闇ギルドの養成所
辺境伯の街から帰る途中でケリー達は、アーロン達と合流した。
「アーロン、こんな所でどうしたんだい?」
「皆さんのお手伝いをしようと思いまして・・・・・」
「ハハハ・・・気持ちだけでいいよ」
「え?」
アーロンが驚いていると、イリスが横から話を遮った。
「アーロン、もう終わったのよ」
「そうなの?」
「うん、終わったよ、だから後ろに助けた人達も乗っているよ」
「そうなんだ」
「だから、帰ろうね」
その後、アーロンも合流して王都に戻った。
王都に戻り、ギルドに全員で顔を出すと、ギルマスが待っていた。
「皆、お疲れ様、今回の件は大変だったと思うが、こちらも大変なんだ」
「え?」
「ギルマス、どういう事ですか?」
「捕虜が多いのだ」
「え?」
「え?じゃない、お前達が助けた者達で帰りたいと言う者達は、
冒険者ギルドに任せた」
「では、他の者達は、どうなりましたか」
「まだ、保護しているよ」
ケリーは、言い難そうにギルマスに伝えた。
「ギルマス、俺達も連れて来たんだけど・・・」
「何をだ?」
「捕虜・・・・・・」
「ん?」
「屋敷で保護した者達がいます」
「そうか・・・おーい、イレーナ」
「ギルマス、どうかしましたか?」
「ああ、ケリーが話があるそうだ」
ケリーは、驚き、言葉に詰まり、周りを見たが誰も助けてくれなかった。
「ケリーさん、なんでしょう?」
ケリーは、引きつりながら答えた。
「保護しました・・・」
「何を?」
「・・・屋敷の地下にいた者達を保護・・・」
その瞬間、ビンタの大きな音が響いた。
「私達、毎日、此処に泊まって皆の食事の世話や相談に乗っています。
でも、給料は、変わりません。
どう思いますか?」
ビンタをされたケリーは、1人ブツブツと俺は悪くないと呟いていた。
その様子を見ていたヤンは、イリーナに声を掛けた。
「イリーナ、俺達も手伝うから・・・」
「私も手伝います」
皆が、手伝う事を約束し、その場を解散した。
翌日、リーダーが集められて、ギルマスからの話を聞いた。
「今回の件で、保護した者達の今後を考えて山奥にある廃村を手に入れた。
そこに住んで貰おうと思っているのだが、皆の意見を聞きたい」
「ギルマス、仕事はどうするんだよ」
「それなんだが、その村を闇ギルドの養成所にしようと思っている」
「どういう事?」
「今回、保護した者達は、皆が若いので、育てようと思っているんだ」
「まぁ、悪い話ではないな」
そう言って、ケリーは賛成した。
「そうね、私も賛成するわ」
「やって見るのも悪くないな」
結局、全員の賛成で養成所を作る事が決まった。
それから、保護した者達に伝え、賛成の者達だけが移動し、他の者達は
冒険者ギルドに任せる事にした。
しかし、ギルマスが皆に聞いた所、全員が養成所に行く事が決まった。
翌日、ギルマスの先導でメンバー全員が廃村に行き、村の立て直しを開始した。
一週間が過ぎ、村には、家や畑、訓練所が完成し
村の周りには、堀を作り、高い柵を立てて外部からの侵入を防ぐようにした。
ギルマスは、街に戻り、保護した者達を連れて元廃村に向かった。
元廃村に着くと、指示を出して、全員の住居や仕事を決め、
今後の事を話し合い、運動能力や魔法が使えない者達は、サポートに回り、
その他の者達は、訓練をする事に決まった。
村は村で動き出していたある日、チームリーダー達は、ギルドに呼び出しを受けたので
全員が揃っていた。
「皆、忙しい所をすまない、実は頼みがあるんだ。
その頼みというのは、時間の空いている時でいいから村で講師をして貰えないか」
「別に構わないが、毎日は無理だぜ」
「分かっている、講師の充てがあるのでそれまでの間だけでもいいんだ」
「それなら、手伝ってもいいわよ」
「俺もいいぜ」
「有難う、感謝する」
その後、ギルマスは講師の確保もでき、手の空いている時はメンバーも手伝ったので
村は、順調に動き出した。
不定期投稿ですが、宜しくお願い致します。