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78話 はぐれスライム大会

 翌日、紅蓮の乙女のメンバーに再び集まってもらった。


 洞窟待機の決まっている非戦闘員の姿はなく、団長のグラマンティアとラクスがこちら側にいるけど状況は昨日と一緒だ。


「みんな連日続けて集まってくれてありがとう。昨日はいきなりの事で全員戸惑ったと思うが、そのお蔭で真剣に考えられたはずだ」


 王都組にするのか、待機組にするのか。

 その選択をこの場で決めてもらう。


 メンバーの顔を確認すると一番ダメージを受けたであろうヒルディの姿があった。

 やっぱりウルカに負けたのが相当応えているようで顔色が良くない。

 険しい顔をしていて団員の誰も寄せ付けないでいるし、別人みたいだ。


「別にどちらを選ぼうと構わない。周りの選択に流される事なく自分の選択に進んでくれ」


 そう言った後、王都へ来たい者は前へ出るように指示すると志願者達が前に出てきた。


 出てきたのは5人。

 その中にはヒルディの姿もあった。


 まさか次の日で王都行きに志願するとは思わなかったので驚いた。


 とはいえ人数としては妥当な所で落ち着いた。


「それじゃあ五人も王都に同行してもらう」


 もう終わりかって?

 長々と話す必要はないだろ。


 話さなければならない事は他にもあるんだから。


 王都組は後後でもいいからまずは待機組。

 と、そう言えば忘れるとこだった。

 ロイスに王都行きにはできないが戦闘組に入るのを許可したんだった。

 あいつにも必要な話だから来てもらわないとな。



 ロイスも来たので話を再開しよう。


 話す内容は彼女達の鍛錬の話だ。

 鍛錬するのはレベルアップとスキルアップ。


 スキルアップは基本自主練習で上げてもらう。

 上げるスキルも個人によって違うから個別面談もしないといけない。

 でもそれは今ではない。


 話をするのはレベルアップの方法についての方だ。


 ただはぐれスライムを狩るだけだろう。


 残念ながらそういう訳にはいかない。

 エリティアは何事もなく狩っているので忘れがちだが、はぐれスライムは逃げ足が凄く速い。

 現状逃げに入ったはぐれスライムを狩れる者は『紅蓮の乙女』には一人もいない。

 それに【平等分配】は登録人数が5人しかできない。

 取り外しができるとはいえローテーションが来るまで待機していないといけないのは効率が悪い。

 よってはぐれスライム狩りでは駄目だ。


 新しいレベルアップ方法を行わないといけない。


 そう馬鹿正直に言ったらスライムぐらい狩れると紅蓮の乙女のプライドを刺激してしまい一時間のはぐれスライム狩りを行うことになった。


 一番多く狩れた者には要求を一つ行える権利を与えると優勝賞品もつけて行った。


 当然エリティアは不参加だからね。

 君が出たら勝負にならないだろ。

 俺も不参加なんだから我慢してくれ。


 オルガとウルカは参加していいよ。

 ただし二人一組で行動するように。


「じゃあ開始」



 …………一時間後。




 大半の者がぐったりしていた。

 討伐数は全部で8匹。

 20人以上いるのに半分以上の人達が0匹で終わった。

 オルガとウルカは二人で一匹狩っている。

 グラマンティアが2匹、ヒルディが1匹、ミラが1匹。

 上位3人でも狙って狩るのは厳しいようだ。


 そんな中、優勝したのはスティア。

 まさかのダークホースの登場である。

 討伐数は3匹。

 王都組に参加した一人だ。


 ラクスは残念ながら1匹も狩れていない。

 他の王都組も狩れていないんだからそんなに落ち込まなくても……え、違う?

 仲のいいメンバーと狩ろうとしたのに待機組と王都組だからと断られた。

 ……それは済まなかった。


 取り敢えずスティアには優勝賞品を決めてもらいたい。

 今すぐは無理?

 仕方ないか。

 それじゃあ決まったら言ってくれ。


「これで分かったと思うが、はぐれスライム狩りのレベルアップは君達では効率が悪い。なので別の方法を行います」


 今度は異論はなかった。


 じゃあ5人組を作って。

 王都組は王都組で作りたいから今日志願した人達はそのまま組んで。

 グラマンティアとラクスはエリティア達と組んでくれ。


 余りが出る?

 6人だと【平等分配】が発動しないから4人一組にしてくれ。


 決まったか?


 よしOKね。

 方法についてはさっきので時間使っちゃったから後日で。

 今日はこの後、全員のスキル診断をしないといけないからね。




 ◆



 ――――――――同時刻、王都 


 魔王ブローの不在であっても街の様子は変わらない。

 酒を飲み、暴動が多発し、奴隷で遊ぶ。

 そんな魑魅魍魎が跋扈する魔族の為の街。


 その城下に突然――――巨大な光線が襲った。


 発信源は王城。

 街の周囲を囲んでいる防壁に届くほどの威力で範囲内にいた全ての魔族、人間が一瞬にして消滅した。

 範囲外にいて助かった者達の前には一直線上の残骸と化した街が広がっている。


 その後の魔族達の行動は迅速だった。

 酒を飲んで飲んだくれていた者も、騒動を起こしていた者も、奴隷で遊んでいた者も全員が眼の色を変えて外へと出ると元凶がいるであろう王城へと向かった。


 王城では放った犯人が壊した穴から外へと出てきた。


 そして魔族と犯人は衝突。

 大量の魔族が死亡した。


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