9
説明回です
7歳になった
俺が赤ん坊の時に冬眠してしまったギャル神ことフレイは、最後の神の力で素晴らしい物を俺にくれた
「万物の手帳」
この世界のあらゆるものが記載されている便利な手帳
調べたい事柄を思いながら開くと、詳しい解説が載っているのだ
例えば、食べられる野草を検索すると、季節やその土地の気候を自動的に読み取り、その土地でとれそうな野草を画像付きで教えてくれる
普段は俺の魂に収納されていて、魂から出す時に具現化するため魔力消費が必要で、魂から出さないと使えない
フレイが冬眠してから暇だった俺は、限界まで魔力吸収しては魔力が無くなるまで『手帳』を開いては読んでいた
世界の状況や魔法のこと、魔物など知りたいことはたくさんあった
まず、住んでいる村のことから
この村は流刑地だそうだ
正確には開拓村なのだが、開拓村の中でも特に過酷な立地で、王国から遠く離れ山脈と魔物が住む森に囲まれているため、道中は危険で滅多に外の人間が訪れない
犯罪者や政権に都合の悪い者の口封じにちょうどいい
流されてくる犯罪者は主に政治犯、権力闘争の敗者、不正や横領などが露見した者たちだ
中央都市の元貴族や元役人が開拓なんて重労働をやれるわけがない
なので開拓もまともに進まない
そうなると食料が不足する
結局、中央からのか細い援助でギリギリの生活
中には栄養失調で倒れ亡くなる人も出てくるし、魔物に襲われ餌食になってしまう人もいる
元貴族には監獄よりキツイだろう
しかし純粋な開拓移民も少数だがいる
ラルフのおっさんも開拓移民だ
確かに他の住人とは違い、生活力が高い
仕事は主に狩りで魔物が棲む森や草原で狩猟する
貴重な動物性タンパク質をゲットしてきてくれる
家畜はおらず、子供は俺一人だけ
村の一日はだいたいがこうだ
朝起きたら、交代で畑を見回り草むしりと収穫
簡素な朝食を食べ、夕方まで開拓作業、夕方にまた畑を見回り帰宅
そして夕食、就寝だ
そして、この開拓村が所属しているのが
地方都市アウグス
中央都市から南に位置して、比較的温暖で農業に向いていて裕福で帝国の穀物倉庫と呼ばれている
ただし、これはアウグス中心部の話であって、所属してはいるが半ば放棄され流刑地扱いのこの開拓村はその恩恵は受けていない
唯一、アウグスを統治する地方領主が、年に一度犯罪者と開拓移民を送ってくる
その時に多少の保存食と塩、農機具などを持ってきてくれる程度だ
道中の安全を確保するため、兵士が付き添ってくるが駐屯することはない
開拓を期待されていないが、体裁だけは整えてるといったとこだ
開拓村が興されたのは50年ほど前で
当時の地方領主の末っ子がいろいろと問題を起こし、勘当同然でこの開拓村をあてがわられたようで
末っ子とともに悪さしていた貴族の若者数人とその家族が開拓村の祖だ
その後、すぐに末っ子は逃げ出して行方不明になり他の若者たちも亡くなったりしたために人数は減るが、一年に一度、犯罪者や開拓移民を送り現在の開拓村となっている
村長は貴族の若者の生き残り、カリオというじいさんだ
50年間、この過酷な開拓村で生きながらえているだけあって、なかなか老練な印象がある
そして開拓村が所属しているこの帝国は、世界の三大国家の一つ
だが、今の俺にはどうでもいい
簡単に結論を言うと
この世界の底辺、見捨てられた土地がこの開拓村なのだ
次に、お待ちかねの魔法についてだ
この世界には魔法が存在するけれど、使える人間は少数だ
その多くは才能を認められ、貴族や軍のお偉いさん、過去には地方領主にまでの成り上がった人もいた
帝国は魔法が使えるものを厚遇したからだ
魔法の素質があると認められると中央都市にある、魔法学校に入れられる
貴族も庶民も奴隷も全て寮に入れられ、魔法の才能に磨きをかける
魔法は血筋が大きく関係するらしく、ほとんどが貴族の子弟であるので、実際は貴族のエリート様の学校になる
卒業後は魔法騎士団に入るか、何処かのお抱え魔術師となるのが一般的だ
初めて知った時は戦慄した
魔法を使えることをバレてはいけない
バレたら母ちゃんと離されてしまう
しかしそういった思いは杞憂だった
まず、この村には魔法を感知できるような人物が居ない
例えバレても外部への連絡も一年に一回できるかどうかだからだ
それでも、用心深く誰にも教えていない
母ちゃんにもだ
そんななかでの魔法の練習は探知と魔力吸収が主だ
そして、『万物の手帳』を使い魔力操作も覚えた
小石などを魔力で掴み、投げたりできる
高い所の果物も楽に取れるし、探知と併用すると野草やキノコの採取も楽々だ
最近は自分の身体も持ち上げれるよう練習中
浮遊という魔法になるけれど、実際は操作とやっていることは同じで魔力の使用量が多くなるだけだ
それなのになかなか上手くいかない
空中でのバランスが取りずらいのだ
属性魔法は少しだけかじっている
まず各属性魔法は、火水風土の四元素魔法に木氷爆金などの派生魔法だ
他には神聖魔法や闇魔法などがある
基本は魔力を変化させて水を出したり、火をおこしたりする
魔力を使って召喚しているという意見もある
火魔法の『着火』と水魔法の『水滴』などがそれだ
一番得意なのは土魔法の『小石』手のひらからパラパラと砂利が落ちる魔法だ
詠唱はないが魔法名を声に出して唱える必要があるので、村ではなかなか練習できない
最後に魔物について
元々は普通の動物であるものがほとんどだ
森に濃く溜まる魔力を受け続けて魔物化する
中には魔物同士の交配で生まれる魔物もいる
基本は凶暴で好戦的になり、身体も大きくなる
魔物は身体に魔力が溜まっているので、肉は美味だったり、内臓は薬になったり、革や角などはいろんな素材になるはで需要は高い
種類にもよるが一般人が簡単に狩猟できるもんじゃない
ウサギでも魔物化すると、兵士の訓練を受けた大人が倒せるかどうかだったりする
大抵はにげられるか角で串刺しだ
そして魔物は魔素が濃い森を好むので、滅多に森から出てこない
そのため、森に入らなければ魔物に会うことはない
魔物専門の狩人もいる
前述の魔法学校の卒業生がなることが多く
奴隷階級だったものや庶民の魔法使いが名声と富を求めて森にわけいるのだ
俺はこうして『手帳』を使って魔法を覚えたり、国の情報を得たり、野草の見分け方を学んでいった
毎日、忙しく働いてもいた
朝は母ちゃんと一緒に畑で草むしり、開拓作業が始まると子供の俺は邪魔なので山菜取りやサワガニ集めをする
魔法でさっさと集めて、見えないところで魔法の練習するのが日課だ
そして、そろそろ8歳になる
すいません
ラストが修正前のままになってました
直してます