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「ギルマス、報告にきたぜ」
「アーロンか、聞こう」
「はい、今回の黒幕は、コステロ ドズル伯爵。
それに、トーマス イングラム子爵、ヘイゼル ホールデン子爵の3貴族。
後は、薬師のヨシュア、メイドのラルとリリス、商人のフリッツだ」
「ほう、以上が今回の首謀者と言う訳か」
「ああ、この事が分かってからも見張っていたが、他の者との接触はなかった」
ギルマスと話していると執務室の扉が開き、イヴが入って来た。
「あら、アーロンも戻っていたのね。
ということは、黒幕が判明したのね」
「そうだ、今、アーロンから聞いていたところだ」
「そう・・・、なら丁度いいわ、私の方も尋問が終わって吐かせたところよ」
「ならば、答え合わせをしよう」
ギルマスの言葉にアーロンとイヴは了承し、先程の話も含めて再度話をした。
「これで判明したようだな、これから俺は王の所に行って来る。
戻ってきたら、すぐに行動できるようにしておいてくれ」
「わかりました」
「了解よ、チームを集めておくわ」
「行って来る」
ギルマスは、ギルドを出て王城に向かった。
王城に着いたギルマスは、王の寝所にての面会を許されていた。
「ヒューゴよ、分かったのだな」
「はい、判明いたしましたが如何なさいますか」
「変わらん、そちらに任せる。
ただ、全てが終わった時に改めて話を聞くとしよう」
そう言うと、王はベッドから起き上がった。
「陛下!」
「あ奴の薬はもう飲んではおらぬ、それに、アーロンから貰った薬を少しずつ飲んでいたのでな」
「なら、お体は?」
「大事ない」
「では、・・・」
「私は、私の仕事をしよう。
ヒューゴ頼んだぞ」
「はっ!」
ギルマスは、王城を出てギルドに戻った。
ギルドに戻ると、全チームが広間に集合していた。
「王からの伝令を伝えるぞ!」
ギルマスは、壇上に立ち、王の言葉を伝えた。
「前回の会議の内容に変更は無し、王の命も狙った奴らだ、気を締めて任務を遂行してくれ。
それと、殲滅対象は、ドズル伯爵家、イングラム子爵家、ホールデン子爵家の3貴族と
王宮薬師のヨシュア一家、フリッツ商会、王宮メイドのラルとリリスの2名だ」
「それで、配置はどうするんだ」
「ケリー隊は、ドズル伯爵家、レスリー隊はイングラム家、ポール隊はホールデン子爵家を
イヴ隊はフリッツ商会、アーロン達は、ヨシュア家とメイドを頼む。
いいか、これは王命だ! 必ず1人残らず殲滅しろ!
わかったな!」
「了解!」
全員が立ち上がり、行動に移そうとした時、イヴがアーロンに近づいて来た。
「アーロン、薬師は捕らえているから、こっちで始末しておくわ」
「わかりました。
お願いします」
「じゃぁ、頑張ってね」
イヴは、仲間達とギルドを出て行き、自分達の集合場所に集まった。
「今回は、一人残らず殲滅することが任務だから、ナディアは周囲警戒、
私とアトラで庭から家に向けて魔法で攻撃、家ごと消滅させたら最後にサリーが消火してね」
「はい」
「姉さん、敵が気付いたらどうするの?」
「気にする事は、無いわ、倒してしまって問題ないから、遠慮しないでね」
「「「はい!」」」
深夜、フリッツ商会を囲んだイヴ達は、直ぐに行動を始めた。
イヴとアトラは、静かに別々の庭に降り立ち、魔法を放った
「エクスプロージョン」
「サンダーレイン」
屋敷に向けて放たれた魔法で既に半壊状態だったが、2人は遠慮無く、もう一度魔法を放った。
「エクスプロージョン」
「サンダーレイン」
屋敷は、崩壊し、中にいた人達も屋敷と運命を共にし、絶命した。
イヴ達は、生き残りが居ない事を確認した後、サリーの魔法で火を消してから
ギルドに戻った。