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侵略の影

ニルスが御者を2人連れて馬車に向かうと、こはく亭が無くなっていた。

ニルスは、慌てて馬車を探しに行くと、止めた場所に残っていた。

安心して近づくと、中には目隠しをした女性が2人乗っていた。


「君たちは、名前を言えるか?」


「はい、私はドリー、セイン商会の長女です」


「私はナン、セイン商会の次女です」


2人の名前を聞き、ニルスは、そのままアイビスの屋敷に連れて行った。


「ニルス、急にどうしたのだ!」


「いいから、メイドを呼び、中の2人の手当てをしてくれ」


グランは、ニルスの指示に従い、メイドを呼んでから馬車の中を見た。


「この者は?」


「セイン商会の息女達だ」


その名前を聞いて、グランは馬車の中の2人を屋敷に入れ、手当てをさせた。

その間に、グランはニルスから事情を聞いた。


「例の件は、片がついたようでその産物といったところだ。

 私は、指示された場所に馬車を置いておくように命じられて

 夕刻に取りに行くと、彼女達が乗っていたのだ」


「なら、野盗は片付いたのだな」


「間違いないだろう」


「そうか、流石だな」


2人は、握手を交わした。

翌日、グランは、セイン商会の会長を屋敷に呼び、娘達との面会をさせた。


「伯爵様、有難う御座います、この御恩は一生忘れません、本当に有難う御座います」


セインは、何度もお礼を言い、屋敷を去って行った。

その後、正式に野盗を盗伐したことを皆に告げた。


週末、エンデ男爵主催のパーティーでフィオとクラスは再会した。


「クラス様、お久しぶりですね」


「フィオさん、この間は、急に用事が出来ましたので

 ご挨拶も出来ずに失礼しました」


「こちらも無理なお願いをしてしまい申し訳ありませんでした」


「私、明日と明後日なら時間がありますわ」


フィオは、喜び答えた。


「明日でお願いします」


「では、必ずお伺い致しますね」


「はい!」


フィオが喜んでいると、エンデ男爵が娘を連れて近づいて来た。


「これは、クラス様、ようこそお越し下さいました」


「この度は、呼んで頂き有難う御座います」


「いえいえ、それから、こちらが私の娘です」


娘はクラスの前に進み出た。


「初めまして、ルイーゼ エンデと申します」


「挨拶が遅れて申し訳ありません、私はクラス マルセフと申します」


2人は、フィオを含めて3人で談笑して過ごした。



あれから2ヵ月が経ち、街は落ち着いたが、不思議な噂が流れていた。

それは、この国には、裏社会を代表するギルドがあるという話だった。

この者達の居場所、メンバーは共に不明、

ただ、依頼は酒場で依頼内容をマスターに話す事だった。

受けて貰える場合は、数日の間にギルドから接触があるという噂だった。


「そんな噂が流れているんだ」


「でも、何の為に流しているんだろうね」


「う~ん、分からないけど、邪魔をするなら倒すまで」


「そうだね、それにしても今迄この国には、そういう物が無かったら

 狙い目と思っていたのは、私達だけでは無かった事だよね」


「まぁ、そう言う事だよね、暫くは様子を見よう」


アーロンの決定に従い、皆はいつもの日常に戻って行った。




その頃、とある国では密かに新聖王国を裏から牛耳る計画が進んでいた。


「そうか、噂は浸透したか」


「はい、頃合いかと」


「よし、まずは6チーム47名を出発させよ」


「畏まりました」


「あの国には、裏を仕切る者達がいないから楽仕事だ、

 それよりも貿易のほうは、上手くいっているのか」


「カーター商会の邪魔になる商会は聖王帝国の闇ギルドのメンバーが到着次第

 潰して参りますのでご安心ください」


「貴族の方は、どうだ」


「はい、金に目の無い男でしたから既に我が手中に御座います」


「では、ゆっくりと見物させて貰おうか」



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