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イリスは、ギルドに行った時にギルマスに相談をした。
「ギルマス、ちょっといいですか?」
「イリスか、何か用事か?」
「うん、私の知り合いっていうか、妹みたいな子が仕事を探しているんだけど・・・」
「ここで働くのか?」
「能力的には問題ないと思うけど、闇ギルドとしてはどうかなって」
「アーロンが面倒をみれば問題ないだろ」
「そうなの?」
「お前の妹みたいな者なんだろ」
「はい」
「アーロンに任せるよ」
「わかりました」
「でも、一度、俺の前に連れてこいよ」
「はい、有難うございます」
イリスは、ギルマスに話したことをアーロンに伝えて了承を得た。
その日は、自宅に戻ってからタバサと3人で話合った。
「タバサ、話があるのだけれど・・・」
「お姉さま、何でしょうか?」
「えっとね、今日、マスターにタバサの事を話したの、
そうしたら、アーロンが面倒を見るなら雇ってもいいと返事を貰ったの」
その事を聞いたタバサは、喜んでイリスに抱き着いた。
「お姉さま、有難う御座います!」
「ちょっと待って、タバサ、大切な話をするね。
アーロンと私が働いている場所は闇ギルドなの」
「闇ギルド?」
「そう、裏の仕事を生業としているギルドなんだけど・・・」
「どんな仕事をするのですか?」
「諜報、護衛、暗殺がメインの仕事かな、だからお勧めはしないよ」
「本当に闇ギルドで働いているんだ・・・」
「そうだよ、だから無理をしなくていいよ。
アーロンも私も綺麗な仕事をしているとは思っていないから」
「お姉さま・・・」
「イリス、諦めよう、彼女の人生だから」
「そうだね、タバサ、ごめんね」
「ちょっと待ってよ、お姉さまに1つ質問してもいいですか?」
「なに?」
「お給料って良いですか」
「なんだその質問は!」
「いえ、お給料は良いかなぁ~って」
「悪くはないと思うよ」
「そうなんだ、じゃぁ働きまぁ~す」
「軽くない?」
「いえ、旅をしている時は、お金が無かったので今度は美味しい物が食べたいなって思ったの」
「それでいいの?仕事内容聞いたよね、危険だよ、暗殺だよ、いいの?」
「はい、問題ありません。
狐人族の里では、その手の戦闘訓練も受けていますから」
「そうなの?」
アーロンは、振り向き、イリスに聞いた。
「うん、狐人族の里では、一通り教えるよ」
「そうなんだ、じゃぁ、本当に入るんだね」
「はい、宜しくお願いします!」
「わかったわ、明日、私と一緒に闇ギルドに行きましょう」
「お姉さま、お願いします」
翌日、ギルドに行き、タバサをギルマスに会わせた。
「アーロン、この子がイリスの妹か」
「はい、タバサです、お願いします」
「そうか、タバサか、本当に入るんだな」
「はい」
「わかった。
アーロン、お前の下に付けるぞ」
「はい」
「タバサ、よく見て習え、この仕事は失敗すれば命が無くなる事も多い
だから、慎重にやれ、わかったな」
「はい」
「アーロン、後は任せる」
ギルマスは、そう言ってその場から離れた。
「相変わらず、簡単な面接だっったな」
「アーロンも懐かしいでしょ」
「ハハハ・・・」
「取り敢えず、今日は、終わりだから帰ろうか」
「そうだな」
アーロンは返事をし、イリスはタバサの腕を掴んで走りだした。
それから3人は、自宅に戻り、荷物を纏めた。
夕方になり修理中の家を見に行くと外観は、出来上がっていた。
「結構、捗っているね」
家を見ているとグラントが近づいてきた。
「よぉ!見に来ていたのか」
「グラントさん、お疲れ様です」
「あと、3日もすれば完成するぜ」
「なら、その頃にまた、来ます」
「ああ、そうしてくれ」
アーロン達は、グラントと挨拶を交わしてから自宅に戻った。