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異世界転生聞いてないよ!?~異世界転生したら、仲間が超個性的過ぎました~  作者: 活動休止中 がりうむ
第1章 「始まりの街」

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第3話 『ナンパ』

あの草原での戦闘から1週間。

あれ以降、草原には危険な魔物がいると身をもって知った私は、ずっと街の中の小さな空き地で野宿しながら、魔法の練習とギルドの簡単なミッションで細々と生活している。


ミッションと言っても今私が使える魔法は初級魔法の『業火(フレイム)』と『聖水噴水(アクアシャワー)』だけ。

上級ウィザードでも、そう簡単に魔術が使えるようになるわけではないらしい。


だから、私のできるミッションはほぼ魔法を使わない荷物運びや手伝いなどのミッションである。

このミッションで手に入る報酬は1件でだいたい1.5マーラほどだ。


安めの昼食で0.5マーラほどかかるため、1マーラで日本円で約1000円ほどだろう。

だが、1ミッションあたり5、6時間ほどかかってしまうため、1日で2件をこなすが限界である。

つまり、10~12時間働いてもらえるのは、3000円程度。

時給に直すと300円程度の超激安。

ブラック企業がホワイトに見えるほど安い。


「もう安すぎて泣きたい…」


けでも、報酬の高いミッションはドラゴンなどの危険な生物を討伐するもの。

今の私ではドラゴンにおやつとして食べられるのがいいところだろう。


とりあえず、今私がするべきなのは、なりと君たちを探すよりも先に、魔法の練習をすることだろう。

だが、この街には初級魔法について書いてある本しかなく、それ以上上のランクの魔術について書いてある本は誰も持っていない。

はぁ。いったいどうすれば…。


まぁ。そろそろ時間だし、ギルドに行かなくちゃ。

ギルドに行く準備をして、ギルドに向かう途中、一人の男とすれ違った。

男はやたらチャラそうな金髪で頑丈そうな鎧を着た、ナイトの類の冒険者だった。

……嫌な予感がした、その瞬間。


「ああ。この姿。間違いない。あなたこそが私の姫だ!」


道のど真ん中で叫ばれ、周囲の視線が一斉にこちらへ向く。


「あら?ナンパじゃない。お若いわね。」


「冒険者なの?あの女の方はなんだか貧しそうね。」


視線が痛い。

ナンパされるのは初めてではないが、こんなに視線が集まっていろいろ言われると、恥ずかしい。


「君こそ僕のフィアンセだ!さぁ。僕といっ―—なんで!?」


私は反射で男の頬をビンタしていた。


「私ギルドに行かないといけないので…」


私がその場を去ろうとすると、男は立ち上がり私に叫ぶ。


「待ってくれ!ギルドに行くんだろ?俺がミッションに参加してやる」


男はギルドまでしつこくついてきた。男は私にパーティーを組まないかと誘ってきた。


「俺は上級ナイトだぜ。なぁ俺とパーティー組まないか?」


「いやです。私はあなたとは組みません」


きっぱり断り受付に行ってミッションを確認すると、今まで受けていた簡単なミッションは、すべてなくなっていた。


「すいません。今ミッション不足でして…。討伐系のミッションならあるのですが…」


「……」


私は黙り込むと、後ろでは男がニヤニヤとしているのが見える。

もうお金はないし…。背に腹はかえられない。


「わかりました。今だけ私とパーティを組みましょう」


「よっし。そうと来なくっちゃ。」



──こうして、私たちは草原へ向かった。

討伐対象はマキシマムクロコダイルという巨大なワニのような魔物の討伐だ。


「俺の名前はルーク」


「うん…。あおいです。よろしく」


「なんかめずらしい名前だね。よろしく」


軽い挨拶を済ませると私たちはすぐにワニを探しに行った。

丘を登ると、草原の遠くの沼地のほうには一匹の巨大なワニの姿が見えた。


「おっ。あれか。俺が一発で仕留めてやるぜ!」


ルークはカッコつけながらワニに向かって走り出した。


「俺の必殺技『氷結剣(アイスブレード)』」


剣が青白く光り、剣先から剣の根元まで氷に覆われた。

そして、剣先がワニの鱗に当たった瞬間ワニの全身が一瞬で凍った。


「すごい…。これが魔法…」


「俺のは魔法じゃねぇよ。まぁ魔力と剣術を合わせて技だな。まぁ。俺からしたら簡単なことだ…痛って~!!」


ドゴォッ!と音を立てて氷を砕き、ワニが振り向き、ルークの頭をガブリと噛んだ。

私はどうしていいかわからずあたふたしていると。


「なんでもいいから魔法を使ってくれ!!頭が…潰れちゃう…」


なんで嚙まれても大丈夫なの!?


「えっ…じゃあ。地獄の業火の如く燃えよ『業火(フレイム)』」


私の放った炎はワニの顔面に直撃した。

すると、炎はワニに燃え広がった。

だが、ワニに頭をかみつかれたルークにも炎が当たってしまった。


「あっつ!!助けて…ほんとに…死ん…じゃう…」


「あっ!ごめん。聖水よ大地を癒し、人々の恵みとなれ『聖水噴水(アクアシャワー)』」


私は水を出してワニとルークをまとめて消火した。

ぐったりと倒れたワニを見ているとルークがゼェゼェ息をする。


「はぁ。はぁ。マキシマムクロコダイルを倒せたのも俺のおかげだろ…。なっ!これからよろしくな!」


「いえ。あなたとは嫌です」


「えっ!?ちょっと待ってよ…。そんな早歩きで…。俺今ケガしてるから早く歩けないの!あおいちゃん!お願いだから」


「名前で呼ばないでください」


私はそのまま彼を置いて、街に向かって歩いた。

読んでくれてありがとうございます!もし、気に入ってくださった方はブックマークや★5評価、感想、リアクションをいただけると励みになり嬉しいです。また、誤字脱字等あれば報告してくれると助かります!

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