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屋敷に着くと、エレノアは、アンネを抱えながら大声で叫んだ。
「誰か来てぇぇぇ!」
その声に気付いたエーリカが扉を開けた。
「エーリカ、治癒魔法の使える人を今すぐ呼んで!」
「はい!」
エーリカは、アーロンが留守にしていたので、ダリルを呼び、
アンネの治療をお願いした。
「エレノアさん、何があったんですか?」
「襲撃よ、相手は分からないけど突然襲って来たの」
「わかりました、アーロンさんに伝えに行きます」
そう言ってジョゼは、屋敷から飛び出して行った。
市場に出掛けていたアーロンを呼び戻す為にジョゼが全力で走っていると
突然、襲い掛かって来る者達がいた。
ジョゼは、素早く反応し、最初の一撃を躱し、
辺りを見渡すと16人の男達に囲まれていた。
「見つけたのは1人か、まぁ良い、こいつを捕らえて吐かせるとしよう」
「アンネさん達を襲ったのはお前達か」
「さぁな、知りたければ俺を倒して見ろ!」
男達は、ジョゼに襲い掛かった。
ジョゼも負けじと応戦し、敵を倒していった。
放たれた魔法を躱し、日本刀で剣ごと敵を切り倒した。
「生意気な小僧が!」
ジョゼが敵を半数程倒したところで体制を崩した。
「ゾーンバインド」
敵のリーダーの放った魔法でジョゼは、捕まってしまった。
「今だ!」
敵は、全員でジョゼに剣を突き立てた。
「ぐふっ・・・」
体中に剣が刺さり、絶命したかと思ったが、ジョゼは最後の力を振り絞って
魔法を唱えた。
「サイクロン!」
ジョゼは、剣を突き立てていた敵を吹き飛ばした。
「ダリル、ごめんなさい・・・・先に行くね」
ダリルは、その場に倒れ、二度と起き上がる事はなかった。
市場で、買い物をしていたアーロンとイリスは、
ジョゼの放った魔法の風を感じ、急いでジョゼの元に向かうと
そこには、剣で串刺しにされ、倒れていたジョゼを発見した。
「ジョゼ・・・・・・」
「うそ・・・」
アーロンとイリスの登場に敵のリーダーが驚いていた。
「他にもいたのか・・・」
その時、リーダーの後ろにアーロンが現れ、腕を切り落とした。
「貴様らがジョゼを・・・・殺したのか」
「ぐっ、何時の間に」
「答えろ、お前達は何処の者だ」
「誰が、答え・・・」
アーロンは、残っていた反対の腕も落とした。
「ぐわぁぁぁぁ!」
「答えろ」
「わ、分かった言う、言うから待ってくれ!」
「話せ」
「俺達は、聖王帝国の闇ギルドだ」
「わかった、今は、生かしてやる」
アーロンは、リーダーの意識を奪い、気絶させた。
その間に、イリスは生き残っていた者達を倒して回った。
アーロンはジョゼを抱き、イリスは敵のリーダーを引きずりながら屋敷に戻った。
屋敷に戻り、玄関を入るとエーリカがアンネの事を伝えて来た。
「アンネもやられたのか・・・・・」
「はい。
エレノアさんも重傷です」
「ダリルは?」
「アンネさんの治療をしています」
「わかった」
アーロンとイリスは、敵のリーダーを柱に括り付けてからアンネの元に向かった。
「アンネ・・・」
アンネの傍には、ダリルとクラスが交代で治療していた。
「アーロンさん・・・」
「クラス、此処を任せていいか」
「はい」
「ダリル、話がある」
アーロンがダリルを廊下に呼び出すと、ダリルはジョゼがいない事に気付いた。
「アーロンさん、ジョゼは?」
「俺達が駆けつけた時には・・・・・すまない」
ダリルは、泣かず、拳を握りしめた。
「相手は・・・相手は、誰ですか?」
「聖王帝国の闇ギルドだ、リーダーは捕らえた。
尋問は、これからだ」
「わかりました、尋問は私にやらせて下さい」
「ダリル・・・」
「いいですよね、相方を無駄死にさせたくありませんから」
「わかった、任せるよ」
「有難う御座います、それから、ジョゼは?」
「ここだ」
アーロンは、アイテムボックスからジョゼを取り出した。
体中血だらけのジョゼの姿を目の当たりにしたダリルは、笑顔でジョゼを抱きしめた。
「ジョゼ、頑張ったね、後は私が引き継ぐから先に村で待っていてね」
そう言って、ジョゼを強く抱きしめた。
「ジョゼの遺体は後で綺麗にしよう」
「アーロンさん、それも私がやります。
最後まで、私にやらせて下さい」
「そうか、手が空いたら言ってくれ」
「はい」
ダリルは、立ち上がり尋問に向かった。
残されたアーロンは、ジョゼをアイテムボックスに入れてから
エレノアの元に向かった。
ダリルと話している間に、エレノアの所に行っていたイリスに容態を聞くと
致命傷は免れているが、当分は動けそうにも無いと伝えられた。
その後、ダリル以外はアンネとエレノアの治療に専念し、朝を迎える事になった。
不定期投稿ですが宜しくお願い致します。