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クラスからの返事は、構わないと書いてあったので
ニルスは、グランと2人でセインの元に向かった。
セインの元に到着すると、3人だけで話したいと告げ、屋敷の奥に入って行った。
「グラン様、起こし頂き有難う御座います。
それで、 今回お越しになられたという事は、もしかして・・・」
「その事だが、勘違いをしないで欲しいのだが、
私がこれから話す事は外に漏れると不味い話なのだ。
なので、誰にも話さないと誓えるか?」
セインは、グランの真剣な顔つきにたじろいだが腹を決めて聞く事にした。
「守りましょう、此処で聞いた事は、墓場まで持って行きます」
「わかった、では話を続けよう。
今回の様に、ややこしい問題を解決してくれる者達を知っているのだが
依頼料が高額でな、それで、どうするかを聞こうと思って
こうして寄らせて貰ったのだ」
「その方達に任せれば、全ての片がつくのでしょうか」
「依頼しだいだ。
相手の事を調べ上げるだけなら高額でも払えると思うが
後始末迄となったらそれなりの金額が必要になるぞ」
「ですが、相手の正体は、分かっていますのでお願いするのであれば
片がつく所までを頼みたいのです」
「そんなに切羽詰まっているのか」
「お言葉ですが、彼らは、歯止めが効かない存在になりつつあります。
ですので、依頼するのであれば、最後までお願いしたいのです」
「わかった。
それで依頼料は先払いだが、誰が払うのだ?」
「皆で、払います。
今生き残っている商人達、ギルドで払いましょう」
「わかった、明日、もう一度ここに来よう、その時には出来るだけの
金を準備しておいて貰えるか」
「分かりました、全力を尽くしましょう」
セインと別れた後、ニルスとグランはその足でクラスの屋敷に向かった。
クラスの屋敷に着くと、2人はクラスに面会を求めた。
そして、応接室で待っていると、クラスが現れた。
2人は席を立ち、クラスに会釈をし、座り直した。
「ニルス様、グラン様、本日はどの様な御用件でしょうか」
「昨日、届けた手紙についてなのだが、あの依頼を受けて頂けないだろうか」
「そう言う事ですか・・・わかりました、詳しい内容を話して頂けますか」
グランは、今回の事について詳しく話し、相手の名前、関係している貴族なども
話した。
「分かりました、金貨70枚頂きましょう」
「分かった、明日、ニルス殿に頼み、こちら迄金を持って来よう」
「では、届けられたら動きましょう」
「感謝する」
グランとニルスは、約束を取り付けてから再度、セインの屋敷に向かった。
再び2人が来た事に驚いていたが、急いで会う事にした。
「グラン様、どうなされましたか?」
「金貨70枚で引き受けて貰えたよ、ただ明日、届けないと無効になるので
こうして伺った次第だ」
「金貨70枚ですか、高額ですね」
「なら諦めるか」
「いえ、お願いします。
金貨は、私が立て替えておいて、後程請求する事にしましょう」
「そんな事をして大丈夫なのか?
もし、他の者が断れば、お主1人で背負う事になるぞ」
「ご安心下さい、私も商人の端くれです。
取りはぐれる事は致しませんので」
そう言うと席を立ち、何処からか金貨70枚を持って来た。
「ではこれを」
渡された金貨を、ニルスとグランは数えた。
「間違いなく預かった、後は、任せてくれて構わないぞ」
「宜しくお願い致します」
その後、2人は屋敷の戻らず、もう一度クラスの屋敷に行き、
金貨を渡してからお互いの屋敷に戻った。
2人が帰った後、アーロンは全員を集めて、今回の依頼について説明を始めた。
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