第51話 文化祭の準備ってなんかワクワクするよね?
「こっち看板持ってきて!!」
「宣伝用のプラカードは?」
「もうすぐ・・・できたよ!!」
「メニュー表の印刷はできたの!?」
「これから先生にお願いするところ!!」
文化祭まで残り2週間を切った。
俺たちのクラスはクレープ屋さんをすることになり、
それに向けていろんな準備をしていた。
「・・・これぞ文化祭って感じだよな」
「言ってないで手を動かしたらどうだ?」
「分かってるって・・・タツはこれからだっけか?」
「まぁな」
「香田く~~~ん!!」
「呼ばれたから言ってくるわ」
と俺は厨房担当の女の子から呼び出しを受けて集まっている場所に向かうことに。
・・・・これは気まずいな。
「・・・・・」
「どうしたの?香田君?」
「橋本さん・・・男が俺1人だけなのが気まずくてな」
「あぁ~~~確かにそうね」
厨房のリーダーである橋本さん(親が自営業のレストランを経営している)に気まずい理由を話した。
料理ができる男が俺だけだったとは。
「逆に香田君はできるんだよね?」
「・・・・ちょっとね」
「これ・・・理由を聞かないほうがいいかな?」
「是非お願いするよ」
本当にお願いだ。
俺が料理できる理由は・・・高校卒業と同時に就職を考えていて、
1人で生きていけるようにするために練習していたのだ。
実はそのためにバイトを始めた理由にもつながっているからな。
家族との折り合いは最悪だし、1人でいることが多かったからな。
おのずと自分でできることは自分でやる習慣が身についているんだよな。
あの環境はある意味俺を成長させていたのかもな。
「けど・・・クレープづくりは初めて?」
「一応、バイト先で練習させてもらったよ」
「本当に!?・・・皆も見習わないとね」
「凄いね香田君!!」
「私も頑張るわよ!!」
なんか・・・俺が練習したことを知って気合が入っている様子。
「予算とかは確保できそうなの?」
「材料費は問題ないわね・・・完売した時よりも残った時が・・・ね?」
「余ったら、みんなでパーティーとして作って出すのもアリかもね」
「確かに!!・・・って弱気な考えはダメね。さてと・・・メニューはあらかた決まっているのよね」
今回出すクレープのメニューは、
・チョコクリーム
・チョコバナナクリーム
・ブルーベリークリーム
・メイプルバタークリーム
のスイーツ系と、
・ハムレタス
・シーチキン
などのおかず系も用意しているぞ。
飲み物はジュースを炭酸合わせて3種類にコーヒーと紅茶も用意している。
「これ・・・予算は大丈夫なのか?」
「ある程度は自分たちで持ち込みオッケーらしいわ」
「それで補填する形か・・・なるほどね」
生徒会からもある程度は自分たちで補填してもオッケーと話していたそうだ。
それなら・・・十分足りるかな?
「さてと・・・クレープを焼く機械を先生が用意してくれたので、今からみんなで練習するよ」
「完成したら俺たちに回してくれよ」
「食べる気満々ね」
実際、準備している横でおいしそうなにおいがしたら・・・耐えられないだろうな。
特に運動部に所属している男子は。
「まずは・・・香田君からお願いしていい?」
「俺からなんだ」
「練習の成果を見せてもらいましょう」
・・・なんか変なプレッシャーを感じるんだが?
「ほい・・・」くるくる
「うまいね」
「さすがは料理男子」
「いつから俺は料理男子に?」
って雑談しながら・・・完成した。
「はい。チョコバナナクリーム完成!!」
「・・・おいしそう」
「誰が・・・味見する?」
女子がじゃんけんをしている横で、俺は男子用におかず系のクレープを作成した。
「今回だけの特別のハムチーズだ。誰が食べるかは・・・じゃんけんで」
「「「じゃんけん!!ぽいっ!!」」」
・・・・これ準備の妨げになっていないか?
「なにやっているのよ?」
「試食を作った結果、取り合いになっちゃった」
「なるほどね」
「瀬戸川さん」モグモグモグ
「食べながら話さないの」
どうやらじゃんけんに勝ったのは椎名さん(陸上部所属で体育祭で俺にバトンを渡した子だ)だった。男子は・・・委員長が勝ったんだ。
「それにしても・・・本当においしいよ」
「こっちのハムチーズもおいしい」
「それならよかったよ」
「瀬戸川さんはじゃんけんに混ざらなくてよかったの?」
「私は同じバイト先で、彼の練習したのを食べさせてもらったからいいわ」
「なるほど」
「練習の時は・・・苺だったのよね」
「偶々、買ったスーパーが安かったからね」
「「それは・・・食べたかった(わ)」」
意気投合しちゃったよ。
ちなみに、俺たちが会話している後ろで厨房担当の子たちがクレープの生地に悪戦苦闘していたのだった。
それだと包むときにグシャってなるから、クリームはそこまで出さないほうがいいよ。




