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ANOTHER RAIN(アナザレイン) - テレビコメンテーター失踪事件 -  作者: 志村けんじ


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3/8

失踪事件の裏側➁

 村西明・失踪時


 村西明は失踪日の夜に、自宅に若い愛人を招き入れていた。


 妻は友人たち三人と7泊9日のの海外旅行に行っており、あと5日は帰ってくる心配はない。


 妻にこのことがバレないように、玄関先の防犯カメラを含めたセキュリティーシステムは事前に切っておいた。


 30歳も離れたまだ二十代の彼女が来ると、デリバリーピザを注文して一緒に食事を楽しみ、その後に彼女の若いカラダを堪能した。


 芸能界というのは闇深い。村西明のような六十歳手前の男でも、それを利用してテレビに出ようとする者は少なからずいるが、それでも彼女はまだテレビ番組には出れてはいなかった。


 散々、彼女で遊んだあと、彼女が帰る。彼女には、タクシー代として3万円渡した。


 彼女が帰ってから10分ぐらいすると、再び玄関のインターホンが鳴る。


「どうしたの? なにか忘れ物した?」 


 モニターを確認せずに玄関のドアを開けると、目出し帽を被った男が3人と立っている。


别吵(騒ぐな)不然我杀了你(さもないと殺す)

 大型のナイフを持った男が村西の喉元にナイフを突き立てて、おそらく中国語でそう言った。


「騒いだら殺す」別の男は日本語で言った。しかし、その声はボイスチェンジャーで機械的な声に変えられている。


 村西の股間に温かいものが流れる。


「た、頼みます、い、命だけは助けてください……お金なら幾らでも差し上げますから」

 恐怖のあまり失禁してしまっていた村西は、そう3人の男たちに懇願した。


敢吵就杀了你(騒いだら殺す)


「いいから大人しくついてこい。その前に玄関の鍵を締めろ」


 そのあと村西はガムテープを巻かれて目隠しされ、口もガムテープで塞がれる。両腕は後ろ手に太い結束バンドで拘束された。


 村西には、夕方から降り続いている雨の音だけが聞こえる。


 そこに1台の車が玄関の門の前に停まり、スライドドアが開く音がして、その車に乗せられた。


 車の中は、ずっと大音量の音楽がながれているが。男たちがなにか会話をしている様子はない。


 随分と長い時間、車に乗せられている。それでもようやく車は停車してエンジンが切られた。


「降りろ」

 そう言われて車を降ろされて、建物の中に入らされる。


 椅子にロープで固定されて、ガムテープの目隠しを外される。


 部屋の中は山小屋のような作りだが、窓はすべて外側から板で覆われている。


 それでもエアコンが設置されていることに、村西は少し安堵した。


 他には、そのまま床にテレビとラジオが置かれている。あとは部屋の端に仮設トイレが置かれている。あとはなにもない。


 口のガムテープも外される。


「どういうことなんですか!? どこなんですか此処は!?」



别吵(騒ぐな)不然我杀了你(さもないと殺す)

 再び村西の喉元にナイフが付きつけられる。


「なんでですか!? 私はあなたたちのことを沢山擁護してきたじゃないですか!? それに私はなんでもない、ただの一般人ですよ!?」

 村西は、3日前に失踪した磯部誠の事件についても連日コメントしていた。


「なんのことだ? お前にはしばらくの間、ここで生活をしてもらう」


「安心しろ。毎日水と食べ物は差し入れてやる」


「但し、騒いだり逃げようとはするな。ここには他に誰も来ないし、車も通らない。どのみち騒いでも無駄だがな」


 その後、村西明は拘束具を外されてこの部屋に監禁されたが、男たちが言ったように幾ら大声で助けを叫んでも、この男たち以外が来ることはなかった。



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