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第1話「私達が魔法少女!?最強の魔法少女?ウィッチ☆プリンセス誕生」

第1話

ーージリリリーー


「ん~、ふぁ~…」


目覚ましの音で目を覚まして、まだ眠い目を擦る。


「ふわぁ~今何時ぃ~…」


まだもうちょっと寝ていたい欲望を振り切って私は枕元にある目覚まし時計をチラリと見た。


「もう7時かぁ~。そろそろ起きないとね」


一緒に抱いて寝ていた、やさぐれウサギのぬいぐるみを枕元にそっと置いてから、起き上がり大きく伸びをした。


「ん~、今日もいい天気だし、お洗濯とお掃除頑張らないとね」


カーテンから差し込む光が眩しくて、ぼんやりしていた頭がハッキリしてきたみたい。

気合いを入れるように勢いよく立ち上がって、服を着替える。


今日は土曜日で学校はお休みだけど、私は早起きして、おねいのお弁当作りのお手伝い(と言っても包丁はまだ持たせて貰えないから、おにぎりを握るだけなんだけど…)をしているの。


着替えをすました後先に洗面所で歯を磨いて、顔を洗ってから、元気よくおねいと隼人に挨拶をする。


「おはよー!」


「あ、みっちゃん、おはよう。今日はお休みなんだから、もう少しゆっくり寝てたらいいのに」


ちょうど朝ご飯を食べ終わったところみたいで、エプロン姿のおねいが、二人分の食器を片付けていたところだったの。


「だって、お弁当のおにぎり握らないとダメなんだから、ゆっくり寝てなんてられないわよ」


「うん、おかずはもう詰めてあるから、後のおにぎりはみっちゃんお願いね?」


後もう少しで二人とも仕事に行かないといけないというのに相変わらずおねいはマイペースにニコニコしながら、朝ご飯の後片付けをしてるし、隼人は隼人で呑気に珈琲を飲みながら新聞を読んでる。


「もうおねいってば!後の片付けは私がしておくから仕事に行く準備しておいた方がいいわよ!」


もう私だって大分家事を一人で出来るようになったんだから、おねいがいなくて大丈夫だもん!

私は半分意地になって、そう言ったの。

おねいは少し心配そうな顔で私を見た後に笑顔で頷いてくれた。


「分かった。じゃあ後の片付けはみっちゃんに任せるね。じゃあ私は準備してくるね」


と言いつつ、特に慌てた様子もなく自分の部屋に向かった。


全く…おねいはマイペースすぎるんだからっ。


おねいは私とは正反対の性格で凄くマイペースで、かなりののんびり屋なの。

今高校一年生なんだけど、家計を助けるために週に5日間近くの喫茶店でアルバイトしているの。


その喫茶店のマスターの"おやっさん"が隼人の昔からの知り合いらしくて、それでおねいが紹介してもらったみたいなんだけど…ここの制服がメイドさんみたいにフリフリで凄く可愛いの!


私もいつか着てみたいなぁ…なんて思ってたり…えへへ。


でもね、毎日の学校だけでも大変なのにおねいは文句や愚痴の一つも言わずに、いつも笑顔で家の家事やお料理もしてくれるの。


だから私も少しでもおねいの役に立ちたくて、おねいが仕事を行っている間は洗濯やお掃除をしてるんだけど…、正直悔しいけど、おねいにはまだまだ敵わないなぁ。


早く一人前になって、その…隼人にお弁当を作ってあげたいなぁ…なんて。


私は少し上目遣いでチラリと隼人を見る。


もうすぐ仕事に行く時間だと言うのにまだ呑気に煙草を吸ってっる。

どうしてこう、おねいも隼人もマイペースなんだろ…。


私の視線に気付いた隼人が前髪の隙間から私を見下ろすように

見てきた。


あわわっ、目が合っちゃった!


私は恥ずかしくて、つい目を反らしてしまう。


「な、何ゆっくりしてるのよ?もうすぐ仕事に行く時間なんだから、早く準備しないとダメじゃないっ!」


すると隼人はさも面倒くさそうに煙草を揉み消して、「ああ、そうだな…」と呟くと、大きくてごわごわした手で私の髪をぐしゃぐしゃしてきた。


「休みの日くらい寝てろ。それに宿題もあるだろ」


もう、隼人ってば、また子供扱いして!それは宿題もちょっとあるけど…でも今日は愛美と一緒に宿題をするから大丈夫だもん!


「しゅ、宿題くらいすぐに終るから大丈夫よ!」


プイッと隼人から背を向けて、おにぎりを作る準備をする。


後ろで隼人が立ち上がる気配がする。ようやく仕事に行く準備

をする気になったみたい。


隼人って、凄くぶっきらぼうで無口で、それに目付きも悪いし…最初はね、凄く怖かったんだ。


何を言っても「ああ」とか「そうだな」しか言わないし、凄く怖くて苦手で避けてたの。


でもパパも昔に亡くなって、ママもいなくなって、身寄りのない私とおねいを引き取るって言ってくれた時は凄く嬉しくて、本当は優しい人なんだって思ったんだ…。


ただちょっとぶっきらぼうで人とお話するのが苦手なだけなんだよね。


それに誕生日に隼人に貰ったやさぐれウサギのぬいぐるみは何より大事な宝物なの。


いつも私達のために仕事を頑張ってくれてる、そんな隼人のためにおにぎりを握ってあげる事が私の日課なの。


まだおねいみたいに綺麗には握れないけどね…。


それに隼人ってば、今みたいによく私を子供扱いするのよ!

それは隼人から見たら私はまだまだ子供だけど…。

だから隼人に子供扱いされないように早く大きくなりたいんだ…。





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