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まどろみの中
次第に覚醒していく頭
どこかからか聞こえてくる炊事の音
いつも通りアイツが来るまで二度寝してよう
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ーーー
ー
ーーーおかしい
いつまでたってもアイツが来ない
スッカリ覚醒してしまったが体が動かない
ーー!!
俺、車に潰され・・
匠!永田さん!!
「・ゔぇーー、ああーーーーーーー」
声が出ない
声帯潰されたのか?
誰かいないのかよ、看護師さんどこだよ
周囲を見渡そうとするが首に力が入らない
体を起こすこともできない
眼球を必死に動かす
ボンヤリした視野で天井が見える
知らない天井だ…って言ってる場合じゃねー
人生で言ってみたいキーワード8位を思い浮かべ、少し落ち着いた
その途端、突然の睡魔
抵抗できずにズルズルと眠りに落ちていく
ーーー
ああ、夢の続きだ
すぐに理解してしまった
夢の続きを見ている、モヤモヤした景色なのに妙に清々しい
雲の上のような宇宙空間のような、重力を感じないけど自分が存在しているのが理解できる
「おーい、おきてる?」
声に振り返るとスーツを着た褐色が眩しいギャルが立っていた
そうそう、スッゲーナイスバデーで茶髪のギャル教師に説教されてた夢だった
そう気づくと高校の保健室のベットに腰掛けていた
正面には椅子に腰掛けるワガママボデー
タイトスカートから伸びる生脚がムッチリしてて大変結構でございます
「なんだか、視線がエロいね君。どんな風見えてるのかなぁ」
いいから説教の続きお願いします
「はぁ?説教?今んところ信者は募集してないのよ」
いやいやそうじゃなくてね、ホラ、着替え中に間違って更衣室に入ってきた俺をビンタ
そのあと放課後呼び出して、ビンタの跡が残る俺の頬にバンソーコーつけながら女の子の下着姿を見た罰なんだからって
「あー、なにその状況。なるほど、君の夢とリンクしてんのね。」
ジト目で俺を見ると、説教が始まる…
「しないよ。謝りに来たのに、説教するわけないじゃん」
なんだよ、しろよ、最後にビンタしてゴメンねってデレろよ。
「夢だと思って好き勝手いうね君。残念だけど夢の続きではありません。私は神です。」
モンスターなエンジンかよ
「なにそれ。とにかく謝りに来たの。巻き込んじゃってゴメンね。(^_−)−☆」
なにが?巻き込まれたって?……あれはあんたの仕業か!
フザケンナ!匠はどうなったんだよ!永田さんも!
「ハイハイそうそれ、事故転生に巻き込んじゃってゴメンなさい」
事故転生ってなんだよ
「ん〜。魂のトレード方法の一つ。知識と経験を残しつつ、魂に神の力を刻めるのよ。但し、元の世界には戻れない。だって死んでるんだもの。」
死んでるんだものじゃねー!死んだのか俺
「そうよー、死んじゃってます即死」
匠は?永田さんも!
「確実に転生できたわよ。バッチリ。」
サムズアップするギャル教師
「もともとあの2人を転生させて、バグ取りしてもらう予定だったし、魂のレベル高くて神の力もしっかりつけてあげれたわ。それで君が一緒にいたから巻き込まれたって訳。」
マジか、匠も永田さんも転生してるのか
「そうそう、タクミは地方領主の跡取り。ナガタサンは中央貴族の次女。」
そっか、生きてるんならいいや。全然よくねーけど。
「で、貴方なんだけど、普通転生に巻き込まれたってそのまま魂はリサイクルされて無くなっちゃうんだけど、なぜかあの2人の魂に引っ張られて転生しちゃったんだよね。実際に転生して魂が定着するまで気付かないとかw珍しいよ君w」
えっ俺消えちゃうとこだったん?童貞なのに?
「童貞とか関係ないから。まぁそれで、めんどいけど謝りに来た訳。」
関係あるわこのワガママボデーが!あと、めんどいってひどくない!
「ハイハイゴメンね。ワガママボデーって勝手に君が定着させてるだけで、実際は肉体なんてないからね。」
あ、ソウナンデスカ
「謝りついでに神の力を授けに来たの、特別選ばせてあげるよ」
神に力ってなんですか?超能力的な力?
「簡単にいうと才能よ。加護とかでもいいけど、称号とかが近いかな。短剣の才能、火魔法の才能、みたいな単一の才能もあれば、武術家の才能みたいに武術全般得意のような才能もあるわよ。実際授けてみないとどんな才能が発芽するかわかんないけどね。どーする?つけちゃう?」
つけないとどうなる?
「なんともならないわ、前世の知識は残ったままだけどコッチの世界の一般的住人と同じ平凡な体になるわ」
つけるとどうなる?
「大体の才能は身体能力は向上するし、魔力も上がるわ。マイナスな才能もあるけどね。脳筋とかだと魔力は減るけど身体能力はその分高くなるわ。」
つけます、お願いします。ちなみに俺の才能はどんな感じなの?
「つけてみないとわかんないって、私は大地とか豊潤とかの神だから多少は影響あるけどね。まぁあの二人みたいに勇者とか聖女とかの才能なんて無理だけどね」
ふーんって、なんだか凄そうだなその才能
「うん、すごいよー。成長したタクミに勝てる人間なんていないと思うよ。ナガタサンも聖女だからね、神の力を一部だけど使えるようになるかも。二人とも前世の段階で才能が発芽仕掛けてたから転生してもらったんだ。」
へーさすが匠だな、永田さんも。
「じゃあ、さっそく授けるね。お尻コッチに向けて〜力を抜いて〜、痛くしないからね〜」
えっなになに、なんなの
いやぁぁーーーーー