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 次の日から、魔力探知を習熟するためにひたすら魔力探知を繰り返していた

 初日は俺の部屋サイズまでの探知範囲だったけど、繰り返すたびに探知範囲はわずかだけれども広がっていくのが面白い

 3日目にはこの小屋の間取りを把握できるようになった


 まず、俺の部屋は2畳くらいでベビーベットと椅子しかない

 ドアでつながっている隣室が台所兼食堂

 カマドと簡単な炊事をする為の小さなテーブルと椅子が置いてある

 それと母ちゃんが寝ているであろうベット

 部屋の広さも4畳ほどだ

 引き戸でできた玄関もある

 夜はこの引き戸につっかえ棒をして眠る

 玄関の反対側にも引き戸があって、そこには食糧の備蓄(スズメの涙ほどしかないが)や、農作業に使うであろうクワなどの道具が置かれている

 風呂やトイレがない

 風呂は基本入らないようだ、井戸や裏の小川で水を汲んできて行水する

 俺の場合は、沸かしたお湯にひたした布切れで身体を拭いてくれる

 トイレは外にあるようだ



しばらくの間、魔力探知をひたすら練習していた

魔力の流れや性質を体と脳に覚えこませるため、息を吐くようにできなきゃダメよ、だそうだ

目が見えなくても、探知のみで全てを把握できるようになることが理想の姿らしい

(探知は目鼻耳以外の第四の感覚器官にするの。目が見えなくても、鼻がきかなくても、耳が聞こえなくても問題ないようにしておくのが優れた魔法使いよ。私たちみんなできるわ)

吸収覚えなくてもいいの?

(覚えるために魔力探知の感度をあげてんのよ。ツベコベいわずにやるの)

は〜〜い



魔力探知の発動もスムーズになり、探知範囲もかなり広がってきた頃だった


  (そろそろ、魔力吸収できるんじゃない?イメージは考えてあるんでしょ?)

 いろいろ考えてみたけど、これがいいかなってのはあるよ

  (うん、自分がいいなと思ったものが大抵はしっくりくるはずよ。じゃあ、やってみせて)

 はーい

 魔力探知を丁寧に行う

 そして、イメージする

 手足から根が生えて、魔力を求めて伸びていく


 植物の根で水を吸うような……お、すごいしっくりきた!


 手足から根が生えて空気中の魔力を吸い上げていく


 吸い上げた魔力は身体の中に溶け込んでいく


 なんだか出来てるっぽい


 魔力が増えていく感じがする

  (うっわエゲツない量吸ってるわね。すぐに部屋の魔力無くなっちゃうわよ)

 ホントだ、全然吸い込めなくなった

  (へぇ〜、植物の根か。なるほどね、やっぱりアナタ私の影響受けてるわね)

 なんとなく、しっくり来るんだよね

  (魔法は才能の影響が大きいけど、魂の形や力の影響も少しだけど受けるのよ。それにもしかしたら、才能が木属性関係かもしれないしね。どっちにしても、アナタ絶対魔法系の才能あると思う)

 木属性って地味だなぁ

 もっと、紅蓮の魔術師とか、氷の貴公子みたいなカッチョいいのがいい

(木属性のどこが地味だっていうのさ!火なんて燃やすだけ、氷も凍らすだけで生産性がないじゃない!その点、私の司る木属性土属性水属性なんて、命を育む緑の大地、母なる大海、生産性の権化よ!)

 ウ、うっす

 急にけたたましく喋り始めるギャル神に気押される

(だいたいねー、スティアなんてガサツで短気ですぐ怒るし。ニブルなんかはクール気取ってるけど、愛想がないうえにオッパイも無いじゃない。)

 なにか琴線に触れてしまったようだ

 き、木属性も悪くないなー、なんたって生産性が違うよねー

 よくわかんないけどフォローする

(そうでしょ〜、ふふん。)

 チョロいなコイツ


 魔力吸収を覚えたし、これで母ちゃんの負担が軽くなるな

(そうね、ひとまずは心配なくなったわね)

 心おきなくオッパイが飲めるって、素晴らしいことだと思う

(ふふ、よかったわねテル)

 お、なんだよ名前で呼ぶなんて珍しいな

(そう?そうだったかしら。そうかもしれないわね)

 一人納得するギャル神



その日の夜

突然、ギャル神が告白してきた

(実はね、私、しばらく寝てることにしたの)

 寝てるってどういうこと?今までも寝てたじゃん

(うん、寝てたんだけど、それとは別。封印にみたいなものかな)

 封印ってなんでだよ

(やっぱりね、テルの魂の中にいても存在を維持するための魔力が足りないのよ。今までは、私が持っていた魔力を消費しながらお母さんからもらった魔力でやりくりしてたけど、私の持っている魔力が無くなりそうなの。無くなっちゃったら、もう存在を維持できない。消えちゃうの。だから自分を封印して、いつかアナタが魂を天に返す時までの間、眠ってようと思うのよ)

 そんな、魔力が足りないなら俺がいくらでも集めるよ

(無理だよ。これでも、一応女神だからね。スッゴイんだから魔力総量。)

 無理でもやるよ、教えてよ方法、あるんだろきっと

(ありがとね、でもいいのよ。言ったでしょ100年くらいどうってことないわ。神にとってはお昼寝みたいなものなんだよ)

 嫌だよ俺……フレイといたいよ………

(あら(はーと)初めてちゃんと、名前呼んでくれたね)

 そうだっけ?へへ、一緒だな

(大丈夫よ。テルなら一人でも母ちゃんを守れる。いい男になるわ。この大地と豊穣の女神ギャル神ことフレイが保証するわ)

 ふふ…自分でギャル神って認めてるじゃん

(慣れちゃったら、案外悪くないわ。……テル、最後にコレあげるわ)

 そういうと、突然目の前にフレイが現れた


 初めて会った時、夢で見ていたギャル教師の姿のまま

 褐色で健康美溢れる肌

 茶髪だけれども痛みの少ない長い髪を色違いのシュシュでハーフアップのツインテールにしている

 そして巨乳、ブラウスのボタンがはち切れそう

 美味しそう

 少しだらしないお腹に健康的な安産型の巨尻

 潰されたい

 それらをなんとかギリギリ、紺のスーツに押し込んでいる


 出てこれたんだぁ

(最後のとっておき、網膜に投影してるのそこに立ってるみたいでしょ)

 うん、すごくエロい

(な、あ、アンタ。最後の最後にもそんなこと言うのね)

 ハハ、スゲ〜綺麗だし、エロいよ

(もう、バカねぇ)

はにかむフレイ



 フレイはしゃがみ込んで俺にキスをした



(コレはサービス、この世界の知識が詰まっているわ。生きていくのに使ってね。……じゃあ、おやすみ)



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