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ポール達は部隊を3つに分けて行動を開始した。
1組はアーロンが見つけた村に行き、相手に覚られるように動いた。
残りの2組は、その村に続く道の一番近くの村や町に隠れて待機した。
村に着いたポールが動くと、案の定敵は食い付きポールの監視を始めた。
その事を、アーロンは、空を飛び、他の部隊に伝えてから村に戻った。
翌日、監視をしている町に3台の馬車を引く商人が現れたが、
そのまま町を抜けて村に向かっていった。
監視をしていたライザとリーナも、遅れて馬車の後を付けた。
その頃、反対の村を監視していたモーセとメルドの前にも4台の馬車を連れた商人が、
村を抜けてポールのいる村に向かっていったので同じ様に遅れて付いて行った。
3カ所を随時、回っていたアーロンも情報を掴み、ポールに知らせた。
「ポールさん、村や街からこの村に馬車を連れた商人が来ます。
馬車の数が合計で7台です」
「やけに多いな」
「そうですね、警戒をしたほうが良いかと思います」
「わかった。
引き続き、監視を頼む」
「はい」
アーロンは、空に上がり再び監視を続けた。
ポールは、村に残り、敵に監視されながらも宿に泊まり
様子を伺う事にした。
翌日、アーロンの報告通り、7台の馬車が村に到着し、ポールと同じ宿に部屋を取った。
アーロンは、馬車の中を確認しようと近づいてみたが、幌を被せてあり中が全く見えなかった。
しかし、人の声が聞えてきたので荷物ではなく人間が乗っている事は確認できたので
その事を、ポールに伝えた。
「アーロンは、どう思う?」
「今晩にでも何か仕掛けてくると思います」
「そうだな、俺も同じことを思っている。
他のメンバーにも一応伝えておいてくれるか」
「はい」
アーロンは、ポールの部屋の窓から飛び出し、ライザやモーセ達に伝えた。
その日の深夜、予定通りに敵は動き出した。
幌を被っていた馬車から護衛の兵士達と捕まった者達が下ろされて村の各家に運ばれて行った。
その後、捕虜の運び込みが終わると、宿の周囲を囲んだまま待機し、中の様子を伺っていたが
1人が合図を送ると一斉に動き出し、ポールの部屋に突入していった。
しかし、ポールは窓から抜け出し、アーロンと共にインビシブルで消えて上空で待機していた。
「アーロン、助かったぜ」
「いえ、それでこれからどうしますか?
一応、捕虜の居場所も確認しましたけど」
「そうか、ならば問題はないな、他の部隊に伝えてくれ
攻撃を開始すると」
「わかりました」
そう言うと、アーロンはポールを下ろし、他のメンバーの所に行き伝えた。
「わかった、リーナ、突撃です!」
「はーい」
2人は、そのまま村の中に突撃した。
一方、モーセ達も村の中で敵を倒していった。
上空からアーロンが確認してみると村全体が敵のアジトだったらしく
家から次々と敵が現れ、モーセ達に襲い掛かった。
「多いな・・・」
「はい、何人いるんでしょうね」
すると、突然敵が魔法で吹き飛ばされた。
「はーい!モーセさん、大丈夫?」
「リーナか、相変わらず派手な登場だな」
そう言うと、再度何処からか魔法が飛んできた。
「アイス エッヂ」
無数の氷の刃が敵を刻み倒した。
「派手な登場は、私だけではなかったみたいだよ」
「そうだね・・・」
その後、ポールも1人ずつ、確実に敵を倒して回ったが
数が多く、中々殲滅には至らなかった。
その時、上空から声が聞えてきた。
「皆さん、一度離れて下さい!」
その言葉で、ポール達のメンバーは、一旦離れて待機すると
アーロンの魔法が村に降り注いだ。
「スピリーム エクスプロージョン」
村の中心から外に向けて光が走ったと思った瞬間に大爆発が起きた。
ポール達も驚き、防御した。
「アイツ、何をしやがった!」
「魔法だよ!エクスプロージョンの上位魔法を放ったんだ」
「カッコイイ!」
「おい!お前ら、今がチャンスだぞ、急いで村の生き残りを殲滅するぞ!」
「はーい!」
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