第2話 『初めての魔法』
木曜日に第1話を投稿したのでご覧になっていない方はぜひご覧ください!
私は街の郊外から外れた草原に来た。
「ここが草原ね……」
雲一つない青空の下、見渡す限りの草が風に揺れている。吹く風は街では感じられなかった心地よい大自然の風だ。
なりと君たちを見つけるには、とりあえず、この街をなんとしても出ないといけない。
けれど、ここは異世界だ。
街の外に出た途端にドラゴンみたいな強力な魔物に襲われたりしたらひとたまりもない。
だから、私は魔法の練習をしてみることに決めた。
魔法についてはまだ何一つ分からない。
けれど、さっき街を出る時に門の守衛さんから『魔法のすすめ』と書かれた本を借りたし、スキルで「魔力量2倍」を選んだからきっと、なんとかなる……はず。
本には、魔法の種類などについて書いてあったが、ひとまず飛ばして、とりあえず魔法の詠唱が書いてあるページを開いた。
本を片手に持ち、左手を前に突き上げて、書いてある文を読んだ。
「地獄の業火の如く燃えよ『業火』」
全身が脈を打つように震え、体中から左手に熱が集まる感覚がした。
すると、左手の先端から1mはあろう炎が出た。
「わぁっ!!熱っ!」
私が驚いて腰を抜かして転ぶと炎は消え、私はその場に座った。
「で……できた!」
私は嬉しさに包まれ、何度も繰り返し練習をした。
すると、何度も練習しているうちに、全身が鉛のように重く、意識も朦朧としてきた。
「あれっ?頭が……痛いような……」
視界が揺れ、意識が遠のく。
バタンッ!
と音を立てて草原に倒れてしまった。
目を覚ますと、朝だった
昇ったばかりの、朝日が目に痛い。体は夜露に濡れてビショビショになっている。
「どうしよ……このままじゃ風邪ひいちゃう……」
本のほうに目をやると本も夜露に濡れていた。
「えっ!どうしよ……借り物なのに……」
とりあえず乾かさなくちゃ。
草原にある小さな木の枝に服を掛け、落ち着いて考えこんだ。
なんで、昨日意識が朦朧となって倒れたのだろう?
そんなに激しい運動をした覚えはないし…。
もしや、異世界の気候に体がまだ適応してないの?
いろいろ考えた末、ひとつの答えに行き着いた。
――魔力量が、尽きたんだ。
それなら、あんなに魔法を使ったあとにしんどくなった理由も証明できる。
私は魔力量が2倍だからといって、油断していたのだ。
納得のいく理由が見つかって立ち上がった。すると、
ガルルルル…
背後から、低く唸る音がした。
振り向いた瞬間、息が止まる。
そこには、背中に禍々しい黒い棘を生やした、大きなトカゲがいた。
じっと私を見つめ、口から伸びる長い舌。鋭い牙が、はっきりと見える。
私はその気配と殺気に体が固まった。
逃げなきゃ…。
ガルルルルゥ!
こちらに向かってゆっくりと距離を縮めてくる。
いやだ…死にたくない…。
私は足がすくみながらも、後退する。
すると、トカゲは私に向かって飛びついてきた。
「きゃぁ!」
私は覚悟を決め、目を瞑ってトカゲに向かって左手を構えた。
ここで失敗すれば、私終わっちゃう…。
「地獄の業火の如く燃えよ『業火』」
左手から出た炎は飛びついてきたトカゲに直撃した。
目を開けると炎に包まれ、断末魔を上げながら、暴れている焦げたトカゲの姿があった。
私は急いで木に掛かっている服をつかむと、一目散にその場を離れた。
街が見えてくると、安心してその場に座り込んだ。
「もっと練習してからじゃないと危険だな……」
私は乾かしていた服を着てゆっくり歩いて街へ戻った。
街本を借りた守衛の人には、事情を話して謝り、なんとか許してもらった。
はぁ。異世界も簡単じゃないのか……。
あのトカゲを倒せたのもただの幸運。もっと強くならなきゃ……。
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