前編
今年も、祭りが始まる。
「ねえおばあちゃん!!
いつも、この時期になると、町中猫さんの人形でいっぱいになるけど、どうして!?」
小さな女の子が、おばあちゃんに訊ねた。
「それはね・・・
むかしむかし・・・
悪魔がこの街に病原菌をばらまいて、滅ぼそうとした時に、みんなを救ってくれた「猫の魔女」がいたんだよ・・・」
むかしむかし・・・
ある街に、ミーニャと言う名の猫耳少女がいました。
ただの猫耳じゃありません。
数年前にこの街から去った魔女の弟子で、その魔術を全て受け継ぐ大魔女でした。
しかし・・・
ある時から・・・
「すまんなあ・・・」
ミーニャの家で、おじさんが薬を受け取りながら言います。
「いえいえ・・・
お大事ににゃ・・・」
帰っていくおじさんを見て、ミーニャはつぶやきます・・・
「たくさん作っておいたけど・・・
飛ぶように売れちゃったにゃ・・・
貴重な材料を使っているのに・・・」
普段は、この薬は誰もそれほど必要としません。
「病気が流行ってるにゃ・・・」
ほどなく、ある噂がたちました。
「あの魔女が、街に呪いをかけているんだ。」と・・・
しかし、ミーニャはそんな術は知りません。
師匠から習わなかったし、教わりたいとも思いませんでした。
「あの魔女・・・」
「ああ・・・」
街に薬の材料を買いにいくときも、街の人々の後ろ指を指す声が聞こえます・・・
しかし・・・
「絶対に、元凶をみつけるにゃ・・・」
それでも、街の人々のためにひたすらに頑張っていました・・・
そんなある日・・・
ミーニャは、悪い魔力を感じました。
「こいつが犯人にゃ・・・」
でも、こいつは強力な悪魔です・・・
戦う準備が必要です。