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新時代の最強英雄 ~支配されていた監禁令嬢、伝説の魔法〈秘奥義〉で無双する~  作者: 雪柳 澄
1章 監禁魔法からの脱走。

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第05話 監禁魔法の解除を目指せ!

「ハァっ、ハァっ……」


 部屋いっぱいに広がった監禁魔法の青の光が収まった後。


 アンチ魔法を力を出し尽くすように発動したレクセイナは、荒く息を繰り返しながら崩れるように床へ尻もちをついた。


 ドクドクと、心臓がうるさく脈打っていた。


 あまりにも精一杯で、若干キャパオーバーしていた脳を動かして、視界に入る情報を整理する。


 座り込んだ床には、先ほどまで存在していた魔法陣の魔術文字は見当たらない。魔法陣の気配は消えていた。


「や、やったっ……!!!」


 私の自由への道を塞いでいた、憎き監禁魔法の存在が消えている。


「監禁魔法の解除に成功したぞっ! とうとう成し遂げた!」


 勢いよくガッツポーズを決める。


 とうとうやったのだ。


 制限だらけ。監視ばかりで自由がない私の人生。


 自分の思い通りには出来ず、親の人生みたいな生活から、これで少しは抜け出せる……! 私が知らない外の世界へ、冒険をするのだ!


「よっしゃぁあああああ!」


 部屋中に響き渡る大声をあげながら、立ち上がった私は喜びを噛みしめる。


「待ってろよっ! 外世界。私が大攻略してやる!」


 片手を腰に当てながら、窓の外に向かって人差し指を突き出す。


 さぁ! 大冒険を始めようじゃないか!!




 ***




「うわぁ……ぁ! すっごーーい!!」


 レファレン公爵領・中心都市。


 王都にほど近い場所に位置する、私の家が治めている中央都市は、経済が活発で交易も盛んに行われていると聞いていた。


 馬車によって巻き上がる、乾いた土の香り。


 通りの至るところから聞こえてくる露天の客引きの声に、向こうから響いてくる誰かの大きな笑い声。


 肩が擦れそうなぐらいに多くの人々が、大通りを行き交っている。


 道のド真ん中で突っ立っているレクセイナを、脇を通りすがる人々が迷惑そうにチラリと見るが、レクセイナがその視線を気にすることはない。


 とにかく、始めての外世界に圧巻されていた。


「凄い。本当に、こんな世界が広がっていたんだ……」


 目に入る全ての物が、初めてだ。


 胸の高鳴りを感じる。外の世界に来れて、凄く嬉しい。監禁魔法を頑張って解除した甲斐が、本当にあった。


 私が普段過ごしている屋敷は、この都市の本当に中央。


 通りから仰ぎ見た時に真っ先に目に入る、城みたいな外観をした豪華絢爛な建物群が私の家だ。


 おかげで、お父様とお母様が屋敷に不在な時間を見計らって、外に抜け出して市井にやって来るのも大変ではなかった。


 部屋に私が居ない間は、侍女のレリアが誤魔化しておいてくれる。


 城のような外観をしている大きな屋敷には、数え切れない程の召し使いがいるが、お父様とお母様の命令に逆らって、私の為だけに動いてくれるのはレニア1人だけ。


 だから、都市をこうして出歩くのは初めてだが、召し使いを連れてくることはしなかった。


 本当に私1人だけ。

 好きな場所へ自由に行くことができる!


 解放された心は、これまでに感じたことの無いくらいに軽かった。


「冒険、冒険~!」


 さすがに公爵令嬢として着ている淡いピンクのドレスは、街では目立ってしまう。レリアに街でも浮かない服を、こっそり用意してもらっていた。


 動きやすい上下服を着ているレクセイナは、レリアから勧められた通りに、大通りを探索してみる。


「凄い、色んなお店があるんだなぁ~」


「そこのお嬢ちゃん! 良かったら、野菜を買っていかないか。安くしとくぞ」


 通りに並んでいる露天の商品を見ながら歩いていると、客引きしていた店主に声をかけられる。


「いえ、大丈夫です! 買っていっても困っちゃう」


 お金は少し持ってきているが、キャベツやトマトを買っていったところで、私が料理をすることはない。専属シェフが、いつも作ってくれる。


 手を軽く振りながら、店主の誘いを躱して、レクセイナは大通りを歩いていく。


 母親と手を繋いで、楽しそうに歩く幼い男の子。


 大通りで買ったと思われる品物を手にしながら、露天の店主と楽しそうに世間話に花を咲かせる大人たち。


 ――――そして、冒険者パーティーの一団。


「カッコいい……」


 自然とウットリした声が、自分の口から零れる。


 これ程近くで冒険者を見るのは初めてだ。宮殿で国王に呼ばれた冒険者を遠目に見たことはあったが、近づくことは許されていなかった。


 大通りの人混みのなかでも、冒険者には存在感があった。


 大きな斧を背負っている数々の古傷が腕にある冒険者の人もいれば、隣には露出の高い服に、太股には大量の短剣を差した女の人もいる。



 気がつけば、彼らの後ろを追っていた。


 冒険者は、最も賑やかな大通りエリアから少し城壁に近い通りまで歩いて行く。そして、1つの建物の中へと入っていった。


 その入り口に吊り下げられた4本の剣と盾で構成されたマークを見て、レクセイナは目を輝かせる。


「冒険者ギルド!」


 屋敷にある本の物語に、登場してきた施設っ!


 この目で、いつか見てみたかったのだ。

 こんなにも早く、願いが叶うなんて……!



 冒険者たちが依頼や情報収集を行う場所。そして、ギルドでは冒険者カードが手に入るらしい。


 冒険者カードは、いくらで売っているのだろうか。少ししかお金は持ってきていないが、足りるだろうか?


 でも、ギルドの中だけでも観光してみたい!


 建物の中に入っていった冒険者を追いかけるような形で、私も扉を開けて冒険者ギルドの中に入っていった。

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