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7

その後、ギルドに戻ったヒューゴは、アーロンとイリスを呼んだ。

暫くして、アーロン達は、執務室に現れた。


「ギルマス、用ですか?」


「大した事では無いが、先程、陛下に面会をしてきたところだ」


「はぁ・・・」


「それで、陛下からお前にと、これを渡されたのでな」


そう言うと、ギルマスはテーブルの上に袋を置いた。

アーロンは、その袋を受け取り中を見ると、金貨が数十枚入っていた。


「ギルマス、これは?」


「陛下から、薬の代金だそうだ」


「ハハハ・・・」


「アーロン、どうしたの?」


不思議そうに覗き込むイリスに袋を渡した。


「イリス、この間、陛下の寝所に忍び込んだ時に毒消しの薬を置いて来たんだけど

 その代金として陛下から貰ったんだ」


「え?」


「中身を見たイリスも驚いて声も出なかった」


その様子を見ていたギルマスは、笑いながら話し掛けた」


「まぁ、大事に使えよ」


「はい、ですが、この金貨を人数で割りませんか」


イリスは、アーロンの意図を察して答えた。


「そうだね、私もいいよ。

 だって、その仕事は、振り分けられただけで、今回は全体への依頼だもんね」


「うん、チーム依頼の個別の仕事なら全部貰うけどな」


「そりゃ皆は喜ぶけど、お前たちはいいのか?」


「いいよ、ともかく数えようよ」


そう言って袋をひっくり返して数えると、金貨30枚が入っていた。


「1人枚はあるね」


「うん」


金貨の配分は、皆に金貨1枚ずつ配り、残りはアーロンとイリスが貰うようにと

ギルマスに言われたのでそのようにした。


その後、広間にいた者達と受付の職員にも配られた。


「まぁ、これは陛下からの臨時ボーナスみたいなものだ。

 受け取ってくれ、ただし、要らない者がいたら遠慮なく言ってくれよ」


「そんな奴いるかよ!」


「いたら俺が代わりに頂いてやるぜ」


「ギルマス、私達もいいのですか?」


「構わん、皆で分配だ」


職員達は、喜んで受け取っていた。

実際、チームの者達は時折、こうした収入はあるが、職員はギルドの中にいるので

この様な機会はないからだ。


「ギルマス、もう、返せと言っても返しませんよ」


「わかっている、返せとは言わんから好きに使え」


「「「はい!」」」


職員達は、金貨を手に持ったまま仕事に戻って行った。


「ギルマス、後は任せます」


「帰るのか?」


「はい」


「そうか、後はやっておこう。

 ただ、アイツらの事だから直ぐに全員取りに来るさ」


「そうだといいですね」


「ああ、来るよ、

 今回は、良くやってくれた、この金貨の件も含めて感謝する」


「はい、では帰ります」


アーロンとイリスは、ギルドを出ていった。

その後、ギルマスの言った通り、金貨の話は直ぐに広まり、

半日もしない間に全員の手に渡った。


アーロン達は、帰り道を歩きながら話をしていた。


「なぁ、イリス、近いうちに家を見に行かないか」


「どうしたの?」


「この間、話をしたよね、家が欲しいって」


「うん」


「それで、今回の薬の代金で金貨9枚が手に入った事だし、貯めていたお金もある。

 だから、どうかな・・・・」


「ええ!アーロン、貯めていたの?」


「驚くところそこなの!」


「だって、知らなかったし・・・・・」


「うん、言ってないけど、イリスの家に来てからずっと貯めていたんだ」


「なんで・・・」


「何かあった時の為と言うか何というか・・・・・」


「はっきり言ってよ!」


「ああ、もう!イリスに何かあった時の為だよ。

 欲しい物があったり、お金が必要になる時だってあるかも知れないから

 貯金しておいたんだよ!その時は、全部渡せばいいと考えていたんだ」


イリスは、満面の笑みをしながら抱き着いた。


「アーロン、大好き!!」


「恥ずかしいよ・・・」


「いいの、私は見られても平気だよ」


「ハハハ・・・」


「ねぇ、今度休暇が取れたら家を見に行ってもいい?」


「いいよ、一緒に行こう」


「うん!」


イリスは、大喜びで家に帰って行った。



不定期投稿ですが宜しくお願い致します。


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