後編
旧領主館の方角から、火の手があがった。
「あそこが、燃えたら領主様に顔向けができん!」
「ああ!」
街の人々は、領主館へ向かいます。
かつて、街を救った領主様の館だからです。
そして、人々が見たものは・・・
ミーニャが、ネズミの姿をした悪魔を焼き尽くす姿でした。
しかも、館や庭は燃えていません。
「・・・!
ミーニャ!」
町長が、声をかけます。
しかしミーニャは、悪魔が燃え尽きるのを見届けると・・・
魔法で出したほうきにまたがりました。
にっこり笑うと・・・
そのまま、どこへともなく、飛び去ってしまいました・・・
しばらくすると、病気は消え去っていました。
それから、街の人々はミーニャを探しました。
しかし、見つかりませんでした。
やがて、街の司祭はミーニャに「神の使いたる魔女」の称号を贈りました。
教会本部からは、反対意見が出ましたが、街の人々の署名で認められました。
そうして・・・
誰からともなく・・・
ミーニャに対して「ありがとう。ごめんなさい。」の気持ちを込めて・・・
彼女が悪魔を倒した日を、お祭りの日と定めたのです。
少女は、猫の形のアメをほおばります。
そして、空を眺めると・・・
猫耳の魔女が、ほうきにまたがって飛んでいるのを見つけました。
これで完結です。




