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アーロンとイリスは、王女の腕を掴んで夜空に上がり、王都の向けて飛んで行った。


「クラリス王女、大丈夫ですか?

 怖かったら目を瞑っていてください。

 このまま、王都まで行きますから」


「いえ、大丈夫です。

 それどころか、とても気持ちがいいです」


「そうですか」


「はい、不謹慎と思いますが、とても楽しいです」


「ハハハ、まぁ、怖いよりは良かったです」


「イリス、今迄なんで空を飛べる事を教えて下さらなかったの?」


「姫様、教えるタイミングなんてありませんでしたよ」


「そんな、私と2人でいる時に言ってくれたらいいのに・・・・」


クラリス王女は可愛く拗ねてみせた。


「姫様・・・・」


「今度、これで遊びに連れて行ってくださいね」


「姫様と私が遊びに行くなど・・・」


「いいの、約束よ」


「ですが、私は闇ギルドに所属する者ですので」


「関係ないわ、あなたは私のお友達よ、

 それとも、私だけが、そう思っているの?

 それに、2人の時は、クラリスでしょ」


イリスは、ため息を吐き、諦めた。


「わかったわ、クラリス、今度行こうね」


「はい!」


その後も、アーロンの存在を忘れているかのように2人は、話を続けていた。

それから暫くして、楽しんだ空の旅を終え、王城に到着した。


「イリス、絶対よ、お願いね」


「わかってるわ、ほら、お迎えが来たわよ」


「もう・・・仕方ないわね、またね」


姫は、迎えに来たメイドと護衛に守られて城に入って行った。

その後、アーロンとイリスは、王の寝所で報告をした。


「そうか、襲撃があったか・・・」


「はい、その際、どうやら敵の手の者がこちらにいたようです」


「誠か」


「はい、深夜の警備の者達が引き入れたように見えました」


「わかった、今後気を付けよう」


「はい、では失礼いたします」


「アーロン、イリス、クラリスを守ってくれたことに感謝する」


「有難う御座います」


アーロンとイリスは、こっそり王城を抜けだした。


「なぁ、イリス、王の寝室で変な匂いがしなかった?」


「どんな匂い?」


「う~ん、思い出せないけど嗅いだことのあるような花の匂いなんだ」


「ごめん、疲れすぎてわからないわ」


「いいよ、気のせいかも知れないしね」


その後、2人はギルドに戻っていった。

ギルドに到着すると、流石に誰もいなかったので

詳しい報告書を書き残し、家に戻る事にした。


しかし、その頃には日が昇り始めており、ギルドの職員たちが出勤してきた。


「アーロンさん、帰って来ていたんですね」


「イレーナさん、おはよう」


「それは?」


「ああ、報告書です、ギルマスの報告通りに襲撃に遭いまして

 姫様だけを連れて戻ってきました」


「そうだったんですね」


「はい、ですからケリーさん達は敵の討伐をしています」


「そうですよね・・・わかりました、ここでお待ちください。

 すぐにギルマスを起こしてきます!」


「え!」


イリーナは、返事も聞かず、ギルドを飛びだして行った。

暫くすると、イリーナはギルマスを連れて戻って来たが

ギルマスの頬には、赤いモミジが出来ていた。


「ギルマス、おはようございます」


「・・・おはよう」


「1つ聞きますが、そのモミジは?」


「言葉の通り叩き起こされた跡だ」


「そうですか」


「アーロン、今度から起こしに来る人は優しい人で・・・・」


「そんな人、いますか?」


「諦めよう・・・・」


「はい・・・」


それから、執務室に入り、今回の報告をした。


「襲撃があったか」


「はい、それに敵がこちらに紛れ込んでいて兵達が襲われました」


「今後、警戒が必要だな」


「そうですね、それから今回の件は、王には報告済みです」


「わかった、ゆっくり休んでくれ」


「そうします」


アーロンとイリスは、魔力の使い過ぎでフラフラになりながら家に戻った。


「イリス、シャワーを浴びてから寝ようぜ」


「うん、わかっているけどフラフラで・・・・」


「なら、連れて行くよ」


アーロンは、イリスを抱きかかえてシャワーを浴びに行った。


「アーロン、ありがとう」


「いいよ」


シャワーを浴びた後、2人はベッドに倒れ込み、そのまま眠った。



不定期投稿です。書き貯めていたので投稿しました。


宜しくお願い致します。

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