補助魔道士ですけど、なにか問題でも? ③
おおう、ようやくボーセン村に付いたよ。
ここに来るまで戦闘とかなかったのに、ボロボロですよ。そもそも、車酔いに治癒魔法効かないってだめじゃない?お尻痛いのには、回復魔法きいたけどさ。
そんなことを愚痴っている横で、大走路鳥は、「ミッミッ」といい仕事したぜっと言いたげな雰囲気を漂わせている。うん、間違いなくいい仕事はしてたね。なので、いちご屋さんに、いい餌を食べさせてくださいと、少しばかりのお金を渡しておいた。
マナァとカナァの話だと孤児院に空き部屋があるとのことで、そこに泊まらせてもらおうと、交渉しに孤児院へ向かった。
で、やってきました栄光の集会所孤児院ボーセン村支部。ある種の職業訓練所なので、なんというか、合宿所?みたいな感じだった。マナァとカナァが先に行って、院長と話をしてくるとのことで、ミシェルと一緒に外で待ちぼうけ。この村、入ってきたときから感じだんだけど、村って言っていいのだろうか、建物が孤児院と数軒の民家と畑しかないんですけど。まわりも、申し訳程度に囲った柵しかないし。ああ、だから余剰作物を安く仕入れれるのか。と、いちご屋さんが仕入れをするために来た理由を納得する。そのいちご屋さんは、友人の狩人がいるそうでその人の家に厄介になるとのことです。
ミシェルが、
「なんというか、活気が薄い気がします。」
とつぶやく。言いたいことはわかる。村全体が暗い雰囲気を感じる。
と、そこに二人が高齢の男性を連れて戻ってきた。
「はじめまして、この孤児院の長をしております、大村一郎です。」
と自己紹介をし、続けて、
「光神教の神官のミシェル様、同じ迷い人であるマリカ殿ようこそお越しくださいました。歓迎いたします。」
大村一郎は、この歳になってまた迷い人と出会うことになるとは、人生とは面白いものだなぁと深く感心した。今から、50年前、当時二十歳だった時にこの世界へとやって来た。今までに多くの出会いや別れがあり、その中でも3人の迷い人と出会い、この目の前の少女で4人目である。過去の3人とは孤児院に参加する前、冒険者や傭兵をしていた頃だったため30年以上も前の話だ。その後の彼らがどうなったかは詳しくは知らない。なぜなら彼らは旅人だからだ。遠い異界の地で意気投合し、飲み明かし、別れる。それが旅人らしい生き方なのだ。多くの迷い人はそうやって生きており、自分のような生き方のほうが稀らしい。自分が来た頃より、幾分も若いと思われる目の前の少女が旅人としてやっていけるのか、心配してしまう。が、旅人に対してそう言ってしまうのは失礼なことなので、言うことはできない。
ただそれでも、この地に来た先輩としての助言はしておこうと思った。
案内された部屋に荷物をおろし、来客用の部屋で大村さんと向かい合って座る。迷い人の先輩として話がしたいとのことだった。
彼と話を聞く限り、私の居た20年前くらいにこっちに飛ばされてきたとのことで、こっちで50年生活しているそうだ。となると、何かしら帰れたとしても、浦島太郎状態になるんじゃ?と頭の隅でおもうけど、手段もないから気にしないことにした。
大村さんのおかげでいろいろとこの世界のことを学ぶことができた。
どうやら、エフスリーがこの大陸の街の最東端で隠者の森の先は未到着だそうです。ちなみにこの大陸には10個の国があり、今いるこの国はエンテツィオ王国とのことだ。
「エンテツィオ王国は、この大陸の現存する国で一番古い国なんだ。一番安定している国でもある。歴代の王は皆人格者でそれを支える各地方を統治する公爵も得意分野が違えど、皆優秀だ。この地域は、チブルスキー公爵領になる。チブルスキー公爵は先祖が迷い人で勇者の従者だったそうだ。物語では、恐ろしいほどの力を持った魔法使いで、勇者の旅が終わったあと、仲間と王と謁見した際に王の子供に惚れられたのと、隠者の森に対応してもらうために、爵位をあたえて領主にしたそうだ。なのでここの領地が一番狭かったりもする。」
ほえーと相槌を打ちつつ聞いていく。魔法使える迷い人とか羨ましい。いや、補助はつかえるけど、攻撃魔法とか撃ってみたいのです。
「そういう迷い人の背景があったためか、こうやって迷い人が孤児院をやりたいと言って任せてもらえたんじゃないかと思う。普通は教会関係者じゃないと難しいからね。ただ、そろそろここは潮時かなぁとおもってるんだ。」
と深いため息をつく。
「どうしてですか?」
「ここの現状見てどう思う?」
「なんというか、活気がないというか。あ、人もいない!」
「ここのところ、作物が育ちにくくなってきてねぇ。堆肥使ったり腐葉土使ったり、いろいろ可能な限りやって入るんだが、かなり育ちがわるくなっているし、害獣もかなり増えた。いま人がいないのは、害獣狩りに行ってるからなんだ。」
「そういえば、別の森でも害獣駆除の依頼がありましたよ。噂ではクマを狩りすぎたとかなんとか。」
「そうか。まぁ、今の現状だと、ここの運営よりも街の方を孤児院に力を入れ直したほうがいいのかなと思うようになっちまったよ。」
と苦笑いする。何かを思い出したように、
「そういえば、依頼って言ってたが、冒険者なんだよな。」
「はい。」
「すまないが、見た目が強そうじゃないから、心配になるんだよ。あんまり聞くべきじゃないんだが、レベルは?」
「えっと、20です。」
と答えると、
「はい?20?ランクはマナカナと同じでFだよな。すげぇなそりゃ。」
と驚くが、
「そういや、マナカナがレベル8になったとかいってたが、あれか、パワーレベリングってやつか。なるほどなぁ。」
と納得した。続けて、
「すまんな、マリカ殿。見た目があまり強そうに見えなかったから、これから先旅人としての注意などを偉そうに話すところだったよ。」
と苦笑い。
「いえ、教えていただければ、ありがたいです。」
と言い、頭を下げる。
「まぁ簡単なことだ。旅で一番助けてくれるのは人間で、一番危険なものも人間ってことだ。我々がいた国では感じにくいことだったが、基本的人権ってやつは、もともとある権利なんかじゃなく、それを理解しているコミュニティを維持する義務をみんなが果たしてるから存在する。しかしこの世界ではそういうことを無視するコミュニティなんて数多存在するし、そういう輩も数多いる。そりゃ、魔獣やら事故やらで死ぬやつも多いが、人間に裏切られて死ぬやつのほうが多いと思っていいぞ。危険を感じたら逃げる。これを心がけなさい。」
「はい。心に刻みます。」
と笑顔で答えた。
そのあと、もとの世界の話をしていると、建物の外が騒がしくなってきた。
「どうやら、狩りに行っていたメンバーが戻ってきたようだね。」
といい、出迎えに行くとのことで、同行した。
外には4人の大人と5人の中学生くらいの子たちが、2匹のイノシシを解体していた。
一郎さんによると、ここにいる人数が今この村にいる全員とのことだった。作物があまり育たなくなり、何人か街の方に移住したとのことだった。なんとかしてあげたい気もするが、一郎さん以上の知識があるわけがないので、どうすることもできないなぁと残念に思う。私ってほら、戦闘特化みたいなかんじだし、しかも接近戦タイプの。そんな表情が出ていたのだろう、
「そう気にしていただなくても大丈夫だよ。私達で解決する問題だし、いざとなれば街に戻ればいいだけだからね。」
と一郎さんは言ってくれた。でも、何とかしたいよね。
夜は今日狩ってきたイノシシの骨と野菜でスープを作り、以前狩って熟成させていた肉を使った、異世界ぼたん鍋だった。うん、かなり美味しい。白菜っぽい野菜はないらしく、キャベツっぽい野菜だったけどね。白菜好きなので、ちょっと残念。
マナァとカナァがいるということで、村の人たちも楽しそうに騒いでいる。周りの人たちとの会話で、皆いい人たちで、ほんとになんとかしたいなぁと強く思った。
その後は、孤児院の空き部屋を借りて、就寝した。
翌朝、いちご屋さんに、黒白山の分岐点まで送ってもらい、徒歩で移動となる。いちご屋さんはこの場で大走路鳥と待機するとのことだった。
分岐点から一時間ほど歩いたところで、人為的に手を入れられている、農場と思える場所が遠目に確認できた。ここから先は慎重に進んだほうがいいと思い、同行者3人に小声で声をかけようとすると、
「スタァァァァァァプ!!!」
と言う音を聞いた。何?と思うと、遠くから、三脚を持った鉄の塊がかなりのスピードでむかってきた。あまりの光景に3人は動けなくなっている。私としては、そのこちらに向かってきてる物体を見て、SFに出てくるロボットみたいだなぁと思っていた。
そのロボットが目の前に止まり、警戒したように、腕についている銃口を向けて
「Leave it if you don't have one !!!」
と叫ぶ。
なんて言ったかよくわかんないけど、多分英語だよね。たぶん立ち去りなさいとかだと思う。ということはこれも、転移してきたってこと?とりあえず話せないかな。拙い英語だけど、
「excuses me.would you speake japanese.i can speak english a little」
ととりあえず、テンパりながら話す。合ってるかどうかなんてわかんないけど、伝わればオーケーの精神だ。固まっていた3人がつばを飲み込んだのを感じる。ロボットさんは、何か通信している風で、しばらくして、
『言語設定を日本語に変更。初めて言葉が通じる人物が来た。危害を加える気はないので、ついてきてもらえないだろうか。我々の管理個体が話をしたいそうだ。』
との事で、コクコクとうなずいて了承の意を見せる。いや、だって撃たれたくないんだもの。すぐに、同じ機体が2台やって来て、トライアングルで囲まれて、全員移動させられた。
移送みたいに厳重だなぁと思いつつ、移動すること10分、掘っ立て小屋みたいなところに案内された。
『この小屋に入り口がある。そこから降りてくれ。』
と言われて、小屋に入ると、地下に降りれる梯子があった。言われるように降りる際に、地下がコンクリート製で驚く。というか、結構な深さなんですけど。着いてみると、そこは、やはり地下施設であり、電気が通っているようでかなりの明るさがある。なんというか、意味わからないよ。ファンタジーと思ったら、sfでした、みたいな?
マナァとカナァは周囲を見渡しながら、ほえぇと口を開けて驚いている。なんというか、かなりおバカっぽく見える。ミシェルはこの明るさが光魔法出ないことに気がついたらしく、愕然としている。そこに、丸い物体が転がってきて、目の前で停止、
『オマチシテオリマシタ、コチラヘドウゾ。』
と言い、また転がりだした。仕方がないのでついていく。どうやら後ろ3人は理解することを放棄したっぽい。そりゃ情報なしで異文明がいきなり目の前に現れたら思考放棄するなぁ。と言っても私の時代もここまでのロボットなんて空想の世界なわけで、もう訳がわかりませんと言いたいけど、3人の表情がこっちに丸投げって感じなので諦めた。
しばらく歩くうちに、分岐通路がいくつもあったので、かなり広い地下施設だと思う。日本語が通じたので、ここが過去の文明遺産とかではなく、転移者の超絶天才がこれを作りあげたのか、この施設ごと転移したのかと疑問が湧く。前者なら、明らかに冶金技術やロボットのシステム構築とか明らかにこの世界文明を超えすぎているようにおもうし、後者なら、私の場合体と服以外は持ってこれていないわけだし、わけわかんないなぁと思うわけですよ。完全に混乱していると、ボール型ロボが、
『コチラニオハイリクダサイ。』
とのことなので、ドアを開けて入室する。
入室した部屋には、巨大なコンピューターがあるだけだった。えっと、どうしたら?と思っていると、入り口正面に置いてある机の向こう側に何かが突然現れたら。なるほど、ホログラムかな。でも、なんでPepper君なの?
『ようこそ。製品生産研究所へ。私はこの研究所の管理者、coop type aです。いろいろお伺いすること、されることがあると思いますが、まず最初に教えてください。ここはどこですか?』
あ、日本語だと思いながら答える。
『えっと、ここは地球ではない、異世界らしいです。』
しばらく間をおいて、
『得られた情報、対象の発言時の呼吸、心拍などから考慮する限り、そう考えるのが合理的と理解。gpsが得られないことや、重力情報エラーなどの原因はそういうことですか。』
とつぶやく。そういや、日本語の設定とか言ってたから、あるかもとおもい、
『あ、そうだ。ひょっとして言語パックの中に異世界言語とかないですか?』
『え、まさか。言語パック検索。一点認識不明データ発見。セキュリティチェック、エラーなし。異世界言語の可能性大。リスクを避け、バックアップデータ作製。認識不明言語パックに設定。』
とつぶやきながらたぶん設定してたのだろう、
「設定完了。なるほど。科学の結晶である私が、ファンタジーに巻き込まれるとは。なかなかに興味深い。」
とさらにつぶやくと、後ろの三人が、
「シャベッタァァッァア!!!」
と慌てふためく。いや、あなた達、言葉わからなくても、意思疎通してたの見てたでしょ?
とりあえず落ち着いたところで、話を進める。
「ええと、コープさんでしたよね。私は宮本茉莉花です。よろしくお願いします。私も転移体、この世界では迷い人というそうですが、おそらく同郷といっても、私のほうがあなた方より過去から転移してきていると思います。私の時代には、産業ロボットがメインで、自律型がそろそろ出始めるかもしれないという時代でしたので。」
「なるほど、となると2000年代初頭というくらいですね。私は2348年製で、惑星テラフォーミングの実験のために制作された1体です。しかし、迷い人という言葉があるということは、それなりの人数がこちらに来ているということなんでしょうね。興味深い。こうやって言葉が理解できるとなると、そのあたりの情報を調べたいものです。」
惑星テラフォーミングとかSFの世界だよね。300年後すごいなぁと感心しつつ、
「コープさんたちはここで何をしてたんですか。」
ととりあえず農業してるのはわかるんだけど、なんでやってるのか疑問なので。
「テラフォーミングのための農作物の生産実験といったところでしょうか。もともとこのユニット、全個体や施設を含めてですが、そのために開発されたものですので。地球とは違うとは気づいておりましたが、私の使命はそこにしかありません。しかし、せっかくの運用データを活用できないというのは残念ですね。」
「そういうものですか。」
「ええ。そのために作られましたからね。しかし、一度稼働しだしたものを止めるわけには行きませんから、このまま運用を続けていきますが。」
と、ここでミシェルが口を挟む。
「先日冒険者が襲われて怪我したのですが、どうしてですか?」
「簡単な話です。攻撃をされたので応戦したまでです。今までは作物を盗む程度でしたので、威嚇射撃程度で追い払うくらいでしたが、明らかに攻撃の意図を見せました。もしかして、あなたは自宅に強盗がやってきて、剣を抜いた時に、何もせずにただされるがままなのですか?自衛のために応戦するか逃げるか、どちらも選ばないのですね。我々の元居た世界でも、そういうことやって自滅しかけた国がありました。そうでないというのなら、質問の意図が理解できません。自分の身を自分で守ろうとして、なにか問題がありますか?」
と即答する。正論すぎるため閉口するしかないようだ。彼らは実際、ここで農業しかしていないうえに、冒険者が攻撃したというなら、完全に侵略者として対象されても文句は言えないわけだから。とりあえず、話題を変えようと思い、
「ええと、こちらの世界でどれくらい活動してるのですか?というか、ロボットもだけど、この施設のエネルギー源も気になりますが。」
「地球における、グレゴリオ暦換算で35年でしょうか。30年近くは地下の整地と環境づくりがメインでしたが。それとエネルギー源ですが、この施設の最下にあるバイオマスエネルギー抽出炉と核融合エネルギー抽出炉をメインに太陽光などを補助的に使用しています。ただ、施設の運用でどうしても鉱物資源が必要なのですが、ここから動けないこともあり、不足気味ですね。このままでは、あと10年が活動限界でしょう。」
そう聞き、ふと、アイデアが浮かぶ。
「でしたら、作物売って、鉱物買えばよくないですか?」
「いい考えと思いたいですが、いくら言葉が通じても、この世界で、ロボットの見た目は明らかに異端ではないでしょうか?」
「なので、ここに人を住まわせて、カモフラージュにすればいいのです。安全な農地の提供と必要資源の入手の共存という形で。」
先まで黙っていた三人が口を挟む。
「ボーセン村の移住先ってこと?」
「なるほど。農業の手伝いもできますしね。」
「さすがです。お姉さま。」
この反応を見て、コープさんが、
「移住可能な集落がもうすでにあるということですか。なかなかに面白い。いいでしょう。その案に乗りましょう。」
と承諾した。決断早くない?
「もし、その人たちがテロリスト集団だとしても、こちらは簡単に鎮圧できますから。そこにリスクはないでしょう?なら、この賭けは勝率が高いと考えられましたので。」
なるほど。
そんなこんなで、とりあえず、村に戻って、移住を進めてみることになった。あ、あと、作物たくさんお土産にもらったよ。多分賄賂ともいう。
また、小一時間歩いて、合流地点につき、不用心にも昼寝していたいちご屋さんをたたき起こし、ボーセン村に戻ってきた。
とりあえず、一郎さんといちご屋さん二人に来客用の部屋で事の成り行きを説明した。
「ロボットもこっちに送られてくるのか。すごいというか、めちゃくちゃだな。」
と一郎さんは苦笑いして、
「まぁ、共存で農業というのは面白いな。皆に相談はするが、たぶん拒否はしないだろう。」
と続けた。いちご屋さんが、
「あれも迷い人というか、人じゃねぇけど、まぁそれは置いておこう。なんで俺がここに呼ばれたんだ?」
と聞いてくる。
「作物の販路は必要でしょ?新ボーセン村の作物の専売する商会でも立てちゃいなさいよ。香辛料系だけでも結構儲けれるんじゃないの?」
「そりゃそうだが・・・・。」
「それに、大村さんのとこの孤児院の人材で優秀な子をまず引き上げて、しっかり育てれば、裏切らないでしょ。」
「お前さん、えぐいな・・・・。」
となぜか一郎さんといちご屋さんは苦笑い。
「商売って裏切らない人材大事でしょ?」
「でもなぁ・・・・。」
「こんなチャンスめったにないですよ。下手すれば、この国一番の商会だって夢じゃない。私たちが元居た世界の未来技術で安定生産できるんだし、元でも通常よりかからないんですよ。ここの行かなきゃ商売人じゃないですよ。このまま、町の市場でいいんですか?大きくいきましょうよ。」
うーんっと唸って、しばらく考えて、
「・・・・・わかったよ。やってみるよ。」
と決めてくれた。いやぁ、よかった。商売とか面倒なこと私受けたくないもの。そもそも、販売のコネクションもノウハウもないし、ましてや、鉱物の買い付けまでしなきゃいけないとか、無理に決まっているもの。口から出まかせでも、押し付けれたことに満足した。
と、ここで賄賂もとい、お土産を渡すのをすっかり忘れたので半分より少ないくらいを渡した。二人はトマトを手に取り、一口かじる。そしてあっという間に間食した。
「嬢ちゃん、これはいけるぞ。大陸一も夢じゃねぇ。」
とさっきまで渋ってた態度が一転した。あれ?順番間違えたっぽいね。まぁいいや、面倒ごとは避けれたし。と無理やり納得することにした。
その後、村の人たちも移住に納得というか、作物が気に入ったのか、とりあえず移住は決定になった。ただ、今の村の整理などもあるので、一週間後ということで話がついた。移住時の護衛にまた来ます。ということで、エフスリーに戻ることになった。
警戒に走る走路鳥、取らぬ狸のなんちゃらで浮かれてるいちご屋さん、酔ってダウンする私と元気な3人という形で、エフスリーにたどり着いた。まって・・・・。せかさないで・・・・・。中身が出ちゃう・・・・。