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「猿」

作者: 瑞樹

 「あいつらってやっぱ猿だよね、やっぱ年上の方がよくね?」


 「それなあ。なんであんなぎゃあぎゃあ騒げるんだろ、すっごい不思議」


 「それにさ、やってる事なんて見てみ? 超幼稚っていうかさー」


 と、すぐ後ろの席で話す声が聞こえた。猿という単語が、このクラスの男子―――ひいてはその他もろもろの同学年の男子―――を示していることはなんとなく察しがついた。後ろにいるのは、ネット界隈では「陰キャラ」と呼ばれる暗い印象の少女達である。


 周りに感化されない自分たちかっこいいとでも思っているのか、

 或いは、落ち付いて座って話をしている私達偉いとでも考えているのか、

 或いは、クラスメイトの少年たちがはしゃいでいるのを遠目で見て、客観的に人を見ているつもりになって見下しているのか。


 周りにとけこめもしない雑魚が一体何をぬかしているんだろう。クラスの人気者に陰口を叩くくらいしか能の無い連中は、どうやら集団になると強気になるらしい。結構なことだ。精々調子に乗っていればいいと思う。


 彼女らははしゃぐ少年たちを「猿」と呼んだ。ぎゃあぎゃあ騒ぐ猿、と。

 それならこそこそと陰口を叩く彼女らはなんなのか。同年代の少年が猿ならば、彼女らは雌猿、だろうか。

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