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頑張ることを諦めた俺を気に入ったのは学年で一番クールなあの子!?  作者: ドラゴロイド


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8/19

第8話 家族全員集合

と瀬戸川さんを家まで送った俺は自宅に帰ってきた。

この後、バイトについて家族に話す予定だ。

向こうには「何時でも行けます」っと言ったからには、絶対に許可をもらうぞ!!


と活きこんでリビングに入った瞬間、目に入ったのは1人の女性だった。


「おかえり」

「・・・・・どうしているのさ?姉さん」


リビングにいたのは俺の5つ上の咲夜姉さんである。

大学に入学と同時に1人暮らしをしており、夏休みと冬休みとかしか帰ってこないんだが、どうして今日いるのさ?

ちなみにこの人も頭がよく、運動神経も抜群でバスケで高校の全国大会3位のチームのキャプテンでありエースなのだ。

兄貴以上に凄い人と思えばいいと思う。


「別にいいじゃない」

「文句を言っているわけじゃないんだけど」

「あんたの聞き方が文句を言っているような感じだったわよ」


マジか。全然気にしていなかったわ。


「来た理由はあなたの入学祝よ」

「別にそのためだけに帰ってこなくても」

「そのためだけ・・・って、どうしてあんたは卑屈すぎるのよ」

「だって」


俺が《《一番無能なのを突き付けた1人》》が何を言っているんだか。


「お父さんから連絡があったのよ」

「連絡?」

「そっ。あなたの入学祝をするから帰ってこいってね」

「俺、何も知らないんじゃが」

「あなたが聞いたら、しなくていいって言って部屋に引き籠るのが目に見えているからでしょ」

「ぐぅもでねぇ」


さすがは父。俺の性格を分かり切っているな。


「母さんは?」

「買い物。・・・それで聞きたかったことがあるの」

「何が?」

「あんたの好きな食べ物よ。今日は買ってくれるって」

「・・・・・」


好きな食べ物かぁ。・・・何も出てこないんだが。


「ないな。好きな食べ物が」

「ないって・・・噓でしょ?」

「マジでないんだよ」


マジで浮かばない。

今までこういうお祝いって余りしてもらったことないな。

基本、姉貴と兄貴のお祝いとかのイメージが強すぎる。


「だって、今まで祝いとかしてもらったことないもん」

「えっ!?・・・ちょっと母さんに聞いてみる」


と姉さんは一旦母さんに連絡を入れるみたいで席を離れた。

その後、ガラガラガラと玄関から音が聞こえた。


「ただいま」

「おかえり風花」

「龍兄だけなの?」

「母さんは買い物でな。その代わり、姉さんが帰ってきているぞ」

「そうなんだ・・・・・って咲姉が!?」


風花はお姉ちゃん大好きっ子だからな。

嬉しい顔しているよ。


「ただいま・・・姉さんが帰っているのか?」

「そうだぞ兄貴」

「久しぶりね。恭平」

「どうしてまた?」

「龍也の入学お祝いだって。お父さんがね」


と10分後に兄貴も帰ってきて、

その5分後ぐらいに。


「ただいま」

「帰ったぞ」


と両親がそろって帰ってきた。

母さんがケン〇ッキーと寿司(お寿司屋さんで予約していたらしい)を

父さんがケーキを持ってリビングに上がった。

父さんの名前は孝輔(こうすけ)。会社の課長を務めている。

年齢は48歳。ダンディーな見た目で会社でも人気なんだとか。


「もう7時でしょ。おなかすいているわよね。ちょっと軽く味噌汁を作るから待っててね」

「分かった」

「私も手伝うよ」


と姉さんが母さんの手伝いをして、食卓には豪華な飯が並んでいた。


「今日は遅くはなったが、龍也の高校入学祝だ」

「どうして2か月も経ってやろうとしたの?」

「・・・俺の仕事が片付かなくてな」

「大きいプロジェクトのリーダーをやっていたのよ」

「それで、こんな中途半端な時期になったっと」

「すまんな龍也」


と父さんは頭を下げたが、

俺としてはこのまま祝いなんてなかったほうが楽だったんだけどな。


「あんた、どうせ祝いなんかしないほうがよかったって顔をしているわよね」

「・・・何で分かるんだよ」

「一瞬嫌な顔したのを見ていたからよ」

「・・・」


一番上にはかなわないよね。


「「「「「「いただきます」」」」」」


と言って全員で飯を食べつつ、会話する中で、俺はバイトの件をどう切り出そうか考えた。


(こういう時は早めに言ったほうがいいよな)


と考えていたら、


「龍也。お前は部活をやらないのか?」


と父さんから聞かれてつい、


「俺が部活に入るわけないだろ」


と言ってしまった。


「どうしてだ?あれだけ楽しくやっていたじゃないか?」

「楽しくか・・・」

「ちょっと龍也」

「・・・部活に入らないのは兄貴と比べられるからだよ」

「「「っ!?」」」

「・・・すまん」

「別に、もう割り切っているから」


比べられて馬鹿にされたりもしたからな。

もう嫌なんだよね。それにどんなに頑張っても越えられない壁に挑もうとする力もなくなったのだから。


「だから、代わりにバイトをしようと思ってね」

「バイトをか?」

「うん。同級生の知り合いの人がカフェを経営しているらしくて、今日行って話をしたらOKをもらってね」

「なるほどな。お前はコーヒーが好きだもんな」

「好き・・・ていうより飲み慣れたってのが正しいけど、バイトしてもいい?」

「勉強は大丈夫なんだな?」

「一応、中間は上位50人には入っているから」

「・・・そうか。許可しよう」


今、何かを飲み込んだ気がする。大方、「恭平は1位だったのに」とでも言うつもりだったんじゃないかな。

まっ、俺にとってはもうどうでもいいけどね。


と若干暗い雰囲気になりかけたが、風花が


「龍兄のバイト先行ってもいい?」

「身内が来るのは恥ずかしいからやめろ」

「えぇ~~~」


って感じで緩くなったおかげで祝いのように楽しい雰囲気で幕が下りるのだった。



・・・・・・・・・・・・


次の日、俺が家を出たらある人物が待っていた。


「・・・おはよう。龍也」

「・・・なんか兄貴に用事でもあるのか?美優(みゆ)


待っていたのは、俺と同じ歳の幼馴染み・北条美優が待っていた。

・・・・・どうしているんだ?


すいません。

この「頑張ることを諦めた俺を気に入ったのは学年で一番クールなあの子!?」が日間1位を獲得したことに昨日は大変驚いています。

これからも投稿は不定期になるとは思いますが、応援のほどよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
まあ会話だけだと、仲が破滅的に悪そうに感じない家族ですかね。 しかし、息子の食い物の好みも分らん母の段階で、そりゃあお察し。 時期も主人公ご指摘のズレてますし、総じてそういう所なんでしょ、この家族…
父親の設定が、最初の紹介と違う気がします。名前と年齢、それと、父親は下の名前で呼んでいることになっていたような。
なんというか、祝ったとこで何を今更感があるのよな。 家族一同としても失ったものを取り戻したいのもわかるが、時すでに手遅れ。 姉も嫌な顔指摘したけどさ、こんな今更な茶番されてそりゃ嫌だろ。好意を無理やり…
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