第12話 『砂漠の大蛇』
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私たちは、太陽に焼かれた砂漠の中央にぽつんと建つ、
小さな街へとたどり着いた。
「はぁ……暑い……。本当にこんなところにいるの……?」
照りつける日差しに、思わず弱音が漏れる。
「ふん。俺の勘に間違いはない!」
ルークは胸を張り、鼻高々にそう言った。
街の中に足を踏み入れると、
香辛料の強い匂いと、色鮮やかな布飾りが目に飛び込んできた。
赤や金の装飾が並び、まるで、インドの文化を感じさせる雰囲気だ。
「綺麗な街......」
「こんにちは、冒険者様!こんな遠い街タカルへ、ようこそ!」
街の人々は、意外なほど気さくに私たちを迎えてくれた。
「とりあえずギルドに行こっか」
ギルドの中には、壁一面に並べられた巨大な蛇の皮。
天井近くには、大きな蛇の頭蓋骨が飾られていた。
「わぁ……すごい……」
「ここは南部地域のタカル。この辺りは蛇型の魔物が多いのだよ」
エタニエルが淡々と説明する。
「討伐して、日銭を稼ぐのも悪くないな」
「私たちはお金を稼ぎに来たんじゃないの!」
私はそう言って、受付へ向かった。
「すみません。この辺りに、なんかとりあえず、現地民じゃない人っていませんか?」
「うーん……特に聞いてませんねぇ」
ギルドを出ると、私は小さく肩を落とした。
「やっぱり……いないか……」
「ねぇ見て!あおいちゃん!」
ルークが掲示板の張り紙を指差す。
『砂漠砂蛇の討伐』
報酬:十万マーラ
「十万!?」
「聞いたことはないが……面白そうだな」
エタニエルが不敵に笑う。
「でも、お前の仲間を探すのはどうする?」
アクリスが心配そうに言った。
「二人ともやる気みたいだし……少しだけやろうよ」
結局、私たちは依頼を受けることにした。
張り紙にかかれた場所に広がっていたのは、見渡す限りの砂漠だった。
「本当にここにいるのかな……」
「気配はないな」
そのときルークが言った。
「なぁ……なんか音しないか?」
背後から、地鳴りのような振動。
振り返った瞬間、
巨大な砂煙がこちらへ迫ってきていた。
「ほぉ……あれが砂漠砂蛇か」
エタニエルがのんきに言う。
次の瞬間、砂を突き破り、巨大な蛇が飛び出した。
全長二十メートルはあろう巨体に岩のような鱗がついている。
ルークはすぐさまに剣を抜いた。
「やってやるぜ!
『業火剣』」
ルークが突っ込む。
だが蛇は剣に噛みつき、そのままルークごと砂中へ引きずり込んだ。
「ルーク!!」
私は大声でこう叫んだ。
すると、自信満々にエタニエルがこう言った。
「これは私の出番ですね」
エタニエルが手を掲げる。
「漆黒放射」
黒い光が地面を貫いた。
「ハハハハ――」
だが次の瞬間、
蛇は再び飛び出し、エタニエルを咥えた。
「なっ――この私が――!?」
二人とも、砂に消えた。
「これは私の出番のようですね。『漆黒放射』」
黒い閃光が、地面を大きく貫いた。
「ハハハハ。私の前では、蛇などゴミ同然だ」
エタニエルがそう言った瞬間、砂漠砂蛇が再び飛び出し、エタニエルを咥え地面に引きづりこんだ。
「何!?この私が?蛇の分際で——」
そういってエタニエルは砂の中に連れ込まれた。
「ちょっと!エタニエルまで……。どうしよアクリス……」
アクリスに私が言うと再び、砂漠砂蛇が地面から飛び出してきた。
「きゃっ!」
「しょうがない...『聖水嵐』!」
アクリスの目の前にとてつもない大きさの嵐が現れた。
次の瞬間に砂漠砂蛇は飲み込まれた。
「ふん。そこらへんの蛇には負けんよ」
そう言ってアクリスは、竜巻によって掘り起こされた地面を覗いた。
「ほらいたぞ」
私が覗き込むと、そこにはぐったりと倒れた2人の姿があった。
「この私があんな蛇に......」
エタニエルは悔しそうにそう言った。
一方ルークは何も喋らなかった。
「あれっ?ルーク?」
「こいつは死んでるよ」
「えっ?また!」
「ああ。まぁ、安心しろ私が魂を取っておいた」
そう言ってエタニエルは立ち上がり、手に持っていた魂をルークの体に押し付けた。
「はっ!?」
ルークが跳ね起きた。
「お、俺は...?」
「ハハハハ。この私がまた復活させたのだよ」
すると、アクリスは砂漠砂蛇の死体の方に行った。
「ほら、持って帰るぞ」
「うん」
私たちはギルドに戻った。
ギルドに報告しに戻ると、受付の人は目を丸くした。
「……本当に倒したんですか!?」
「はい。これで」
「確認しました。報酬、十万マーラです」
ずしりと重い袋が渡される。
「これで……旅が続けられる」
「やったな!あおいちゃん!」
私は袋を握りしめ、うなずいた。
後で聞いた話だが、
砂漠砂蛇は、この辺りで頻繁に馬車を襲い、
タカルの人々を長く悩ませていたらしい。
その日の夜、私たちはそのままタカルの宿に泊まった。
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