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3

イリスは、執務室に入り、今回の誘拐の事を伝えた。


「誘拐だと!」


「はい、それで何処にも行けなくなって深夜に野菜を盗んで食べていたそうです」


「それで、犯人の目星はあるのか」


「太った男と背の高い男だそうです」


「わかった、そちらは他の者にやらせるから、お前達は気にしなくていい」


「わかりました、お願いします」


「ああ、任せろ」


イリスは、ギルマスに挨拶をしてからギルドを出ていった。

イリスが出て行った後、ギルマスは、ポールを呼んだ。


「ギルマス、用かい」


「ああ、冒険者ギルドで余り物の依頼を職員が拾って来たんだが

 それが、思わぬ方向に進んでしまって、困っているんだ」


「へぇー、それは、どういう事?」


「王都で誘拐事件が起きている。しかも裏の方々の可能性がある」


「そうですか・・・・・そいつらは、俺達に喧嘩を売っている事を分かっているんですかね」


「どうなんだろうな」


「で、俺にどうしろと」


「任せる」


「嬉しいですね、この件は、俺の好きに出来るということですね」


「そうだ、頼むぞ」


「了解」


普段とは違う雰囲気のポールは、怪しい笑みを浮かべながら去っていった。


一方、ギルドを出たイリスは、タバサと合流して監視に戻っていた。

それから暫くすると、アーロンが猫人族の男達を連れて教会にやって来た。


「アーロン、お帰り」


「イリス、タバサ、ただいま。

 子供達の様子は、変わりない?」


「うん、大丈夫。

 それから子供達と接触できたよ」


「そうなんだ、なら話は早いね。

 こちらの猫人族の村で保護して貰える事になったから」


「私は、猫人族の村の長の息子、トミーです。

 この度は、我が同胞の子を保護して頂き、有難う御座います」


「いえ、今、子供達を呼びますね」


イリスは、子供達の隠れている地下室の方へ向けて呼んだ。


「皆、出ておいで!」


イリスが声を掛けると、地下室から子供達がゾロゾロと出て来た。


「お姉ちゃん、御飯なの?」


「違うよ、出ておいで」


「うん!」


次々と出て来る子供達を見て一緒に来ていた猫人族達は喜びのあまり、歓声を上げた。


「おおっ!」


子供達が出揃うと猫人族の大人達は近寄り、子供達の頭を撫でた。


「今迄、よく頑張ったな、これからは俺達が守るから安心していいぞ」


「本当に?」


「ああ、本当だ、御飯も沢山食べさせてやるからな」


子供達は、喜んで大人達に抱き着いた。


「アーロン殿、この度は、本当にお世話になった。

 子供達は、俺達が必ず幸せにするよ」


「はい、後の事は、全てお任せします。

 それと、これを持って行って下さい」


アーロンは、持っていた食料を渡した。


「すまない、感謝する」


その後、アーロン達は、猫人族達と別れ、ギルドに向かった。


ギルドに戻ると、執務室でギルマスに報告した。


「そうか、色々とご苦労だったな。

 それと、イリスから聞いていると思うが誘拐の件は別部隊が動いているから

 お前たちは、気にしなくていいぞ」


「わかりました」


「今日は、疲れただろうから、もう帰っていいぞ」


「はい」


アーロン達は、ギルドを出て行った。


「2人共、お疲れ様、この後、買い物をして帰ろうと思うけどいいかな」


「うん、いいよ」


「私も賛成です」


3人は、市場で買い物してから自宅に戻った。



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