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記憶巡りの物語  作者:
3/4

第1章 1話

人物紹介

藤川舞 Age:32

薬学大を中退し教員免許を取得するために別の大学へと転入。海外の飛び級制度を利用していたため、大学卒業時には21歳の才女。その後は中学。高校の教諭として数年教鞭を振るった後、地元であった皆野崎にてフリースクールを開設

家族構成は父・母(離婚済・親権なし)・妹(名前も知らない・離婚時に母が妊娠していたらしい)


 そのフリースクールには教室が3つあり、各教室によって教師が模様替えをしているため受ける科目・講師によって特色が出ているようになっている…が、現在教鞭をとっている講師は舞と今後参加する麻耶の2名だけであるため、実質利用されている教室は1室のみであった。一階の教員室に隣接する教室はかなり殺風景な教室であった。木造の教卓が黒板の前にあり、白いカーテンがかかる窓と入り口付近にあるスチールロッカーに机と椅子があるだけであった。

 舞と麻耶が教室に入ってくると、教室には窓際に一人の少年がいるだけであった。今日は月曜日の午前中とあって本来なら高校生くらいの容姿である彼は学校へといくのではないか?と麻耶は疑問に思いながらも舞の後から教室に入る。

「おはようございます。今日から文系科目の講師をしてもらうことになった上田麻耶さんです。彼女は大学生なので月曜と金曜しか来ませんが、私よりもしっかりと教えられる腕は保障するわよ」

「…暇人なのかよ」

「ちょっと、開口一番暇人ってなんなのよ!貴方だって制服じゃない「麻耶さん」…別に私は取得する科目がなかっただけですよーだ」

 舞による麻耶の紹介を受けた少年は、話を聞いてると鼻で笑いながら悪態をつく。

関戸劉せきどりゅう。俺も特に何も習得するものが無かったから来ているだけだっての。午後からは普通に授業あるからいくっての…ええと、麻耶?」

「年上を呼び捨てにするんじゃありませんよ!センセ、私を馬鹿にするこの子はどんな人なんですか?」

「劉君?ふもとの高校の生徒よ。ふっつーに理系科目得意なんだけどねぇ…まあ選り好みしないで色々時間があるときは受けに来てくれてる子。あとは空手とかやってるらしいよ」

 その少年――関戸劉を一言で表すなら『青』だった。髪色は藍色で綺麗に整えた髪をうなじから肩甲骨よりも低い部分まで伸びているが、不思議にも長いと思わない。見とれるくらいに綺麗な髪に強気そうな浅黄色の目に紺色のオーバル型メガネをしていた。体格としてもすらっとした中肉中背を思わせる。

「それと劉君。来週…あたりになるのかしら?ちょっと訳アリの子が来るけど仲良くしてあげて頂戴」

「…いつものことだろ。ここに訳アリのやつが来るなんて」

「あれ、センセ…訳アリってどういうことですか?」

「すっかり麻耶さんへの説明を忘れてたわね。フリースクールってことだから学校にいろんな理由でいけない人が主に来るんだけど、その子の場合はずっと居たいっていわれてね…私としては門はいつでも開いてるからってのもあるんだけど、どうにも今まで入ってきた人と同じ感じでいいのかなって思っちゃって。ちょっと過保護っぽくなっちゃったのかしら?」

「さっきは何もいわなかったじゃないですかセンセ…ううぅ」

「それは別にいいんだけどよ。せっかくだし授業はじめてくれねぇか?」

「そうね。せっかくだし麻耶さんに地理でも取ってもらうわね。私はその子のところに行かないと行けないし」

「暇人にそんなことできるんかよ…まあ教えてくれるなら何でもいいけど」

「…まあ、センセの無茶振りは今に始まったことじゃないですし。じゃあちょっと今使ってる教科書と進行状況を教えてくれない?んー…」

「劉でいいぞ。別に気にすることじゃないし」

「じゃあ劉君。授業を始めるけど…ついてこれる?」

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