ってきます」



エレインは、報告書をアラナに渡し、仕事を完了させた。

その後、報告書を受け取ったアラナは、旦那には黙っておくことにした。

ただ、娼館の件は、目撃者がいたと言って問い詰め、2度と行かせない事を誓わせた。



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