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新居と居候

アーロンとイリスは、ギルドから休みを貰い新しく住む家を探していた。


「アーロン様、イリス様この度、お部屋をご案内させていただくアンソニーと申します。

 これから、色々な物件を見て回って頂きますのでご要望が御座いましたら

 遠慮なく、お申し付けください」


「はい、お願いします」


「ところで、条件とかはありますか?」


「2部屋以上キッチン、風呂付でお願いします」


「畏まりました、では、行きましょう」


アーロン達は、アンソニーについて行った。


「此処は、如何でしょう?」


案内された場所は、繁華街も近く、騒がしい場所だった。


「結構、騒がしい場所ですね」


「でもここは、酒場や娼館も近いですよ」


「娼館・・・・・」


イリスの背後から怪しい般若の影が漂い始めた。


「ここは、止めます!次に行きましょう」


アーロンは、急いでその場を離れ、次の場所に向かう事で無事に済んだ。

次に向かったのは、長屋のようなところだった。


「ここは、如何ですか?」


「えっと・・・」


「外から見ると狭そうなのですが」


「いえいえ、中に入って見ましょう」


アーロン達は、部屋の中に入っていった。


「う~ん、なんかイメージと違うわ」


「では、他の家を見に行きましょう」


3件目は、一軒家だった。


「ここは、如何ですか」


建物は古く、場所も市場や他の民家から離れていたが庭もあったのでイリスは

気に入っていた。


「ねぇ、中を見に行かない」


「そうだね」


アーロン達は、家の中に入っていった。


「部屋は。4室、それとは別にキッチン、ダイニング、風呂が付いています。

 ただ、何分古い建物ですから、建物に関して修理が必要になって来るでしょう」


アーロンとイリスは隈なく部屋を見て回ってから話し合う事にした。


「アーロン、私、此処がいいと思うの」


「そうだね、でも、修理も必要だから予算の問題かな」


アーロンは、アンソニーに聞いてみた。


「それで、此処は幾らで売っているのですか」


「金貨10枚です」


「え!」


「中々の掘り出し物ですよ、買い物に不便な事や、

 周りに何もない事を気にしなければ、良い物件だと思います」


「アーロン、此処にしようよ」


「わかったイリスの意見に従うよ」


「やった!有難う」


「アンソニーさん、この物件を買いますよ」


「そうですか、では早速手続きをしましょう」


3人は、手続きの為に市場にあるアンソニーの店に向かっていた。

その時、後ろからイリスに向かって声を掛けられた。


「お姉さま!」


イリスが思わず振り返ると、そこには知り合いの少女が立っていた。


「タバサ?」


呼ばれた少女は思いっきりイリスに抱き着いた。


「お姉さま!お姉さま!お姉さま!!

 やっと、やっと会えましたぁぁぁぁ!」


「ちょっと、タバサ、落ち着いて!」


イリスは、タバサが落ち着くまで待ってから話を聞いた。


「タバサがどうして此処にいるの?」


「狐人族の里にいたのですが、私の両親が病気で亡くなってから

 里を出たんです。

 それから、お姉さまを探して旅をしていました」


「そうだったの・・・」


「はい、それでお姉さまは、今は何をしているのですか?」


「私は、この街で仕事をしながら暮らしているよ」


「では、そこの男は?」


タバサは、アーロンを睨んだ。


「彼は、アーロン、私の同居人だよ」


「同居人・・・」


「そ、同居人、もう、2年位一緒に住んでいるよ」


「そうですか、でも、この妹である私が来たからには同居人は必要ありません。

 アーロンとやら、今日までお姉さまの護衛有難う御座いました。

 後は、私が引き受けますので何処かに行って下さい」


「タバサ、何を言っているの」


「はい、これからは私が、お姉さまのお世話をしますのでアイツは必要ありません」


「あのね・・・タバサ、その選択肢はないの」


「どういう事ですか?」


「アーロンと私が離れる事は無いの、それに、タバサの思う通りには行かないわよ」


「それは・・・」


「今日、私達は家を購入する為に此処に来ているの。

 勿論、2人で住む為よ、だから、貴方の提案には乗れないって事」


「お姉さま、もしかして・・・・・結婚なさるのですか」


「ちょっ、ちょっと!大きな声で言わないでよ」


「じゃぁ、本当なんですか?」


「ち、違うわよ!ただ・・・」


「ただ・・・?」


「いいの、もうこの話はおしまい!わかった?」


「はい・・・」


「ところで、タバサは、これからどうするの?」


「お姉さまと一緒に暮らします!」


「「えー!」」



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