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ギルドに戻った3人は、すぐにギルマスに報告した。


「相手はこどもだって!」


「そうなんだ、猫人族の子供達が生活していたよ」


「そうか・・・わかった、一度教会に相談してみるよ。

 その間、アーロンはそのまま監視を続けてくれ」


「わかった、監視を続けるよ」


アーロンは、2人にも事情を話し、監視続行を伝えた。

それから間もなくしてギルマスから呼び出しがあり、

教会の意向を聞いたが、人族では無いとの理由から保護を拒否された。


「アーロン、どうする」


「俺も、考えてみたんだけど、魔物の森にある猫人族に聞いてみようと

 思ってるんだ」


「そうか、それまではどうするのだ」


「捕まえて、そのままの場所で保護するよ」


「そうだな、野放しには出来ないから、仕方ないな」


はい」


アーロンは、ギルマスと別れ、監視をイリスとタバサに任せて、猫人族の村に行った。

猫人族の村で、アーロンが今回の騒動を話すと猫人族の長は、引き取る事を決心し、

アーロンと共に5人の猫人族が王都に向かった。


一方、イリスとタバサは、監視から保護に変わった子供達の元に

沢山の肉や野菜を持ち、教会に向かっていた。

教会に着き、大きな声で隠れている子供達に呼び掛けた。


「皆、御飯だよ!」


イリスが呼び掛けて見たが反応はなかったが

懲りずに呼び掛けてみた。


「ごはんだよー!」


タバサは、焼いている肉の匂いを子供達の方へ仰いで流した。

すると、地下室の方から小さな耳がぴょこぴょこと現れた。


「タバサ、もう一息!」


「はい、お姉さま!」


もう一度、匂いを仰いで送ると我慢できなくなった子供達が現れた。


「おいでー御飯だよ!」


その言葉に、子供達は、イリスとタバサの周りに集まりだした。

2人は、集まった子供に食事を振る舞った。

子供達が喜んで食べていると地下室から2人の猫人族の子供が出て来た。


「姉ちゃん達は、どうしてこんな事をするんだ」


「私は、イリス、こっちがタバサだよ。

 勝手な事をして不味かったかな?」


「僕は、ナップ、こんな事をする理由が知りたい・・・」


「わかったわ、でも先に、私から質問していい?」


「なに?」


「皆は、どうしてここに住んでいるの?」


「僕達は、この街のスラムで生まれたんだけど

 両親が死んだり、居なくなったりして住む場が無くなったから

 ここに住んでいるんだ。

 最初は、僕とノアの2人だったけど街の中を食べ物を探している時に、

 出会った子も誘っていったらこの数になったんだ」


「そうなんだ、じゃぁ、此処に来たのは最近の事ではないんだね」


「うん、ずっと前からいるよ」


「そうなんだ、だったら何故、野菜を盗むようになったの?」


「えっ!姉ちゃん達知っているの?」


「うん、だから理由が聞きたい」


「・・・・・」


「このままだと、役人に貴方達を差し出さないといけないの。

 でも、理由を教えてくれたら何とかなるかもと思って助けに来たの」


「ほんとに助けてくれるの・・・」


「いいよ」


ナップは、少し考えてから話し出した、


「前は、皆で分担して食べ物を探したりしていたんだ。

 それと、僕とノアは、屋台の手伝いをしたりしてお金を稼いだりもしていたけど

 最近、僕達よりも年下の子が攫われるようになったんだ。

 だから、食べ物も探せないし、仕事も出来なくなったから畑から野菜を盗んだんだ」


「そっかぁ、それで攫った人は、分かっているの?」


その時、食事をしていた子が、話掛けて来た。


「僕見たよ!太った男の人と背の高い男の人がニーナを攫っていったんだ」


「ニーナ?」


「ニーナは、此処に居た女の子だよ、でも食べ物を探しに行っている時に

 攫われたんだ」


「攫われたのは、ニーナッて言う女の子だけなの?」


「違うよ、ネロとチコも攫われたんだ」


「3人か・・・・・」


「うん・・・」


「わかったわ、助けてあげる。

 その代わり、今後盗みはしない事を約束してね、

 後、食事は私が持って来るから安心してね」


「本当に、持って来てくれるの」


「本当だよ、だから、約束は守ってね」


「うんっ!」


イリスとタバサは、一旦離れ、距離を置いて監視に戻った。


「タバサ、私は、ギルマスに会ってくるから此処の監視をお願い」


「はい、お姉さまもお気をつけて」


「有難う」


イリスは、監視を離れてギルドに戻った。


「ギルマス、居る?」


職員に聞くと、執務室にいると言うので会いにいった。


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