プロローグ
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目を覚ますと、そこは辺り一面、真っ黒な空間だった。
壁も床も天井もない。ただ、どこまでも闇が広がっている。
「……ここは、どこ?」
思わず、声を出したが返事はない。
その時、上から優しげな声が聞こえてきた。
反射的に顔を上げる。
「六本あおいさん目覚めましたか?」
そこには、眩しく光り輝く何かが浮かんでいた。
……なに、あれ。
「あなたは…誰?」
少しの沈黙のあと、光は淡々と答えた。
「私は神です。あなたは、死亡しました」
「……は?」
頭の中が、一瞬で真っ白になる。
……死亡?私が?
数秒遅れて、記憶が一気に蘇った。
友達と乗った自家用機。
紛争地帯の上空を誤って飛んでしまい、ミサイルが飛んできて――
飛行機は撃ち落とされ、そのまま……。
「六本あおいさん。聞こえていますか?」
……死亡?
私が?
数秒遅れて、記憶が一気に蘇った。
友達と乗った自家用機。
紛争地帯の上空を誤って飛んでしまい、ミサイルが飛んできて――
飛行機は撃ち落とされ、そのまま……。
「……っ」
喉が詰まり、息が苦しくなる。震える声で、私は問いかけた。
「みんなは……? ももかや、なりと君たちは……?」
「あなたと一緒に、亡くなりました」
その言葉が、胸に突き刺さった。
……私が、誘ったから。私のせいで――。
「私の人生……終わっちゃった……」
その場に座り込むような感覚で、深く落ち込んでいると、
「もしもしー?」
やけに軽い声が降ってきた。
「あの~大丈夫ですか?それであなたに2つ提案します。聞いてくれますか?」
温度差がすごいな…。
「……はい」
「一つ目。このまま全てを忘れて、元の世界で赤ちゃんとして転生する」
……ふむ。
「二つ目。飛行機に乗っていた皆さんと一緒に、異世界へ転移する」
「……は?」
異世界?
「ちょ、ちょっと待ってください。異世界転生なんて聞いてないんですけど!?てか、そもそもあるの異世界?」
思わずツッコむと、神様はあっさり言った。
「はい。ありますよ」
……いやいや。
ラノベじゃないんだから。
「危なくないんですか……?」
「ご安心を。前世の記憶は引き継げますし、特殊能力も差し上げます」
「……特殊能力?」
首を傾げた瞬間、目の前に分厚く巨大な本が現れた。
「その本から1つご自由に選択できますよ」
私がその本を開くと
『半径10㎞にいる敵を感知できる能力』
『近接武器を使いこなせる能力』
『望んだことが10%の確率で起こる能力』
などいろいろな特殊能力が書かれていた。
すごいのはわかるけど…。なんか違うんだよな…。
ページをめくり続けていると、
「あのー、そろそろ決めてもらえます?」
神様が急かしてきた。
「ご、ごめんなさい……! じゃあ……えっと……」
深く考える余裕もなく、私は口にした。
「……『魔力2倍』で」
……もっと良いのあった気がするけど。
なんか無難なの選んじゃったな……。
「では、異世界転移ということでよろしいですか?ちなみに、皆さんが転移地点ははバラバラですのでご注意ください」
「えっ?ちょ―—」
すると、足元の真っ黒な地面に亀裂が走り、光り輝く魔法陣が展開し、体が足元から徐々に光の粒子となり消えていた。
「じゃぁ異世界生活楽しんでください~!!」
神様のバスのツアーガイドのようなその言葉が遠ざかるように聞こえながら、私は眩い光に包まれ、世界が反転した。
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