第57話 初日の終了と明日の準備
体育館で行われたライブを見た後、
俺と瀬戸川さんは雫ちゃんと瀬戸川姉と別れてクラスのほうに向かっていた。
「・・・」
「・・・瀬戸川さんのお姉さん、まさかのアドバイスだったな」
「そうね・・・あの人はあの人で苦しんでいたのね」
意外な話にさすがの瀬戸川さんも考えを改めたそうだ。
「姉さんは私にとって超える対象なのは変わらないわ・・・でも、
一度歩み寄るのもいいのかもしれないわね」
「実際、海の家のバイトで偶々会ったときがあるんだけど」
「そうなの?」
「あぁ。妹の成長を楽しみにしているんだって」
「・・・あの人らしいわ」
俺もそう思う。
なんだかんだあの人は面倒見がいいんだろうな。
俺の姉の友達だもの。
「俺の姉は言葉で刺してくる人だからな」
「そうなの?」
「一番言われたのは『これぐらいはできるでしょ』だ」
「・・・あなた。家族関係悪すぎるわよ」
「・・・否定はしない」
と会話しながら向かっていった。
時間は15時で、終了時刻は16時半のため、
その間は接客の手伝いを俺と瀬戸川さんはやった。
「本当は休憩時間なのにごめんね」
「これぐらいはかまわないさ」
「十分楽しめたから問題ないわよ」
「・・・2人がめっちゃ頼もしいよ」
そしてついに・・・
『これにて、学園祭1日目を終了します!!』
「「「終わったーーー!!」」」
最終的に材料は少し余ったぐらいで、結構稼げることができたんじゃないかな?
「・・・明日も頑張れば・・・打ち上げが豪華になるよ」
「・・ある程度は残さないとだけどね」
「来年の体育祭や文化祭なんかの予算になるんだよね」
とのこと。だからめっちゃ頑張って稼ごうと全クラスが躍起になっているからこそ、
休憩室を作ったクラスに驚いたよ。
「・・・明日は正念場だね」
「どれくらい頑張れるかな?」
「宣伝はもっと増やしたほうがいい?」
「そしたら、今日の朝のように人が足りなくて地獄を見るからこのままで」
「確かに・・朝はしんどかったね」
「香田君がめっちゃ頑張ってたからね」
俺はほぼ休憩なしでクレープ作っていたからな。
実は一番疲れてはいる。
「正直・・・帰って眠りたい」
「それはそう」
「佐島なんかナンパされてたもんな」
「違うからな!?」
「なら・・・佐島君にはもっと頑張って宣伝してもらわないとね」
「もしくは接客してもらったほうがいいんじゃないか?」
「それは確かにそうだね」
と俺の提案でマサは宣伝から接客に変わった。
「タツお前・・・」
「めっちゃから揚げとかもらっていたからな・・・頑張れ」
「糞・・・・」
「ナンパとかされそうね」
「声は確実にかけられるだろうね」
「瀬戸川さんはスルーしていたものね」
「っていうよりは接客で忙しくてそれどころじゃなかったのよ?」
「そういうことか」
実際、声をかけようとしていた人もちらほらはいたからな。
最悪は・・・先生に頼みたいところだな。
「明日は先生が午後からここに来てくれるから問題ないと思うよ」
「午前の人たちは・・・頑張ってね」
ちなみに、厨房班は午前と午後を明日は入れ替えるため、
俺は午後からになる。・・・結構眠れそうだな。
「眠ることを考えているだろう?」
「当たり前だ・・・どれだけ忙しかったか」
「本当にそうよ」
「それじゃあ・・・接客班は机やいすとかを拭いてもらって、
厨房班は使った調理器具を洗いましょ」
と提案され、俺たちはそれぞれの持ち場に向かうのであった。
「・・・他のクラスもいるんだね」
「自分たちのクラスのものって分かるように・・・あそこ見て」
「クラスごとにあるんだ・・・」
「前にどこのクラスのものかわからなくて喧嘩になったそうだよ」
「・・・マジか」
それであんな仕切りみたいな感じであるんだ・・・驚きだ。
「そっちも洗い物?」
「そうだよ」
「確か・・・クレープだったよね。行って食べたけどおいしかった」
「そっちは焼きそばだよね・・・熱くなかった?」
「すごい熱かったよ」
と隣で洗っていた別クラスと話すリーダーの橋本さん・・・コミュ力高!?
「・・・男の子が1人いるんだ」
「香田君がめっちゃ上手なんだよ」
「私のクラスの男子にも見習ってほしいわ」
「そうだね」
なんか・・・俺が褒められているのかな?
「メニューって誰が決めたの?」
「私と香田君で厨房班で誰でも失敗しないレベルのものをってね」
「香田君・・・スペック高くない?」
「料理もできて運動もできて頭もいい・・・モテるでしょ?」
「残念だけど・・・兄がいるからな」
「2個上の生徒会長さんだよね・・・あの人はおかしいだけだと思うよ」
「香田君も十分凄いよ!!」
「あっ・・・ありがとう」
まさか・・・ここまで褒めてもらえるとは思わなかったからめっちゃ戸惑った。
・・・本当にありがとうね。




