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(おはようございます)
おはようございます
(今日は昨日の続きになります)
よろしくお願いします
(では、おさらいから。もう一度、自分の中の魔力を感知してもらいます。さぁ始めてください)
魔力を身体中に行き渡らせるイメージ
少し粘度がある水がお腹を中心に溜まっていく
腕脚頭手足爪の先まで一杯になって身体中から溢れそうだ
ゴムホースを想像して創造
溜める詰め込む、そして放つ!
〜〜〜そよよっ〜〜〜
出来た!
(ん。OKね。今度はその右手から左手に放つ魔力を、掌の間に維持してもらいます)
えーーー、難しそうだなー
(でしょうね〜。ま、やってみなさい)
右の掌から放出する魔力を維持するか‥
集中する
同じイメージで体内に魔力を溜める
そして放出
その放出した魔力を左手で受け止めず
体内の魔力と同じように、粘度が高い水が溜まっていくイメージをする
掌の間に魔力が溜まり始めた
お!できたんじゃない?
と思った時、魔力が霧散していく
掌からこぼれ落ちるように空気中に散らばっていく
んーやっぱり難しいな
(コツを教えてあげる。今、アナタは身体の中から外へ魔力を出しているイメージでしょ?)
うん。こうホースからピューって感じ
(そのピューの先にビーチボールとかをイメージして、そこに注ぎ込むの)
ビーチボールね
(イメージはなんでもいいわ。丸い物の方が維持しやすいけど、アナタが維持しやすいと思うならどんな形でもいいのよ)
ふーん、やってみる
水を注ぎ込むイメージで浮かんだのは金魚鉢だった
右の掌を下に向け、左の掌を上に向けてはさみ込むように金魚鉢を想像して創造する
手と手の間に金魚鉢を持っている
右手から注ぎ込むと少しずつ溜まっていく
もう溢れ出しそうな所で、左手の排水口へ吸い込んでいく
身体で濾過して、再度右手から注ぎ込む
(いいわよ。続けて)
魔力の純度が高まっていく、グングンと濃度が増し、身体の中の魔力も増えていっているようだ
右手から出る魔力は、最初は細い糸のようにか細い量だったが、いまでは蛇口を全開にしたように勢いよく流れ出ている
(想像した容れ物を次第に大きくしていくの。大きく大きく、自分の身体を覆うように大きくしていって)
言われた通り想像していく
徐々に赤ん坊の掌サイズの金魚鉢が大きくなり始める
ーー
ーーー
ーーーーー
やがて赤ん坊の自分の身体を大きく超える金魚鉢になり、魔力の中に身体が沈み込む
不快ではなく、心地よくて抵抗もない呼吸の出来る魔力の水の中に漂う
(そう、その状態を維持して。可能な限り)
ーーー
ーーーーーー
かなりの時間、金魚鉢の中で浮かんでいた
実際はベットの上で寝転がっているだけだったのだが
魔力的には赤ん坊としては異常な量
一般的な魔法使いから見ても充分な魔力で包まれていた
維持し続けていると、呼吸するように維持できるようになってきた
(もう大丈夫ね。そろそろオッパイだから休憩しましょうか)
あれ、この魔力どうしたら戻るの?
(そのままよ、アナタは何にも感じていなかったけど、いつもその状態だったのよ。魔力を纏ったんじゃないの。纏っていたことに気付いたの。言ったでしょ、魔力感知って)
そっか、そうなんだ
へーこれが俺の魔力なんだー
(そうなの、そして今までと違うことがひとつ、垂れ流していた魔力を留めることができるようになってるわ。纏っている魔力が身体の中に入ってきて、また出ていって循環しているでしょ。これで少しお母さんの負担が減ると思うわ)
確かに身体全体で魔力を循環させている
やったー。ありがとーギャル神さま
(感知の初歩から一気にできたけど、アンタ、才能あるかも。ってアナタの才能って何かしら?確かめてなかったわね)
そういや、そうだねー
ガチャ
あ、母ちゃんきた。オッパイタイムー。いえーい
「あら起きてたの、いつもおとなしくてお利口さんだわー」
(ま、オッパイタイム終わってからだね)
おーおーおっぱーーい
偉大なオッパーイ、大きいのも小っちゃいのも、ロケットもミサイルもー、全ては等しくーオッパイー♪
(なにその歌wアンタ本当に馬鹿ねw)
鼻歌を歌いながらオッパイにかぶりつく
うーん、母ちゃん今日も美味しいよ
「ご機嫌ねー。今日はオッパイ終わったら、ちょっとだけど散歩しよーねー」
ええ!外の世界なんて見たことないよ
行きたい行きたい
「ウンウン行きたいねー。いっぱいオッパイ飲んだら行こうねー。」
はーい。ゴクゴク、ングング
食後のゲップも上手に出来たぜ
口の周りもキレイに拭いてもらったし
さて、母ちゃん行こうか
外の世界へ!
「さてと、お外行こうか」
母ちゃんは俺を抱き抱え、もたつきながらも抱っこヒモでしっかりと俺の体を固定した
初めてみる外の世界
一体どんな世界なんだろ
期待と不安がまぜこぜになった感情が湧いてくる
(あんまり期待しないほうがいいわよー)
う、不安が強くなってきた
あの二人もこんな感じで、生きてんのかなー
匠と永田さんどうしてんだろうなー
久しぶりに二人のことを思い出す
しかし、すぐに外の世界への興味で塗りつぶされてしまった