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新時代の最強英雄 ~支配されていた監禁令嬢、伝説の魔法〈秘奥義〉で無双する~  作者: 雪柳 澄
1章 監禁魔法からの脱走。

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第12話 爆買い

「これは……。どこかのお貴族様で、お嬢様かな……。それも高位の」


「ええ、オルデン。私もそう思います」


 500万パトルニアという大金をアッサリと払ったレクセイナが、ロングソードに合うベルトを店主と一緒に店の奥へ探しに行っている。


 レクセイナに聞こえないように、オルデンとベルは未だに呆然とした余韻を引きずりながらコソコソと2人で話し合う。


 武器屋に来る道中、レクセイナは自分が遠い田舎の村からやってきたとオルデンとベルに言っていた。


 だが、ただの村人が大金を持っているはずがない。本当にレクセイナがただの村人だったら、逆立ちをしてギルドの建物を一周してもいい。


「私は酒場の建物一周に、賭けますよ」


「俺もレクセイナが貴族だと思っているんだ。賭けにならないだろ」


 真面目に賭けを始めようとしているベルに、思わずオルデンは突っ込みを入れる。


 そんなことを小声でやり取りしていると、レクセイナと店主が楽しそうに会話しながら戻ってくる。


 ロングソードは質素な茶色の鞘に入れられて、数本の茶色の紐を腰に巻き付けることで剣を固定するタイプのベルトだ。


「オルデン、ベル、ありがとう御座います。お陰で、とても良い剣が買えました。大切にします」


 腰にロングソードを差したことで、オルデンの目からもレクセイナが少し冒険者っぽい見た目になった。


「良い品が見つかったようで、何よりだ」


 だが、冒険者の装備というのは色々と必要なのだ。


 数歩離れた背後に立っているベルから、「まだ付き合うのか」という視線を感じるが、オルデンは気にしない。いつも通り過ぎて、近頃は安心感まで覚えてるくらいだ。


「じゃあ、次はポーション屋に行くぞ」




 ***




 冒険に必要なものは色々とあるが、その中でも特に大切なのがポーション選びだ。


「必ず揃えておくべきなのは、魔力回復ポーションだな。それに、毒消しと痛み止めのポーションもあった方がいい」


「この派手な黄緑色のポーションは?」


「それは、強烈な臭いを発生させるポーションだ。使い道は少ないから、必要はない」


「なるほど……」


 色とりどりのポーションがズラリと陳列されている賑やかな店内で、オルデンはレクセイナに色々と教えていく。


 ポーションについて教えてもらったレクセイナは、またポケットの中に片手を入れて、マジックバックの中を漁る。


 ジャラジャラと袋の中の金貨同士がぶつかり合う音と共に、武器屋で出した袋と同じような袋を出した。


「じゃあ魔力回復と、毒消し、痛み止めのポーションで、この店で一番高い物を全部買います!」


 まさか、まだ金貨の袋を持っていたとは……。


 オルデンは苦笑した表情を浮かべる。レクセイナの手に握られている袋に視線をやると、先ほどの袋よりも、さらに中身が入っているような気がした。


 だが、最高級品のポーションはどんな効能だとしても高いのだ。普通は一番下の品質か、それよりも一つ上の品質を奮発して駆け出し冒険者は買うものだ。


「高いぞ……?」


 袋には500万パトルニア以上入っているだろうが、思わず確認し直してしまう。


「全然大丈夫です! あと、もう一袋あるので!」


 レクセイナがポケットに手を突っ込むと、さらにポケットから同じ大きさの金貨袋が出てきた。


「いやいや、まぁ……。いくら最高級品だとしても、一袋で足りると思うぞ。危ないからしまっておきなさい……」


 一袋で足りないという意味ではない。全然足りる。余裕で足りる。金貨一袋で、この店のポーションは欲しいだけ買い放題できるだろう。


 とんでもないお嬢様だ。


 財力の凄さに、オルデンは呆れた笑いしか出てこなかった。


 これで田舎から出てきた村人だと説明するには、さすがに無理があるだろ……。


「そうですか? 一袋で良いんです?」


「ああ、良いんだ。早くしまえ。早く」


 周囲の客の目がレクセイナの金貨袋に集まっている気がした。急かされてレクセイナは金貨袋を一つしまうが、果たして本人は超大金だということの自覚はあるのだろうか。


 ……ない気がする。


 だが、そうやって騒がしくやり取りをしているうちに、店員が出て来てくれたのは助かった。


 最高級のポーションは、店頭には並べられていない。店員にお願いして、大量に持ってきてもらう。


「こちら魔力回復ポーション、20万パトルニア」


「買います!」


「少し違う原料で作られた、魔力回復ポーション23万パトルニア]


「買います!」


「こちらは、あっという間に効果が聞いてくる痛み止めポーション、7万パトルニア」


「安いですね。買います!」


「こちらのポーションは――――」



 脇で繰り広げられていく会話に、オルデンは何とも言えない表情をして笑うしかなかった。


 凄くポンポンと、レクセイナが高級なポーションを買っていく。


 普通の冒険者ならば、300パトルニアで安物ポーションを買っていくものだ。


 それも、ポーション屋の特売日に、できるだけ安く手に入れようと朝早くから行列に並んだりもする。お金持ちは、やることが違った。


「爬虫類型の毒消しに特化したポーション、30万パトルニア」


「買います!」


「こちらは、魔力回復ポーションです」


「買います!」


 もはやレクセイナにとって、値段なんてあるようで無いのだろう。金額もまともに聞かずに購入している。


 それを店員も気がついたのか、色々と目が飛び出るような高いポーションを売りまくっている。


 まあ、レクセイナはマジックバックを持っているようだし、多くポーションを持っていても移動に支障をきたすことはないだろう。


 ちなみに、ベルはポーション屋に着いた後、トイレに行くと言い残してどこかへ行ってしまった。


 多分トイレという言い訳で、その辺のベンチに座りに行ったのだろう。


 全く…………。俺を1人にしないでくれ。ツッコみが大変だ。

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