第60話 休みた~~~い。休みた~~~い
・・・ここは地獄で間違いないのかな?
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
今、厨房は地獄になっていた。
文化祭2日目のスタートの合図とともに、人が異常レベルでなだれ込んできたのだ。
なぜこんなことが!?
「どうして・・・こんなに人が・・・」
「今日は・・・昨日ライブや劇でこれなかった人たちが一気に来たみたい」
「・・・私たちのクラスのクレープが・・・結構おいしいっていろんな人が広めたらしいのよ・・・SNSとかでも・・・」
「その結果が・・・これなのか・・・」
飛ぶようにクレーブが売れていく。
女子はスイーツ系のクレープを。男子がおかず系のクレープをどんどん買っていく。
「これは・・・午後の分がなくなる可能性もあるんじゃ・・・」
「その心配はないわ。さっき、空いている人たちに追加の買い物をお願いしたからね」
「さすが・・・」
橋本さんマジかっこいいっす。
それでも・・・この売れ行きはヤバいな。
クレーブのおいしさだけじゃなく、コスプレってところにひかれている人も要るっぽいな。
「コスプレが意外と刺さって要るっぽいね」
「こういう衣装が文化祭っぽくていいじゃない?」
「だったら・・・撮影みたいなこともしていいんじゃないかな?」
「それは・・・意外とアリかもね」
と橋本さんはコスプレ衣装を着ている人の何人かにお願いして、
一部のスペースで急遽撮影会を始めたのだが・・・
「・・・なんか・・・悪化していない?」
「逆に人が集まるって・・・」
「・・・提案しなければよかったかな?」
「いや・・・撮影のほうに人が流れてもいるから、交代で休憩に入って」
「俺が最後でいいから、女子のみんなから休憩入っていいよ」
「ごめんね香田君」
「ありがとう」
どうやら、撮影会のほうに人が流れていった結果、クレーブの客足が少し減ったみたいだ。その分、コスプレ衣装を着ているメンバーへの負担がデカいが、
「厨房班が頑張っているからこれぐらいはな」
「私たちは写真を一緒に撮ってもらっているだけだからね」
「厨房班が楽になるなら頑張ろう!!」
「「「オォーーー!!」」」
本当にこのクラスはいいクラスだなぁと実感するよ。
頑張ってクレープを焼いてきたのだが・・・さすがに俺も限界が・・
「香田君。交代よ!!」
「少し休んでて!!」
「私たちは休憩して・・・何とかできるから」
「分かった・・・」
と俺は少しばかり休憩をとることに。
と・・・あれ?接客にマサもいるんだが?
「大丈夫かタツ?」
「これが大丈夫に見えるなら・・・眼科をお勧めするよ」
「だよなぁ」
「・・・宣伝はしていないのか?」
「最初はしていたんだが・・・ここまで人が多いと宣伝しているメンバーも駆り出されたんだよ」
「宣伝している余裕がないってことか」
「それに・・・多分お前の兄が原因の1つらしい」
「・・・どうして兄貴が?」
「何でも、お前が担当していなかった午後にクレープを買いに来ていたみたいでな。
そこで、めっちゃおいしいってバンドの人たちと食べていたって目撃情報が」
俺の兄貴の力ってやっぱりすごいんだなぁ。
まさか、あの人の力がこんなプラスになるなんて。
「お前がその弟で作っているってのも噂になっているからな」
「・・・俺のせいでもあるのね」
「お前の兄ってビジュアルいいだろ?SNSで写真で投稿していたみたいなんだよな」
「兄貴はSNSが苦手だったんだが・・・ってバンドの人たちか」
「そういうこと」
その結果がこれって・・・なんだかなぁ。
「・・・佐島君!!呼ばれているよ!!」
「分かった!!・・・それじゃ頑張れよ!!」
「お前もな」
「あぁ・・・今日は疲れる日になりそうだ」
マサがコスプレで執事ってのがなぁ・・・完全にオラオラ執事って感じ。
コイツもビジュアルがいいからな・・・めっちゃ女子に呼ばれている。
・・・他の男子がちょっとうらやましそうに見ているのが面白く感じるよ。
「それじゃあ・・・あとひと踏ん張り頑張りますか」
現在、10:34・・・後約1時間半頑張るとするか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そうして、とりあえずの午後組が来る12:30になったのだが・・・
「これは・・・」
「みんな死んでいるのかなぁ?」
「死んでいないわ・・・疲れて動きたくないだけよ」
「・・・香田君は大丈夫?」
「・・・・・・・・・・」
「返事がない、ただの屍のようだ」
もう・・・本当に動きたくないよ。
「追加の材料を買ってきてもらったから、これを売り切れば・・・そこで終了になるわ」
「それまで私たち午後組で頑張るよ!!」
「その・・・香田君はいけるの?」
「正直・・・30分ぐらいは休憩が欲しいかな?」
「だよね・・・」
「そうね。香田君も30分は休憩してね」
「じゃないと・・・午後の途中で倒れかねないわよ」
「分かった・・・そうするよ」
と俺は一旦、この場を離れて休憩することに・・・
どこで休憩しようかなっと教室を出た時だった。
「龍也お兄ちゃん」
「美晴ちゃん?」
まさかの美晴ちゃんと会うのであった。
その隣にいるのは・・・雫ちゃんじゃないか?




