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頑張ることを諦めた俺を気に入ったのは学年で一番クールなあの子!?  作者: ドラゴロイド


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第9話 幼馴染との拗れ

俺が家に出るのを待っていた人物。

北条美優。関係性は幼馴染みかな一応。


「恭平さんを待っていたわけじゃないよ」

「じゃあなんでここにいるんだ?」

「・・・龍也を待っていたんだよ」


なんで俺なんかを待っていたんだ?

それにお前は・・・


「兄貴のことが好きなんだろ?」

「ちっ違うよ!!」

「けど、言っていたじゃねえか」

「それは・・・」


ほら、何も言えないじゃないか。

俺にとっては初恋でもあったんだがな。

小学生の時は色々と支えてもらった。俺が姉さんや兄貴との差で苦しんでいた時に優しい言葉をかけてくれた。


・・・だったんだがな。


「・・・・・」

「・・・・・」


遅刻をしたくないため、一緒に学校へ向かう。

その間、一切会話はなくシーーンとしている。

気まずいと人は思うだろうが、俺にとってはどうでもいいことだ。


「・・・龍也は2組だったよね」

「そうだけど?」

「実はさ、私5組なんだけど」

「そうか」


と会話は終了。

っていうか同じ高校だったんだな。2か月通ってて一度も会わなかった気がするんだが?


「・・・その」

「美優はさ。したの?」

「な・・何が?」

「兄貴に告白」

「どっどうしてそんなことを?」

「えっ?だって、お前兄貴のことが好きなんだろ?」


忘れもしない。



中学1年の時、俺の周りに人はいなかった。

兄貴関連で手紙を渡してほしいという女子ばっかりであり、俺自身の成績が兄貴と比較していいわけじゃなかったため、周りからバカにされていた。


地獄だったな。あの時は。

マサとの出会いは中2の時だからな。この時は美優がいたから耐えられたんだが。


ある日の放課後にそれが崩れるとは思ってもみなかった。

当時、俺は部活が急遽休みになったため、教室に忘れ物があったから取りにいったんだよな。


「香田ってお兄ちゃんいるじゃん」

「あの凄いスペックの人だよね!!」

「そうそう」

「それにここのOGにお姉さんもいるって話なんだけど、

 その人もすごかったって先生が言ってたんだよね」

「そうなんだ」

「けど、香田は普通じゃない?」

「そう!!あいつだけ普通なんだって。

同じ小学校の友達がそう言ってたんだ。香田家で唯一の出来損ないって」


と俺のことを話していた。

まぁ、兄姉と比べられているのには慣れているが、

同級生にここまで馬鹿にされるとはな。

そんな女子グループの中に美優がいたんだ。


「美優もそう思うでしょ?」

「それは・・・」

「幼馴染みなんでしょ?しっかりしろよって思わなかったの」

「えっ?」

「どうせ香田はいないから、ここでぶちまけちゃえば?」

「・・・私も、龍也にはちょっとだけ残念だなぁと思っているよ」

「ほら!!」

「じゃあもしかして。お兄さんのほうを狙っているの」

「そんな///・・・私には無理だよ」

「顔が赤いのに?」

「香田と一緒にいるのって同情とか?もしくは幼馴染みだから仕方なくって感じ?」

「それか・・・お兄さんに近寄るためとか」

「違「ガラララ」・・・あっ」


と言った瞬間、もう聞きたくなかったため俺は教室に入った。


「えっ・・」

「あっ!?香田」

「・・・龍也・・もしかして今の話」


と言われた瞬間、すぐに机の中にある忘れ物をとって帰ろうとした。


「待ってよ龍也!!」

「・・・なんだよ」

「もしかして・・・さっきの話聞いてた?」

「・・・だったらなんだ」

「あれは違うの!?本心じゃなくて」

「それでも・・・そう心の中で思ってはいたんだろ」

「それは・・・」


どうやら、本心ではあるようだな。言わされたって感じもしなかったし。俺よりも兄貴のことが好きっぽいんだな。

・・・俺は兄貴を引き立てる前菜なんだな。


「・・・もう一緒に行かなくていいか」

「どうして!?」

「兄貴のことが好きなんだろ?」

「違「分かってるから」・・・えっ」

「俺と幼馴染ってよりは兄貴の幼馴染みのほうがステータスも高いだろうしな」

「・・・何を言ってるの。私は」

「もういいよ。俺に構わなくて」

「何で・・・」

「俺に対して同情としっかりしろよって思っていたんだろ。なら、俺と関わらなければそんな気持ちにならなくて済むからな」

「・・・龍也」

「じゃあな」


こんな感じで関係が壊れたんだよな。

俺にとっては心のよりどころでもあり、初恋だった。

けど結局は、彼女も俺のことを見てはいなかった。

どこに行っても、俺は「香田家唯一の無能」から逃れられないのだろうと実感した瞬間だった。


こうして、その後は一度も話すことがなくなった。

向こうから話しかけてきたりしたが、俺としてはもう構わないでくれっと思いスルーを決め込んだ。

どっかの正義厨とかが現れて、色々難癖をつけてきた奴らもいたが、こっちとしては関わりたくなかったので、適当に対応はしたがな。


こうして、幼馴染との関係は拗れに拗れて、ほぼ修復できない関係になったんだ。


・・・・・だからこそ、家の前で俺を待っていたことには驚きはしたがな。

追記です。

まさかまさかの現実世界・恋愛部門で日間・週間1位を獲得しました。

めっちゃ驚いて固まりました(笑)。

カクヨム先行で投稿していますが、2日に1回のペースで投稿しているため、途中で追いつくことになると思います。

投稿自体は続けていきますので応援のほどよろしくお願いします!!

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― 新着の感想 ―
中一の時に拗れて、その後関係改善に少しは動いたがダメで何年か放置して、高校に上がったし何とかで接触して来た感じかな? 彼に聞かれた彼女の発言は周囲に合わせての様だが、実際の所、兄にも少しは気の合った…
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