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貴族の裏切り

王女を城に送った日は、アーロン達は休み、翌日にギルドに顔を出した。


「アーロンさん、イリス、おはよう」


「イリーナさん、おはようございます。

 あの件は、どうなりました?」


「はい、皆さんその日のうちに戻ってきましたよ」


「流石ですね」


「あの人達は、戦闘に関しては最強ですから」


「ですね、今回の襲撃者達も40人位はいたと思うんですが」


「こちらからは、2チーム8名が行きましたから問題ないでしょう」


「そうなんですね」


「はい」


イリーナは、笑顔で答えてくれたがアーロンは、バケモノばかりだと

改めて思った。


「ところで、ギルマスはいますか?」


「今はいないわよ、先程、王宮に呼び出しを受けて行ったから」


「わかりました」


アーロンは、一度戻ろうと思い、外に出掛けたらイリーナに止められた。


「アーロンさんとイリスは、このままここで待機していてね」


「え?」


「ギルマスから全員集合が掛かっているの」


「何かあるのかなぁ」


「たぶん、今回の襲撃事件に関する事だと思うわ」


「わかりました、では待機してますね」


2人が、ギルド内で待機していると他のメンバーも集まって来た。


「アーロン」


「ケリーさん、この間はお疲れ様でした」


「ハハハ、お互いにな」


「そうですね、警備の者が敵の手の者だったとは」


「ああ、俺達も全員起きて待機していてよかったよ」


「全員が起きていたんですか?」


「そうだ、最終日で襲撃があるならあそこしかなかったからな」


「ですね」


「まぁ、実際は、全員があの時しか襲って来れないから

 寝ることを嫌がったんだけどな」


「それって・・・」


「ああ、一番に駆けつけて戦いたかっただけだ」


「流石、襲撃班」


「うちはいつもこんな感じだから」


「何を話しているの?」


そこにイヴさん達が現れた。


「やぁ、イヴ」


「何、この間の襲撃の事?」


「そうだよ」


「あれ、私達が行きたかったわよ」


「それは、申し訳ない」


「ケリー、本気で謝っていないでしょ」


「当然!」


「でしょうね」


そう言ってケリーとイヴは笑い合った。

それから、暫くすると、ほかのチームのメンバーも集合した。

全員が集まると職員のシリカが声を掛けて来た。


「皆さん、集まって頂き有難う御座います。

 今回は、ギルマスから話があるとの事ですので

 もう暫く、お待ちください」


シリカの話が終わると、皆それぞれにチーム毎に雑談をしていたが

直ぐにギルマスが戻って来たので雑談を止め、ギルマスに注目した。


「おう!皆、集まっているな、先に全員に話をする。

 その後、リーダー会議をするからそのつもりでいてくれ」


そう言うと、ギルマスは広間の檀上に立ち、説明を始めた。


「今回の依頼は、ちょっとでかい依頼だ、内容は今回の襲撃事件の黒幕の殲滅だ。

 ただ、相手の全体像が見えていない。

 そこで、アーロン、イリス、お前達で探れ」


「はい」


「分かった時点で王に報告を上げる。

 その後は、黒幕の殲滅に移るが、今回は、1人残らず消す事が条件に入る。

 それと、相手の大きさも見えていないが色々と絡み合っている可能性が高いので

 アーロンから依頼があったら手を貸してやって欲しい。以上だ」


その後、場所を執務室に移し、話を続けた。


今回の件だが、城内にも敵がいるので表立っては動けない事は理解してくれ。

 それから、王が体調を崩しているので早急にけりを付けたい」


「王の容態は?」


「ああ、薬師の話だと、薬を飲んで様子を見るしかないと言っている」


その時、アーロンは、前回、王に会った時の事を思い出した。


「なぁギルマス、王の病名は分かるか?」


「いや、知らんが何故だ」


「この間、俺とイリスは、寝所で報告をした時、薬を飲んだばかりだったのか

 嗅いだことのある花の匂いに似ていたのを思い出したんだ」


「おい、それって・・・・」


「確証はないけど、可能性はあるか・・・・」


すると、イヴが手を上げた。


「その件、私に調べさせて貰えないかしら」


「え?」


「アーロンは、王から薬を盗んで来てね。

 後は、私がするわ」


「それは・・・・・」


「もし、毒なら薬師をさらって尋問よ」


「わかりました」


「早く頂戴ね」


「はい」


イヴとの話が終わるとギルマスが号令をかけた。


「まずは、薬師の件を調べる、後はアーロン頼むぞ」


「はい、では行ってきます」


そう言うと、アーロン達はギルドを出て王城に向かった。

 


不定期投稿ですが、宜しくお願い致します。

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