第13話 『誘拐』
朝になった。
「ぐぅ~ぐぅ~」
隣でルークとエタニエルがまだ寝ている。
「はぁ。私だけでも探すか……」
私は宿を出て、ももかやなりと君たちを探すことにした。
宿の外に出ているアクリスに気付かれないようにそっと、宿を出た。
ももかやなりと君たちは13人。
早く見つけないと、この世界でどうなっているか分からない。
しかも、ばらばらになって異世界転移している。
一刻も早く全員を見つけないといけない。
街に出ると、人影はまだ一つもなかった。
「寒いな……。昼はあんなに暑いのに」
昼間の暑さが嘘のように、肌を刺すような寒さに鳥肌が立つ。
ギルドに行こうと、近道のために細い路地へ足を踏み入れたその時だった。
「ねぇ嬢ちゃん?」
振り返ると、人相の悪い男が一人、壁にもたれて立っている。
「……なんですか」
警戒しながら問い返すと、男は舐め回すような視線を向けてきた。
「かわいいじゃねぇか。これは侵しがいがありそうだぜ...…」
と答えるてきた。
やばい……。人さらい?
「さぁ嬢ちゃん。悪いようにはしないから俺たちについてこい」
そういわれると恐怖で大声で叫ぼうとした、次の瞬間。
「騒いでも無駄だ!拘束!」
男の手から長いロープと1枚の布が出てき、瞬時に、私の目と口を覆って体を拘束した。
「た、助けて……」
「そんな状態で声が出るかよ!」
私はそのまま男に袋に入れられて、どこかへ運ばれてしまった。
やばいよ……。
このままじゃ、ももかやなりと君たちを探す前に私が死んじゃう……。
しばらくすると、私は袋ごと地面に置かれ、袋が開いた。
袋の外は薄暗い密室。
「さぁ~お楽しみの時間だぁ~」
男はそう言うと、抵抗できない私の胸や股関節のあたりを男のいやらしい指先が這い回る。
「キャッ!?」
「かわいいこえだすなぁ~少し待ってろよ」
そう言って男は奥からいやらしい形のした棒のようなものを持ってきた。
「まずは、これから攻めてあげる」
「ちょっと!やめて!!だれか!!」
私は声を荒げるが、部屋に反響するだけで返事は帰ってこない。
絶望で涙が溢れそうになってきた。
「さぁ、ここからがショータイムだ!」
男はそう言って慣れた手つきでロープの上から私の服を脱がしだした。
「いいからだしているねぇ~。興奮してきたなぁ~」
下着姿の私を見て男はそう言って服を脱ぎ捨てて全裸になった。
「さぁ君も裸になって♪」
ノリノリで私の下着を脱がそうとし、私に下着に手を付けたその時——
ドゴォォォォン!!
「いないと思ったら、ここにいたのか!俺のあおいちゃんをよくも!!」
男の後ろの壁を破壊して、ルークとエタニエル、アクリスが現れた。
すると、この様子を見てエタニエルは冷静にこういった。
「ふむ……。行為中であったか……。失礼した。ほら、お前たちも帰るぞ」
そう言って帰ろうとした。
「ちょっ待って!勝手に私さらわれて、侵されるところなの!助けてよ!」
私がこういうと、エタニエルはめんどくさそうに振り返った。
「そうか……ならば助けてやろう。このエタニエル様を敵に回したことを地獄で後悔するんだな」
すると、男は裸のまま近くにあった剣を持ってエタニエルに裸のまま切りかかろうとした。
「俺の楽しい時間を!!お前ら殺してやる!」
「そうですか……」
エタニエルは男に指を突き出した。
「私にはあいにく裸の趣味はないのでね消えてもらおう。溶解」
魔法の光が消えた瞬間、男は跡形もなく液状に溶けてしまっていた。
「えっ!?ちょっと!?やりすぎでしょ!?」
「ハハハハ。哀れだ」
エタニエルは悪魔のような笑いを浮かべた。
すると、ルークが男がドロドロに溶けた液を指さしてこう言った。
「おい!どうすんだよこれ……?」
「ふん。とりあえずこいつを助けるぞ解除」
エタニエルが魔術を使うと、私に縛りついていた紐が取れた。
「はぁよかった……」
私が安心していると、ルークが頬を赤らめて、こちらをチラチラと見ていることに気が付いた。
「あ、あおいちゃん...…///服着てほしいな///」
こういわれ、私は我に返った。
「ちょっと、見ないで!!服どこ!?」
私は服を着ると、その場を離れ、街の保安所に事の経緯を話しに行った。
「……そうですか。犯人は死亡、という扱いになりますね」
保安所の職員は書類に目を落としながら、淡々とそう告げた。
「つ、捕まったり……しませんよね?」
私が不安になって尋ねると、職員は小さく笑った。
「ご安心ください。あの男は、この辺りで何度も問題を起こしていた
常習犯の性犯罪者です。正当防衛、いえ討伐扱いになります」
そう言って、彼は机の下から袋を取り出した。
「それから……こちらが報奨金です」
ずしりと重みのある袋が、私の手に渡される。
宿へ戻る道の途中で、私は空を見上げた。
「……はぁ。ほんと、散々な目に遭ったよ」
そう呟くと、エタニエルが高らかに笑った。
「ハハハハ!一人で行動するからそうなるのだ。この私がそばにいれば、何も問題は起こらんのに」
「そうそう!あおいちゃんは、これからは俺たちと一緒だよ!俺がちゃんと守るからね!」
エタニエルの自信がどこから湧いてくるのかは相変わらず謎だし、ルークの距離感も正直ちょっとアレだけど。
それでも私は、二人を信用していた。
そんな中、アクリスだけが少し気まずそうに口を開いた。
「……すまない。契約しているというのに、私が一番役に立てていない……」
「もう。気にしないでよ」
私はこう言って笑い、宿に帰った。
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