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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

伝えたい想い

作者: イシツブテ

なにかを書いてみよう、てことでSS風?に書いてみました。

延べ12時間、初めて書き上げた作品です。

拙い内容、技量ではありますが、最後まで読んでくださるとありがたいです。

俺「お前なんでここいんの?」

妹「うっさい、いまいいとこ黙ってて」

俺「…」

トゥーントゥーン

(そこBダッシュじゃなくて裏道があるんだけどな…)

テテンテテテテン

マ○オが死んだ

俺「なあ…ここ俺の部屋だよな?」

キッと睨みつけられる俺

俺悪くないよな?

妹「そうね」

俺「なんで俺の部屋で居座って○リオしてんの?」

妹「そんなの私の勝手でしょ」

テテンテテテテン

あっ、またマリ○が死んだ

俺「自分の部屋でやれよ」

妹「…」

あ、無視しやがった

俺「そんなんだから彼氏もできないんだろうなぁ〜」

テテンテテテテン

妹「〜///」

妹「うっさい!あんただっていないでしょ!童貞!」

顔を真っ赤にしながら、凄まじい剣幕で罵ってくる

妹「もういい!寝る!」

ガチャ

バン!

派手に音を立てて俺の部屋からいなくなる

俺「ヤレヤレだぜ…」

邪魔者がいなくなったところでようやくゲームを始めれる

さて、今日はどいつをぶっ潰してやるかな



チュンチュン

俺「…あー」

ゲームしてたらいつの間にか朝になってたようだ

着替えてリビングに向かうと既に妹が朝飯を用意していた

両親は海外に行っているため家事はほとんど妹に任せている

席に着いて妹と飯を食う

これだけはしっかりしろと親父に言われてるからな

しかし今日はいつにもまして不機嫌だ

妹は無表情だが、俺には分かる

(この目玉焼き…固めにしてやがる)

俺たちは2人とも半熟派だ

妹のを見るとしっかりと半熟になっている

つまりわざわざ2回焼いたのだ

姑息な手を…

まあ、固めだからとはいえ食えなくはない

俺は寛大だからな、大目に見てやろう…と醤油をかけたところで違和感に気付く…

俺「なん…だと…!!」

この黒い液体から滲み出る匂い

まさしくソース以外の何者でもなかった

妹が勝ち誇った顔をしている

ドヤ顔うぜぇ

我が家には飯を残すなという鉄の掟もある

俺「どういうことだこれは!」

妹「醤油切らしてて代わりにソース置いてたけど、なにか不満でも?」

確かに俺が持ってる醤油差しもといソース差しの側面にはソースと書いてある

俺のとる位置からは死角ではあったが…

俺「くっ…」

妹のにはおそらく醤油であると思われる液体がかかっている

明らかに確信犯ではあるが、反論ができない

大人しくソースをかけてしまった目玉焼きを食うことにした

覚えとけよと心の中で思いながら


飯を食い終わってニュースをつけると、議員が泣きながら会見しただの欧米の会社がハッキングを受けただのつまらない話ばっかりだ

妹「ねぇ」

俺「なんだ?」

妹「昨日夜遅くまでなにしてたの?」

ギクッ!?俺は自分の体温が急速に下がっていくのを感じた

まさかバレてないよな?

俺「なにって…その…ゲームだよ」

妹「ふーん」ジト目

俺「そ、そんなことより早く行かなきゃ遅刻しちまう」

まだ1時間ほど余裕はあるが俺はその場から逃げるように素早く家から出た

学校へ向かおうとすると同時に隣の家から俺と同じ制服の子が出てきた

名前を幼

小学校から一緒のまあ、腐れ縁ってやつだ

幼「あっ…」

幼は俺を見て目を丸くしてる

俺「よう」

幼「俺くん久しぶり…」

俺「ん?ああ、今日は夏休み明けだからな」

幼「えっと…もう大丈夫…なん…だよね?」

俺「?」

幼「えっと…なんでもないよ。早く学校にいこ」

俺「そうだな」

2学期初日から校長の長い話を聞かされる身にもなれよと思いながら集会を終え教室に戻る。

その間にもしばらく見なかったやつらに声をかけていった

みんながみんなよそよそしい感じがしたのが気になったが、そんなこんなで四限目のチャイムが鳴った

俺「さて、飯食いますかと」

担任「俺!あとで相談室に来い」

(うへぇ…俺なにかやらかしたっけ?)


担任「俺、よく学校に来てくれたな。このまま来ないのかと心配したぞ」

俺「まあ、夏休み終わりましたしね…」

担任「だが、難しいのは最初の1歩だからな。今後は大丈夫そうだな」

俺「はぁ…」

担任「なにかあればいつでも相談にのるからな」

俺「はい」

よくわからないがここは適当に返事をしとこう


話が終わり飯を食おうと席に戻る。カバンから弁当を取り出す。

チラッと周りを見るとみんな誰かしらと飯を食っている最中だ。

(あれ?俺こんな人気なかったっけ?ちょっとショック…(T . T))

なんて思ってたなか、自分の席でこっちをみている幼に気付いた。

心なしか悲しそうな表情をしている気がする

俺「おー…」

声をかけようとしたそのとき、

教室のドア付近に人影を感じた

妹「バカ兄貴ちょっと来なさい!」

!?

俺は弁当を置くのも忘れて急いで妹に近寄りひそひそ声で話しかける。

俺「ちょっ、おまっ、なんでここいんだよ。お前1年だろ」

妹「なんだっていいでしょ。私の勝手よ」

俺「だから、声を抑えろ。みんな見てるぞ」

チラッみんなの方を見る。

みんな( ・д・ ポカーン…と不思議そうに俺たちを見てる。

妹「いいから、こっち来なさい」

俺「えっ…ちょっ…」

俺は半ば引きずられるようにして屋上まで連れてかれた。


普段屋上は鍵がかかっているのだが、この日に限ってなぜか開いていた。

滅多に見れない屋上の様子を見ながら、話しかける

俺「なんで屋上に鍵かかってないんだろうな。なんか知ってるか?」

妹「…」

俺「えーっと…なんでここまで連れてきたんだ?」

妹「…」

オイオイ…ガン無視かよ…

そのうち妹は持ってきてた弁当を取り出し勝手に食い始めた。

流石になんの意図もなく連れ出すことはないだろうと思い、俺も渋々弁当を取り出し食い始める。

家事全般を妹に任せてるため、もちろんこの弁当も妹が作ったものである。うん、うめぇ

身内贔屓なしでうまいと思う。

俺「いつも思うが、妹の作る料理はうめえな。将来は料理人になったらどうだ?」

妹「…」

妹「…いつまで…引きずるつもり…なの?」

少し表情を曇らせながら妹は聞いてきた。

俺「?引きずるって…なにを?」

妹「だから…その…」

キーンコーンカーンコーン

昼休みが終わるチャイムだ。

俺「で、なんだって?」

妹「なんでもない!バカッ!」

そういって妹は足早に降りてった。

俺「結局なにが聞きたかったんだ?あいつは…」

ふと我に返った俺は急いで教室に戻った。


キーンコーンカーンコーン

俺「ふうっ…今日の授業はこれで終わりだな」

とそのとき幼が、荷物を持って外に出るところが見えた。

急いで帰る用意を済ませ、幼に追いつくべく急いで階段を下りる


タッタッタッ

!?

キャッ!!

急いでいたため上がってくる女の子とぶつかりそうになった。

俺「わ、悪い!大丈夫か」

妹「大丈夫…ってお兄ちゃん?」

俺「なんだ妹か。ごめんな」

妹「別にいいけど…って、そんなに急いでどこに行くのよ」

俺「幼に追いつかなきゃいけないんだ。じゃあな」

妹「あ、ちょっと…」

呼び止めようとするがさっきまで兄がいた空間にはもう誰もいない

妹「…バカッ…」


ハアッ!ハアッ!ハアッ!

学校からしばらく離れてようやく幼の後ろ姿が見えてきた。

(あいつあんな歩くの早かったっけ?)

俺「おーい幼ー!!」

幼「俺くん…」

俺「ふうっ…一緒に帰ろうぜ」

幼「…うん…」


しばらく無言で歩き続ける二人

(あれ?幼と話す時いつもどうしてたっけ?)

そうこうしてるうちに幼の家の前まで来てしまった

俺「なあ、幼」

幼「どうしたの俺くん」

俺「えーっと…」

幼「?」

頭の上に?マークを出しながら幼はこっちをみてる。

俺「その…久しぶりだな。こうやって一緒に帰るの」

幼「ふふふ…」

俺「?」


幼「それ私が朝に言ったことと同じだなぁって思って」

今日初めて幼の笑顔を見た気がする。

俺「ハハッ、そうだったな。最後に帰ったのはいつだったかな?」

幼「…」

幼が急に立ち止まる

俺「?」

幼「あのね…俺くん」

幼「今から俺くんの家に行っていいかな?」

俺「えっ…別にいいけど」

幼「ふふふ…ありがとう。それじゃあ荷物置いたらすぐ行くね」

俺「おう」


俺は家に帰り自分の部屋に上がる

俺「!?」

俺の部屋では妹がベッドに横になりながら何かを読んでいた

俺「お前帰ってくるの早いな」

妹「ヒャッ!」

俺「なんだよ急に変な声出して…」

妹は何かを隠すように両手を後ろに隠している

どうやら非常にまずいものらしいな。

顔が真っ赤になってるからすぐわかるぜ。

俺「ところでその後ろに隠しているものはなんだ?」

妹「え!?ナ、ナニモカクシテナイヨ」

そういいながら俺を正面に向いたままドアの方へ近づく妹

俺「あっ」

妹は横歩きでしかも顔をこちらに向けている。必然的に足元がお留守になる。そしてその足元にさっき置いたばかりのバックがあることに気付いた瞬間

妹はバックにつまずきその反動で後ろに隠していた本が投げ出される。

俺「くぁwせdrftgyふじこlp」

俺は目にも止まらぬ速さでそれを

取り素早く後ろに隠す。

俺「なんでこれをお前が…」

さっきまでと逆の状況になっていた。

妹「〜///」

妹「こんな本読んで興奮するなんて最低!変態!ケダモノ!」

なぜか顔を真っ赤にさせながら手辺り次第ものを投げられる始末

泣きたいのは俺の方だぜ

ピンポーン

俺「やべっ!幼が来るんだった」

本をとりあえず机にしまい玄関に向かう


ガチャ

ドアを開けると幼が立っていた。

制服は着替えたらしく、私服姿であった。

俺「…」

幼「?どうしたの?」

俺「ああ、悪い。ちょっと見惚れてて…着替えたんだな」

幼「…うん」

俺「これがホントの至福の時ってな」

幼「ふふふ…」

俺「入って、どうぞ」

幼「お邪魔します」

幼を家に呼ぶのいつ以来だっけ?

リビングまで案内すると、

幼「あの…俺くんの部屋に行ってもいいかな?」

俺は一瞬ドキッとしたが

俺「あ、ああ、いいぜ」

なんとか答えることができた。若干声は震えていたが。

俺の部屋に入ると、妹が部屋の隅っこで体育座りしながらこちらを睨んでいる。

俺「あのさぁ…」

自分の部屋に戻れよという前に俺は机の上に置いておる本に気付いた。

!?

まさしく机の中にしまった例のブツそのものだった。

俺「あーっとっと」

なんてマヌケな声を出しながら机に近寄り幼から例のブツを死角にする。

俺「ま、まあ、そこらへんに座ってくれ。(震え声)」

幼「ふふふ…そんなに慌てなくても、ベッドの下に隠していた巨乳お姉さん特集の本ぐらい分かってるよ」

俺「…」

(な、なな、なんで本の存在から隠し場所まで知ってんの?)

幼「それと引き出しの裏側にある超絶マル秘テクニックっていう本も…」

やめて!俺のライフは0よ!

俺「はわわわ、お、俺お茶いれてくるから適当にくつろいでてくれ」

穴があったら入りたいレベルで恥ずかしかった俺は適当な言い訳をして部屋から離脱する

(冷静に考えたらあの2人を俺の部屋に野放しにするべきじゃなかったな)

まあ、仲が悪いわけじゃない(多分)から大丈夫だろうと俺は幼の分のお茶を注ぎ、俺の部屋に戻った。


ガチャ

ダッダッダ

俺が部屋のドアを開けると同時に妹が走って出てくる。すれ違う刹那、妹が泣いていたように感じた。

俺「おい…」

タッタッタッガチャ、バタン

あの様子だと外まで走り去ったようだ。

一体何があったのだろう。

俺「なあ、幼、なにがあったんだ?」

幼「…」

幼は呆然としている。が、一瞬にしてなにかを覚悟した表情になり、

幼「俺くんに…話したいことがあるの」


俺「なんだよ急に改まって…」

幼「あの日…返事を言ってなかったから、それを伝えに来たの」

あの日…

なんだろう…心の中がモヤモヤする。薄い霧のカーテンがなにかを隠しているように記憶の中に立ちふさがる。

幼「あの日私は嬉しかった。俺くんがデートに誘ってくれて…遊園地回ったり、一緒にお昼してくれたり…」

そうだ、俺は幼を遊びに誘ったことがある。ある目的のために…

幼「帰り際に…その…好きって告白してくれたことも…」

そうか、俺は幼に好きだって告白したんだったな…

…あれ?

なんで、思い出せないのだろう…

幼「あの時はすぐには返事できなかったけど、今なら、言える…よ。」

その瞬間俺は嫌な予感がした。

同時に衝動的に幼の体を抱きしめた。なぜかはわからないが幼を離したくない。その気持ちでいっぱいだった。

幼「私も俺くんのことが…好き…だよ…。俺くんに幸せになってほしい。だから…」

その先を聞いてはいけない。そんな気がした。しかし、耳元で囁く幼の声を聞かずにはいられなかった。

幼「だから、私を忘れて…」

その瞬間、俺は全てを思い出した。



その日は暑い日だった。まだ7月だというのに気温は30度を超え、うだるような熱気と湿度が夏の猛暑を予感させる、そんな日だった。

俺は無様に寝坊してしまった。

いつもなら寝坊したら妹が起こしに来るのだが今日に限って久しぶりに帰ってきた両親と旅行に行っている。

俺「ちくしょう、待ち合わせの時間より30分も遅れてしまった。」

急いで待ち合わせ場所に向かう。

家が隣なのだからどちらかの家に行けばいいだろう常考、なんていう正論はごもっともである。

しかし、デートに誘った以上待ち合わせ場所で「待った?」「ううん、今来たところ」なんてやり取りをしたいと思うのは至極当然、もちろん待ち合わせ時間の1時間前にスタンバり30分前に幼が来るという想定でだ。

家の隣まで一緒に行き帰りをするのとはまた違った新鮮味があるのである。

その結果がこれだよ!

ハッ!ハッ!ハッ!

駅前の待ち合わせ場所に着く。

周りを見渡すが幼の姿が見当たらない。

(そりゃそうだよな…自分から誘っておいてこのざまだ…)

俺が泣きそうになっていると、

突然俺の視界が真っ暗になる

?「だーれだ?」

俺「えっ!?」

俺が振り向くと天使がそこにいた

天使「ふふふ…」

俺「悪いな幼。待たせちまって」

幼「ううん、私も今来たところだから」

チラッと首筋に汗が流れるのが見えた。

(どう見ても今来たように見えないが、俺のことをフォローしてくれてるんだろうな)

俺「じゃ、じゃあ行こうか」

幼の優しさに感謝しつつ、俺は最終目標を達成するために気を引き締めるのであった。


遊園地に着きあっという間に時間が過ぎていった。楽しい時間ほど短く感じるんだなと実感したのは閉園の放送が流れている5時少し前のことであった。

俺「楽しかったな」

幼「うん、今日はすっごく楽しかったよ」

俺「幼が楽しんでくれたら何よりだよ」

幼「ふふふ…私、幸せだなぁ…」幼のとびきりの笑顔を見た瞬間、ドキッとすると同時に、本来の目的も思い出す。

俺「あのさ…俺…幼に伝えたいことがあるんだ…」

幼「どうしたの?」

俺「俺…幼のことが好きだ。だから、俺と付き合ってくれ」

幼「えっ…!?」

幼は一瞬喜びに満ちたような顔をした、しかし、少し考えると困ったような顔をした。

幼「えっと…俺くんの気持ちは嬉しいよ。でも、妹ちゃんのこともあるし…」

俺「?妹のことか?大丈夫だあいつはお前に悪さするような奴じゃない」

幼「そういうこととは少し違うんだけど…」

…しばらく考えた後

幼「…1日…だけ考えさせて」

俺「ああ、分かった。」

そういって俺たちは駅前で別れた。

その時の幼は考えるのに夢中になっていた。周囲への注意が散漫になっていたのだろう。

俺と別れた直後の交差点で信号無視してきたトラックに撥ねられた。

病院に運ばれた幼の遺体の側で何度も泣いた。何度も後悔した。俺が家まで送っていけば、俺が告白しなければ、俺がデートに誘わなければ、俺が幼を好きにならなければ…


ハッ!

目の前に妹の顔がある。

妹「わっ!ちょっ!」

突然慌てだす妹

なにやってんだこいつは…

どうやら俺は床の上で気を失っていたようだ

少しして落ち着いた妹が話しかけてきた

妹「それで…ちゃんと話をしたの…?」

俺「ああ、全部思い出したよ…」

俺「ちょっと、一人にさせてくれないか」

妹は何も言わずに俺の部屋から出ていった。

ベッドに横になる俺

そして、もう何度目か分からない涙を流した。


妹「ずるいよ…幼ちゃん…」

兄の部屋のドアにもたれかかりながら、妹は一人呟いた。



幼「私を忘れて…」

俺「忘れられる訳ねえだろ」

天井見ながら呟いてみる。

外は激しい雨が降っている

時計をみると、もう、朝になっていた。

ドンドンドンドン

妹「バカ兄貴!早く起きなさい!遅刻しちゃうよ!」

俺「…」

妹「ちょっと!いい加減にして!」

俺「うるせーよ!」

妹「私がうるさくてもあんたは学校に行かなきゃダメでしょ」

俺「ほっといてくれ!」

妹「そういうわけにはいかないでしょ!いつまで幼ちゃんのことを引きずるの!男ならクヨクヨしてないで…」

俺「お前に俺の気持ちがわかるのか!好きだった人がいなくなる悲しさが!なにも分からないくせに知った風な口を聞くな!」

妹「ッ…」

妹が息を呑むのがわかる。

正しいのは妹だって頭では分かってる。でも俺は自分のやり場のないこの気持ちを誰かにぶつけたかった。

妹「…わたしだって…」

妹「わたしだって幼ちゃんがいなくなって寂しい。悲しいんだよ!

それに、好きな人が悲しんでる姿だって…見たくないよ!」

妹「それでも!………ッ」

階段を下る音がする

泣きそうになったのだとドア越しでも分かった。

妹は人前で泣いたことはない。

いや、あるのかもしれないが、少なくとも俺は見たことがない。

でも、妹は優しい奴だ。俺の気持ちも知った上であんなこと言ったのだろう。

そんな強くて優しい妹を泣かせてしまった俺は兄貴失格だ


リビングに降りると妹の姿はなく

ラッピングされた夕飯らしきものがテーブルに置かれていた。

(後で謝らなくちゃな…)

冷えた飯を食いながらそう思った。


登校する頃には曇ってはいたが、雨は上がっていた。

幼の家の前に立ち止まる

もう、ここから幼が出てくることはないのだろう…。

そう思った瞬間また涙が溢れそうになったが、懸命に堪えた

そして、

俺「行ってきます幼」

振り向きざまにそう言うと俺は幼の家に背を向け走りだす。



案の定幼の席は空席のままだった。

みんなは俺に気を遣って優しくしてくれた。

だが、やはり一緒に食事をするのは空気が悪くなるだろうと考え、昼休みにこっそり教室を抜け出した

行くアテもなかったので屋上へと向かう

まさか…な

ガチャ

マジかよ…

屋上側から鍵を開けることはできるが、校舎側からは鍵がないと開けれないはずなのだが…

(この学校のセキュリティおかしくね?)

屋上に上がると日が差しているおかげか今朝の雨による水たまりはもう乾いていた。

(まあ、ぼっち飯の居場所ができてラッキー)

弁当を食い終わり、空を見上げる

妹にどうやって謝ろうかな…

朝からずっとそんなことばっかり考えてる気がする

そうしてるうちに眠くなってきた。

完全に眠りに落ちる瞬間、隣で誰か笑ってるような気がした。


キーンコーンカーンコーン

チャイムで目を覚ました俺は昼休みが終わっていることに気付く。慌てて屋上から教室へと向かう。

その後ろ姿を見送る一つの影…

?「全く…あわてんぼうさんなんだから…」


キーンコーンカーンコーン

俺「さて、どうしたものか…」

放課後、俺は屋上の扉の前でにらめっこをしていた。

昼休みには開いていたドアが、今は閉まっているのだ。

というのも昼休みに慌てていたせいで弁当箱を屋上に忘れてしまったのだ。

(うーん…鍵をもらおうにもその前に屋上に入ったことがバレるし…また明日屋上が開いてるかもしれないからそのときとるか)

俺は帰宅することにした。


俺「ただいまー」

家に帰ると妹が弁当箱を洗っていた。

妹「あっ…おかえり」

小声で言ってるのは朝のことを気にしてるからだろう。

弁当箱を洗い終え、俺の方へ近寄ってくる

妹「学校…行ってくれたんだね」

俺「ああ、あと今朝は悪かった。妹がいうことは正しいし、間違っていたのは俺の方なんだ」

俺「そして、ありがとうな。こんな俺のために元気付けてくれて」

妹「べ、別にあんたのために言ったんじゃないんだからね!」

顔を真っ赤にして言う妹

(ツンデレ乙、全く可愛い妹だぜ)

俺「もう、幼のことでクヨクヨしない…妹のおかげで、立ち直ることができたんだ。だから、その…これから先も、ずっと支えててくれよな」

そんな事をいう俺の顔は真っ赤なんだろう。

しかし、

妹の顔は俺の予想とは裏腹に悲しそうな顔をしていた。

妹「私も…話したい事があるの」


妹「あのときね…私幼ちゃんと話をしたんだ」

俺「ああ」

あの時とは俺が幼のお茶を注ぎにいったときだろう


幼「私…俺くんにちゃんと好きって伝えようと思うの」


妹「幼ちゃんは言ってた。死んだはずの私がなんでここにいるのかなって」

俺は黙って頷く


幼「それはきっと未練があったからだと思うの。好きな人に好きって伝えれないままじゃ、死にきれないよね。妹ちゃんもそうでしょう?」


俺は妹から幼の言葉を聞くたびに泣きそうなった。

それはまだ、幼に対しての気持ちの整理ができてないからだろう。

それと同時に自分の中でまとまらなかった記憶が当てはまっていくのでもあった。


幼「きっと俺くんは“全て”を思い出したら自分を保てなくなると思うの。」


妹「でも、私たちには時間がない」


幼「きっと私は今日中には消えてしまう…。だから…妹ちゃんお願いがあるの…」


妹「私のことでショックを受ける俺くんを支えてあげて、それと妹ちゃんの本当の気持ちを伝えてあげて…」


俺の目には自然と涙が溢れていた

今この場で幼の事を言った妹の意図と少しずつ蘇ってくる記憶が繋がりかけていたからだ。


妹「私ね…幼ちゃんがズルいって思ったよ。羨ましいって思ったよ。兄貴から好きって告白されて、これから兄貴に好きって言いにいくってことだからね。」


あの日…あの幼に告白した日


妹「でも違うの、今なら分かるきがする。幼ちゃんは自分がその日消えるのを分かってた。だから…私に…ッ…託したんだって…」


あの日幼と同じ時間に


妹「私もね…もう時間がないことが分かるの。本当はずっと兄貴のそばにいたい。兄貴を支えたい。兄貴と……一緒に……生きていだがっだ…」


遠くの異国の地で


妹「でもね…もう、お別れだよ。」

妹は泣きながらも笑顔を見せた

俺は妹を抱きしめた

涙と鼻水でくしゃくしゃになりながらも、強く強く抱きしめた。

どうにもならない現実がそこにあった


俺「イヤだ!俺を1人にしないでくれ!」

妹「私と幼ちゃんの分も…強く…生きてね…」


嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ


妹「大好きだよ。お兄ちゃん」


妹も死んだのだと


俺「ゔあ"あ"あ"あ"あ"!!!」



ニュース

「先日欧米の航空会社がハッキングを受けた事件について、流出した情報の中に航空機の欠陥と思われる情報が発見されており、現地警察は詳しい解析を続けている模様。なお、問題となった航空機は7月に起きた事故の機体にも使われており、当時搭乗していた(俺名字)親子3名のご冥福のためにも一刻も早く事故の原因の究明が望まれます…」



キーンコーンカーンコーン

午前の授業が終わり、昼休みにはいる。

友1「おーい俺!みんなと一緒に食おうぜ」

俺「わりい!今日はちょっと行くところがある」

友2「了解した」

友3「あいつどこ行くんだ?」

友4「また屋上じゃね?なんで開くはずのない屋上行くのかはわかんねえが」

あの日以来度々屋上に行くが、再び開くことはなかった。


でも、もしかしたら開いてるかもしれない。

もし開いてたらあの二人に会えるかもしれない。そしたら今度は俺の話を聞いてもらおう。

こんなにも幸せなんだって…


そんな期待を胸に俺は屋上の扉を開ける


いかがだったでしょうか?

書いてるうちに、これ書きたかったものと違くね?とは思いながらも本能の赴くままに書き続けました。

俺くんは最後に屋上の扉を開けます。

開けるんです。(大事なこ略)

読み返して、全体的なボリューム不足、蛇足的な部分、駆け足な展開など、反省する点はたくさんありますが、少しでも楽しんでもらえれたら、幸いです。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 名前呼ぶとき「俺くん」とか、「妹」などでは少し訳がわからないので名前を付けた方がいいと思いました。(o^^)b [一言] 話の内容は面白かったと思います。が、やはり名前は大事だと思うの…
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