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同時刻、ポールチームも行動を始めていた。
ポール達は、ヘイゼル ホールデン子爵の屋敷を目指して走っていた。
「ねぇポール、配置はどうするの?」
「魔法の使えるライザとリーナが周囲の警戒と出て来た敵の対処、
他の者達は、侵入して各個撃破、1人残らず殲滅を忘れるなよ」
「わかっている」
「そろそろ着くぞ」
ポール達は、屋敷に着くと、分散して侵入を開始した。
ヘイゼルの屋敷は何かを警戒しているような状態だった。
「多いな・・・・」
モーセは、呟くと素早く忍び寄り、1人ずつ確実に倒していった。
その頃ポールも、正面入り口からの突入を試みていた。
「スリーブミスト」
正面入り口で警備をしていた者達は眠りの霧に閉じ込められ
次々に眠っていった。
眠りについた兵士達をポールは、1人ずつ確実に倒した。
そして、ポールとモーセは、別々の入り口から屋敷内に侵入した。
2人が、屋敷侵入し、1階で敵と対峙している時、メルドは、屋上から侵入し、
当主のヘイゼルと向かい合っていた。
「貴様は、何処の者だ」
「答える筈がないだろ」
メルドはゆっくりと剣を構えた。
「ま、待て、どうだ私に仕えないか」
「断る、それに、時間がないんだ」
そう言うとメルドは、ヘイゼルの首を落とした。
メルドは、そのまま2階を調べ、生きている者をすべて倒してから1階に下りて行った。
「ポールさん、2階は終わったよ」
「そうか、1階もここで終わりだ」
ポールは、皆と合流した後、リーナに頼んで屋敷を破壊してもらう事にした。
「いっくよー『メテオ』!」
空から、隕石がヘイゼルの屋敷に降り注ぎ跡形も無く消し飛ばした。
「派手だね」
「うん・・・・」
「ライザ、頼む」
「うん・・・・・」
ライザは、魔法を唱えた。
「ウォーターボム」
大量の水の爆弾を屋敷跡に落とし、水と爆風で火を消した。
「さて、戻ろうか」
ポールの合図で皆はギルドに向かって走りだした。
ポール達の戦闘よりも少し遅れてレスリー達も戦闘を始めていた。
レスリー達は、屋敷内に突入したものの、敵の数が多く、前に進めない状態になっていた。
「レスリー、場所が悪すぎるぜ」
「わかっている、誰か、外に回ってくれ」
「俺が行くよ」
ライアンは、一時離脱し、屋根から2階に飛び込んだ。
「侵入者が現れたぞ!」
1階でレスリー達の相手をしていた兵士達は慌てて2階に上がろうとした時、
レスリーは魔法を唱えた。
「ウインドカッター」
2階に上がりかけていた兵士達に向かって無数の刃が襲い掛かった。
「ぐわぁぁぁ!」
兵士の気が逸れた瞬間にワグが接近して敵を倒していった。
2階に飛び込んだライアンは、当主のトーマス イングラムを倒していた。
その後、ライアンは、2階にいた人達を倒して回り、誰も居ない事を確認してから
1階に下りて行った。
「おう!ライアン、お疲れ!」
「レスリーさん、こっちも終わったみたいですね」
「ああ、終わったよ」
「なら、帰りましょうか?」
「そうだな」
皆で外に出ると、大勢の兵士が倒れていた。
「逃げようとしていた奴が多すぎですよ、
この貴族は人望無かったのですかね」
そう言いながらユリウスは、ため息を吐いた。
そして、この襲撃をまだ知らないコステロ ドズル伯爵は、自宅で寛いでいた。
「誰か」
「ドズル伯爵が呼ぶと執事のダンカンが現れた。
「旦那様、御用でしょうか」
「明日、王城に上がるので支度を頼むぞ」
「畏まりました、何か準備しておくものは御座いますか」
「第3王子のチェスター様に会いに行くので、何か見合った贈り物を準備しておいてくれ」
「では、手配しておきます」
「頼むぞ」
執事のダンカンは、要件を聞き扉を閉めた。
しかし、ドズルの部屋の扉が直ぐに叩かれた。
「なんだ、ダンカンか!入れ」
ドズルは、ダンカンと思っていたが入って来たのはケリーだった。
「コステロ ドズル伯爵ですね」
「貴様は、誰だ!」
「闇の者とでも言っておきます」
「この私に、何の用があって我が屋敷に侵入したのだ」
「さぁ、何の用でしょう」
ケリーは、ゆっくり近づき、そのままの速さでドズル伯爵を切り倒した。
ケリーは、部屋の外に転がっていた執事の死体の横を通り過ぎ、
仲間と合流し、屋敷を後にした。
ケリー達の去った屋敷には、何も抵抗できずに死んでいった兵士達の屍が散乱していた。